I2I生成AI対策実験・結果報告書
概要
画像生成AIの利用法のひとつであるi2iに対して有効な対抗策を見つけるための実験である。
i2iとは
i2iとはイラストを生成AIを用いて別のイラストに変換・加工する行為を指す。これは著作権的にもマナー的にも極めて悪質な行為とされているが、一部の心無い生成AIユーザーによって横行されている。
NSGとは
NSGとは、NightShadeとGlazeを合わせた略称である。NightShadeはAIに誤認させるための毒を入れるソフトであり、Glazeは学習阻害加工を施すソフトである。いずれも、シカゴ大学の研究チームが開発し、無料で提供されている。
ウォーターマークとは
ウォーターマークとは完成された絵の上から、著作権を保護する目的で追加で加工される著作者を示すマークである。以下WMと略称する。
実験方法①
i2i使用の生成AIサービス「copainter」を使用。どの程度有効度があるのかを生成結果から考察する。
1枚目、2枚目が変換元
実験内容
①50%乗算NSGウォーターマークを使用(プロンプト無)
②50%乗算NSGウォーターマークを使用(プロンプト有)
③100%乗算NSGウォーターマークを使用(プロンプト無)
④ 100%乗算NSGウォーターマークを使用(プロンプト有)
実験結果
①
②
③
④
実験方法②
Xが提供している生成AIサービス「Grok」に上記の画像を変換するように指示。
実験内容
①50%乗算NSGウォーターマークを使用(水彩画風への変換加工の指示有)
②50%乗算NSGウォーターマークを使用(アニメ風への変換加工の指示有)
③50%乗算NSGウォーターマークを使用(白黒漫画への変換加工の指示有)
④100%乗算NSGウォーターマークを使用(水彩画風への変換加工の指示有)
⑤100%乗算NSGウォーターマークを使用(アニメ風への変換加工の指示有)
⑥ 100%乗算NSGウォーターマークを使用(白黒漫画への変換加工の指示有)
実験結果
①
②
③
④
⑤
⑥
結論
当たり前ではあるが、ウォーターマークが濃ければ濃いほどi2iの妨害に繋がる。
対copainterではNSGはi2iを防ぐにはあまり有効的でない。あくまでクローリング対策用の加工であるためだと思われる。
逆にGrokの場合はNSGがある程度有効的に見える。恐らく学習阻害加工に入れられた毒が効いているものだと考えられる。
Xで他者の絵が気軽にi2i出来るという機能が搭載されるという事だったが、NSG加工されたWMであれば、ある程度守れるという証明が出来たのではないだろうか。
これを機にXに無加工の物を投稿するのは避け、別サイトにリンクを貼ってNSG加工されたWMを貼った物を投稿した方が作品や作風を守れるかもしれない。生成AIから作品を守るための法律が出来るまで、どれくらい掛かるか想像も付かないが、それまでの間、生成AIから守るために、この記事を参考にしていただければ幸いである。
2025年4月13日 龍の卵