原作とほとんど変わってない内容でしかもオリ主も出ていないシーンを無駄に書いたおかげで無駄に文字数が多くなり非常に読みにくい。
動揺して最後に書いた奴もグダグダな気しかしない。
でも書きなおすことに至らかったです。
考えずらかったです。
温かい目で見てやってください。
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SAOがデスゲームとして始まり、一か月の時が経った。
現在、残りのプレイヤー数は約八千。
つまり、一カ月で約二千人のプレイヤーが死亡したことになる。
その死因は自殺や戦闘による死などさまざまであったが、PKはまだ行われていないことには少しほっとした。
だが、一カ月たった今でも、第一層は攻略されていなかった。
当然俺達も迷宮区に潜って戦闘を続けていたが、ボス部屋は見つけられず適度にレべリングして床に就く。
そんな生活を一カ月繰り返していると、ジャックについてもなんとなく解ってきた気がしていた。
戦闘面でも《スイッチ》をうまく決められるようになったし、気兼ねなく会話も出来ている。
最近はナイフ回しにハマっているようでしばしば作り上げた技を俺に見せてはドヤ顔をしてきたりもする。
だからこそ、解らないこともある。
ジャックはプレイヤーが二千人死亡したと分かったときにも狼狽える様子は全く見受けられなかった。
コペルの時もそうだ、ジャックはプレイヤーの『死』に対する感覚がどこがずれているんだ。
普段見せている気さくな性格の裏には何があるのか……。
いや、考えるだけ無駄か。そう思考を吐き捨て、今日も剣を握る。
――まだ、ゲームは始まったばかりだ。
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――《トールバーナ》。
第一層の迷宮区からほど近い谷あいの町だ。
今日の夕方、ここで一回目の『第一層ボス攻略会議』が開かれるということで、俺達はこの町へと足を運んでいた。
「確か、会議は午後四時からだったよなぁ」
会議のために早めに狩りを切り上げたので退屈になったのか、ジャックは頭の後ろで腕を組みながらずかずかと俺の隣を歩いている。
「ヨッ、キー坊、ジー君」
いきなり背後から声が聞こえ、振り向くと俺よりもさらに頭一つ低いプレイヤーの姿。
因みにキー坊は俺のことで、ジー君はジャックのことだ。
何故かこのプレイヤーはアバターネームから渾名を作り、それで呼びかけてくるのだ。
ベータテストの頃はひどく動揺したものだ。
「やっぱオレはその名前なのか……」
ジャックも最初はなんだその名前と言っていたが、もうジャックもしょうがないと諦めている。
「オレっちは一度決めたことは曲げない主義だからナ」
にんまり笑うその顔には、一つ大きな特徴がある。
両のほっぺたに、メーキャップアイテムで、動物のヒゲを模した三本線がくっきりと描き込んであるのだ。
故に、恐らくはアインクラッド初の情報屋である彼女は《鼠のアルゴ》と呼ばれていた。
「で?今日もまた、本業の取引じゃなくていつもの代理交渉か?」
すると今度はアルゴが渋面になり、ちらりと左右を見回すと、俺の背中を指先で押して近くの路地へと移動させた。
「じゃあ、オレはどっかその辺うろついてるから」
そう言うと、ジャックは人混みの中へと消えていった。
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「そういえばジャックの情報は……やっぱりか?」
俺の武器についての交渉を終え、俺はアルゴにそう問いかけると、彼女は小さくため息をついた。
「いや、恐らくキー坊の知ってる情報と何も変わりないネ」
「そうか」と返すとこちらも自然とため息が漏れた。
ジャックの『死』への感覚がずれていることから、彼には何かあったのではないかと思い、アルゴに遇う度、新しい情報がないか聞いているのだが、これと言った成果は無かった。
本来なら本人に直接聞いた方がいいのだが、もしもそれがジャックにとって話したくないものだったと思うと、聞くに聞けなかったのだ。
《鼠》の腕をもってしてもジャック=ガンドーラという人物の裏に何が隠されているのかは掴むことは出来ないらしい。
「ありがとうアルゴ、助かるよ」
「こっちも全く情報がつかめなくて済まない、キー坊」
そんなことはない、と言おうとしたが、アルゴが急に真剣な顔つきなり、思わずその言葉を飲み込んでしまった。
「ジー君はオレっちやキー坊に無いような才能を持ってる。だから、キー坊はちゃんとジー君を守ってやるんだゾ」
「……ああ」
あまりに重いその言葉に、俺はそう返すしかなかった。
一カ月はなんとか死なずにここまでこれた。だが、何が起こるか分からないのがボス戦だ。
アルゴは俺の言葉を聴くと、「ほんじゃまたナ、キー坊」といい。《鼠》はその渾名にふさわしい敏捷さで表通りへと去った。
俺はその姿を見送ってから、アイツはきっと死なないだろうな、とぼんやり考えていた。
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四十五人。
それが、《トールバーナ》の噴水広場に集ったプレイヤーの総数だった。
「キリト、この数は多いのか?」
途中で合流したジャックが、俺に耳打ちで聞いてくる。
「いや、俺の予想より少ないな」
そう、この数は予想、というよりは期待より少ないのだ。
一パーティが最大六人。それを八つまで束ねて、計四十八人の
フロアボスを死者ゼロで倒そうとするなら、レイドを二つ組んで交代制を敷くのがベストなのだが……。
そんな思考を断ち切るように、パン、パンと手を叩く音の後によく通る叫び声が、広場に流れた。
「はーい!それじゃ、五分遅れたけどそろそろ始めさせてもらいます!みんな、もうちょっと前に……そこ、あと三歩こっち来ようか!」
実に堂々たる喋りの主は、長身の各所に金属防具を煌めかせた
男はさわやかな笑顔を浮かべると言った。
「今日は、オレの呼び掛けに応じてくれてありがとう!知っている人もいると思うけど、改めて自己紹介しとくな!オレは《ディアベル》、職業は気持ち的に《ナイト》やってます!」
すると、噴水近くの一団がどっと沸き、口笛や拍手に混じって「ほんとは《勇者》って言いてーんだろ!」などという声が飛んだ。
SAOには、システム的な《
例外として、生産系や交易系スキルをメインにしてる者は、《鍛冶屋》や《お針子》、《料理人》などの職名で呼ばれる場合がある。
だが、《
もちろんどんな職名を名乗ろうと、それは個人の自由というものだ。
「さて、こうして最前線で活動してる、いわばトッププレイヤーの皆に集まってもらった理由は、もう言わずもがなだと思うけど……」
青髪の騎士は、さっと右手を振り上げ、第一層迷宮区を指し示しながら続けた。
「……今日、俺達のパーティーが、あの塔の最上階に続く階段を発見した、つまり、明日か、遅くとも明後日には、ついに辿り着くってことだ。第一層の……ボス部屋に!」
どよどよ、とプレイヤーがざわめく。
隣でジャックがクレープのような食べものを手にしながら俺のことを睨んできた。
第一層の迷宮区は二十回建てで、俺達が今日潜っていたのが十九階。
ある程度マッピングも済んでいて、もう少し探索していれば俺達も階段を見付けられたかもしれないところを引き上げたのだ。
俺が小さな声で「スマン」というとジャックは思い切り手に持った食べ物にかぶりついた。
「一カ月。ここまで、一カ月もかかったけど……それでも、オレたちは示さなきゃいけない。ボスを倒し、第二層に到達して、このデスゲームそのものもいつかクリアできるんだってことを、《はじまりの街》で待ってるみんなに伝えなきゃならない。それが、今この場所にいる俺達トッププレイヤーの義務なんだ!そうだろ、皆!」
再びの喝采。
ここは俺も、今までバラバラだった最前線の住人たちのまとめ役を買って出てくれたナイト様に拍手の一つでもおくっておくべきか――。
「ちょっと待ってんか、ナイトはん」
そんな声が低く流れたのは、その時だった。
歓声がピタリと止まり、前方の人垣が二つに割れる。
ジャックはその姿を一瞥し、食事をしていた手を止めた。
「そん前に、こいつだけは言わしてもらわんと、仲間ごっこはでけへんな」
「こいつっていうのは何かな?まあ何にせよ、意見は大歓迎さ。でも、発言するならいちおう名乗ってもらいたいな」
「………フン」
サボテン頭は盛大に鼻を鳴らすと、噴水の前まで達したところでこちらに振り向いた。
「わいは《キバオウ》ってもんや。こん中に、五人か十人、ワビぃ入れなあかん奴らがおるはずや」
「詫び?誰にだい?」
「はっ、きまっとるやろ。今まで死んでいった二千人に、や。奴らが何もかんも独り占めしたから、一カ月で二千人も死んでしもたんや!せやろが!!」
とたん、低くざわめいていた約四十人の聴衆が、ぴたりと押し黙った。
当然この事態は予測が出来た、右も左も解らないまま取り残され、唯一頼りになる元βテスターにも見捨てられたらこんな人間が一人や二人いても何ら不思議ではなかった。
「キバオウさん。君の言う《奴ら》とはつまり……元ベータテスターの人たちのこと、かな?」
「決まっとるやろ」
キバオウは背後の騎士を一瞥し、続けた。
「ベータ上がりどもは、こんクソゲームが始まったその日にダッシュで《はじまりの街》から消えよった。右も左も判らん九千何百人のビギナーを見捨てて、な。奴はウマい狩場やらボロいクエストを独り占めして、ジブンらだけぽんぽん強うなって、その後もずーっと知らんぷりや。……こん中にもちょっとはおるはずやで、ベータ上がりっちゅうことを隠して、ボス攻略の仲間に入れてもらお考えてる小狡い奴らが。そいつらに土下座さして、貯め込んだ金やアイテムをこん作戦のために軒並み吐き出してもらわな、パーティーメンバーとして命は預けられんし預かれんと、わいはそう言うとるんや!」
まさしく元ベータテスターの一員である俺もまた、奥歯を噛み締め、息を殺し、沈黙を保ち続けた。
ジャックは目を細めてまた食べ始め、食べ終わると手に持った紙を丸めて適当な場所に投げ、膝の上に頬杖をついてキバオウをじっと見ていた。
彼も良く知っているのだ、死亡した二千人のうち、元ベータテスターが三百人を占めていることを。
「発言、いいか」
その時、豊かな張りのあるバリトンが、夕暮れの広場に響き渡った。
大きい、身長は百九十もあるだろう。
頭を完全なスキンヘッドにし、肌はチョコレート色。
恐らく外人であろう男は猛烈な身長差のあるキバオウに向き直った。
「俺の名前はエギルだ。キバオウさん、あんたの言いたい事はつまり、元ベータテスターが面倒を見なかったからビギナーがたくさん死んだ、その責任を取って謝罪・賠償しろ、ということだな」
「そ……そうや」
キバオウもその威圧感のある姿に一瞬気押されかけたが、すぐにエギルと名乗る斧使いを睨み付け、叫んだ。
「あいつらが見捨てへんかったら、死なずに済んだ二千人や!しかもただの二千ちゃうで、ほとんど全部が、他のMMOじゃトップ張ってたベテランやったんやぞ!アホテスター連中が、ちゃんと情報やらアイテムやら金やら分け合うとったら、今頃ここにはこの十倍の人数が……ちゃう、今頃は二層やら三層まで突破できとったに違いないんや!!」
隣を見るとジャックは瞼を完全に閉じ切っている。
――こいつ、寝てる!
そんなジャックに誰も気づくこともなく、エギルは口を開いた。
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翌日、第一層迷宮区二十階はかつてないスピードでマッピングされた。
これも会議によって士気が高められた効果なのか。
因みにジャックは会議が終わると同時に目を覚ました。
理由を聴けば「ボス攻略の話じゃねぇじゃん」とのことで。俺はあの状況で寝れることに苦笑いしか出来なかった。
その日の夕方に、また会議が再び行われた。
そこでアルゴの攻略本・第一層ボス編が委託販売されていることを知り、会議は一時中断。
参加者全員が中身を熟読した。
「あくまでもSAOベータテストの時の情報ってワケか……」
ジャックが小さく呟く、俺自身もずいぶん攻め込んだことをするなと思った。
そして読み終えた参加者たちの視線はリーダーに集まる。
すると彼は何かを考えるように顔を伏せていたが、やがてさっと姿勢を正すと、張りのある声で叫んだ。
「――みんな、今は、この情報に感謝しよう!」
人垣の前方に見え隠れする褐色のサボテン頭は今のところ踏みとどまっている。
「出所はともかく、このガイドのおかげで、に、三日はかかるはずだった偵察戦を省略できるんだ。正直、すっげー有り難いってオレは思ってる。だって、一番死人が出る可能性があるのが偵察戦だったからさ」
またもディアベルはオレたちの士気を上げるように声を紡いでいく。
そんなナイトのリーダーシップの質の良さに、ジャックのような才能を見出していた。
などと感心していた俺は、続いた騎士様の発言に、軽く喉を詰まらせた。
「それじゃ、早速だけど、これから実際の攻略作戦会議を始めたいと思う!みんな、まずは仲間や近くにいる人と、パーティーを組んでみてくれ!」
………なんだと。
(今俺とジャックで二人、後四人も集めなければならないのか!?)
「あそこに一人、開いてる奴がいるな」
ジャックの視線の先にはフーデッドケープのプレイヤーが。
「……あんたもアブレたのか」
「……アブレてないわよ。周りがみんなお仲間同士みたいだったから遠慮しただけ」
声からして女性プレイヤーか、などと考えていると。
「それをアブれっ――」
言ってはいけないことを言おうとしたジャックの口を塞ぐ。
(一緒のパーティーになるかもしれないからおとなしくしとけ!)
それが伝わったのかジャックは何も言わずに座りこんだ。
「なら、俺達と組まないか」
「そっちから申請するなら受けてあげないでもいいわ」
めんどくせーと言いたそうな顔をジャックが向けてくる。
――我慢だ、ジャック。
パーティー申請を受けた彼女の名前が視界左側に表示される。
【Asuna】。
《アスナ》と読むのだろう、それを確認すると俺はウィンドウを閉じた。
騎士様は周りの様子を見て、それぞれの役割を支持していく、そのどれもが的確で悪くなかった。
最後に、オミソの三人パーティーの前にやってきて来た。
「君たちは、取り巻きのコボルドの潰し残しがないように、E隊のサポートをお願いしていいかな」
俺は片手で彼女を制し、にこやかに承諾を告げる。
三人しかいないんだから仕方ないと説明すると、彼女は疑問の声を上げた。
「……スイッチ?ポット……?」
後ろで大きなため息をつかれた。
ならお前もちょっとは手伝ってくれよ……。
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十二月四日、日曜日、午前二時。
もう少しでこのデスゲーム開始から四週間の時が経つ。
俺達は今第一層のボス部屋に向かって歩いていた。
今日の作戦は大丈夫だろうか。
ジャックを無事に第二層へ送り届けられるかどうか試される場所だ。
「おい」
後ろから友好的とは言い難い声が聞こえ、俺は振り向いた。
声の主は、茶色の短髪をトゲトゲに逆立てた男性プレイヤー、キバオウだった。
「ええか、今日はずっと後ろに引っ込んどれよ。自分らは、ワイのパーティーのサポ役なんやからな」
俺もジャックも何も言わないが、ジャックは目つきが完全に変わっていた。
コペルの時のような殺意ではなく、呆れていた目だったが。
「大人しく、わいらが狩り漏らした雑魚コボルドの相手だけしとれや」
そう吐き捨ててキバオウは身を翻した。
「……何、あれ」
「ソロプレイヤーは調子乗んなっていいてぇんだろ」
ジャックはナイフをくるくる振り回しながら答える、見るからに退屈そうな顔だ。
だが、それももうすぐ引き締まった顔になるだろう。
俺達の目の前に巨大な二枚扉がその姿を見せた。
「みんな、いきなりだけどありがとう!たった今、全パーティー四十五人が、一人も欠けずに集まった!!」
途端に歓声と拍手、ディアベルは一同を笑顔で見渡し、右こぶしを突き出した。
「みんな……もう、オレから言うことはたった一つだ!」
その右手で銀色の長剣を音高く抜き放ち――。
「………勝とうぜ!!」
再び沸き起こった巨大な鬨の声は、いつかの一万人のプレイヤーの絶叫とほんの少しだけにているように俺には思えた。
そして騎士は左手を大扉の中央に当てて――。
「――行くぞ!」
短く一言だけ叫び、思い切り押し開けた。
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「なあ、キリト」
最上階へと上がる前の会議の終わった後で、ジャックに声をかけられた。
「第一層までだったよな、お前が俺を見てくれるのは」
まさか、と俺は思う。
ジャックは第一層を超えても俺とパーティーを組むと言い出すんじゃないかと。
それだけは駄目だ、俺はクラインを一度見捨てているんだ。これ以上俺が誰かといる事なんて許されるわけない。
「あ、ああ……そうだけど……」
「オレは……強くなったか?」
「……は?」
あまりに意外な言葉に、俺はそう返す他なかった。
「当たり前だよ、MMO初心者のジャックがここまでついて来れたのは紛れもないジャックの強さがあってこそなんだから」
「そうか、昨日の会議を見て思うんだよ、何も知らねぇ奴が死者だのを語ったりしてさ。あんなのただ自分が得をしたいがために語るくせに」
ジャックがこんなことを言うなんて初めてだ。やはり他のプレイヤーと触れて、ジャックなりに思うことがあったのだろう。
「だから、そんなやつの戯言関係なしにオレは強くなりてぇんだ、最前線で戦い続けるには一人で戦う強さがいる。まあ、キリトがそう言ってくれるならたぶん大丈夫だろうな」
そう言ってジャックは笑った。
いつもとは違う、優しい笑みを見せていたのだ。
「どうして、ジャックはそこまで最前線にいたいと思うんだ?」
「向こうの世界でやり残したことがある」
即答、それほどまでジャックにとっては重要な事なのだろう。
「じゃあ、頑張らないとな」
そう、明日の戦いでジャックを死なせるわけにはいかないんだ。
「おう、死ぬなよ、キリト」
ジャックは拳を突き出した。
ホントに、今日は普段と違うジャックの姿が見れるな、と内心驚きながらも、俺は拳をぶつけた。
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七千文字も書いてこのクオリティ。
……ちくせう。
もうちょっとでオリジナルに入りますので、何卒よろしくお願いします。
やっぱ最後のところで普段のジャックとのギャップをつけすぎた感が……。
こうなったら執筆を早めて払拭するしかないな!!
それでは。
2015 2/13 内容は変えずに文自体に手直しを加えました。