剋盾神聖譚《シールド・オラトリア》


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作:ソレルス
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次の家族と『英雄』と


エッホエッホ 凶一郎と本編に、ストーリー的な絡みはないって伝えないと

〈お知らせ〉一話目を修正しました。展開は変えず、新しくシーンを書き、シーンとシーンのつながりをわかりやすくしました。(読みにくくなってたらメンゴ♡)あと、味気ないのでサブタイトルつけるようにしました。


 「ほら!早く早く~、おいてくよ~三人とも!」

 

 「ま、待ってよ……ぜぇ……カルラ~」

 

 まぶしいぐらいに晴れたある日の朝のこと。

 多くの店が構えているこの町で一番大きな通りに、少年少女の声が響いた。

 大きな袋を持っ人族(ヒューマン)の少女は、そんなことおかまいなしと言わんばかりに走り出し、少女より小さい袋を持ったドワーフの少年が少女を必死に追いかけている。

 そしてそれを、

 

 「食べ物落とすなよー」

 

 「……」

 

 「……シロも走りたいなら、それ持つぞ?」

 

 「…………いい…」

 

 「…そうか」

 

 黒髪短髪で糸目で瞳の色がぱっと見わからない少年と、白髪長髪のこれまた白い瞳を持つ少女が先に走る二人を歩いて追う。

 

 (……もうすぐ五か月になるのか)

 

 黒髪の少年は、隣で一緒に歩くこの世界で初めて守った存在を見て、ふとこの世界に来た時のことを思い出した。

 

 

 

 

 

                     ◆

 

 

 

 

 

 深く暗い、昼間だとゆうのにそこの土地に無数に生える大樹のせいで、日の光が地面まで少ししか届かないような森の中。

 

「まだ、歩けるか?」

 

「…………(コクッ)」

 

 そこには、その暗い黒の色の髪を持つ少年と、場違いなほど白い髪を持つ少女が一緒に歩いていた。

 もしそこが町中であれば周りの人たちにほほえましく映るだろうが、あたりは、木と木と木のみ。

 そんな二人は………………

 

 

 絶賛迷子中であった。

 

 

 (せめて、どこかの道にでもとも思ったけど……)

 

 

 己のみならまだしも、幼い少女をつれてる今の状況。思わずあの人に愚痴をこぼしてしまう。

 

 ……しかしそれだと、この少女を守れなかった。ましてや、この少女を守ることがあの人の考えのうちなのかもしれない。

 そんな答えてくれる相手がいない問いを心に浮かべながら歩いていく。

 

 食料はあの人が持たせてくれたのか二人でも1週間は持つ量が体に括り付けられていた、袋に入っていた。だが、この1日中ずっと歩いている状態は、あまり疲れも弱音も言わない白髪のまだ幼い少女にはつらいことであることを少年は分かっていた。

 焦りに何度もかられるが、守るものがいる今、少年は落ち着きを保とうとする。

 

 ときおり声をあげ人がいないか探す。前世とはけた違いの力で木を登り道を探す。

 今考えつく方法をできる限り試す。

 

 そんなこんなで、まだいくつかの蹄の跡と数本の轍が残っている道に、少年と少女が出会ってから2日後に見つけれたのは幸運なことだった。

 

 さらに、二人が道を歩き始めたところ数刻もしないうちに後ろから一台の馬車がやってきた。

 幼い子供が二人きり。世の悪党ならばすぐさま害を与える対象となる存在だが、

 

 

 「子供二人でよぉ~頑張ったなぁぁぁぁぁぁ~!……ぐすっっ!……安心しぃ!このお姉さんがどこへでも乗せていったる!」

 

 

 思い込みが激しいが、優しいナイスバディな商人に会えたのは強運だった。

 

 さらにさらに、商人の馬車に乗せてもらいまた2日後にある町についた。

 身元が分からない子供が二人きり。神の恩恵(ファルナ)があるこの神時代(しんじだい)。子供といえど警戒を怠る理由にはならないのだが…………

 

 

 「…………ずずっ……そっかぁ二人で頑張ったねぇぇぇぇぇっぇっぇぇ!」

 

 

  門兵としては、お人よしすぎるお兄さんにも出会えたのは豪運だった。

 

 

 「もし………ずびびぃ!……………当てがないなら孤児院に行くといいよ。この町……………ぐすっ……孤児院も結構豊かに生活できるくらい……すんっ……農業が……食べ物がいっぱいあるからね」

 

 

 ありがたすぎる情報とさらには場所も教えてくれた。

 

 

 「それに、……(ちーーーんっ)……君たちよりやばい人をついこの間町に入れたばかりだしね」

 

 

 ………………そんな不安になることもこぼしたが。

 とにもかくにも無事に生活できる先を知れた少年は、少女に確認を取り、二人でその孤児院を目指すことにした。

 

 

 町中で耳がとんがっている人や、猫耳が生えている人、老けているのに少年より小さい背の人にすれ違いながら……………………

 

 

 「……………………………………ん?」

 

 「………………?」

 

 「………いや、大丈夫……」

 

 

 ふぁんたじーがすぎる光景に驚きながらも、少年は少女を連れて、目的地に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おしうり?あくとくぎょうしゃ?は無視しろっておばあちゃんが言ってたのでぇぇぇぇ!誰もいませぇぇぇぇん!」

 

 

 

 

……………… 孤児院のドアをたたくと返ってきた、立派?な教育の賜物に少年はまた驚かされたが………………。

 

 

 「違います!!!その~ここに入りたくて!!………………」

 

 「………………えっ!本当!?」

 

 

 さきほどの警戒心超MAX!!の言葉ではなく、どこか喜びを感じる言葉とともに、

 先手必勝、迅影の如く!……ドアが開けられて……「あっぶね!!!」ギリギリ少年はその殺戮ドアをかわす。

 出てきたのは、自分の後ろに立っている少女と同じくらいの背丈の少女だった。

 

 

 「ああっ!!ごめ~んケガしてない?……とゆうかそれより!うちに入りたいって!」

 

 「……その……俺たち身寄りが…………(チラッ)……なくて」

 

 

 心配はほどほどに、少年は問いを投げられる。

 少年は、自分の隣の少女が少年の理由に反論していないことを確認し、出てきた少女の自分たちへのその問いの答えを語る。

 

  …………こんな理由でいいだろうかと少年は若干の不安を感じるが、その少女はなにも疑問を上げず、むしろ納得がいったのか「ふむふむ、なるほど!」と声を上げていた。

 

 

 「ふぁ~~……カルラうるさぁ~~い……」

 

 

  そこに孤児院のうちから新たに人物がもう一人姿を見せた。それは、最初に出てきた少女よりも幼い印象を受ける少女であった。

 その少女の頭にはかわいらしい茶色の毛並みの()の耳が………………

 

 

 

 

 「………………………………ん?」

 

 

 少年は再び再び驚かされて、今度こそ呆然としたが、そんなことはお構いなしに、人族(ヒューマン)犬人族(シアンスロープ)の少女たちが話を進めていく。

 

 

 「あ~~!おはようレーム!この人たち、うちに入りたいって!」

 

 「んん~~!……えっ…カルラ、それまじ!?」

 

 「うんうんまじまじ!おばあちゃん呼んできてよ!」

 

 「う、うん!分かった!」

 

 

 少女たちは新たな()()ができるかもしれないとゆうことに、だんだんと興奮を隠しきれなくなっていた。

 そうして、レームと呼ばれた少女が中にはいていこうとした瞬間、

 

 

 「大丈夫だよ、レーム。カルラの大きな声が、中にまで響いたからね……」

 

 「「あ!マールおばあちゃん!」」

 

 

  家の中からでてきたのは一人の老婆だった……、が頬に大きな傷もあり見るものに圧を感じさせてしまう見た目であった。

  少年はその老婆に対して思わず警戒を向けてしまう。

 

 

 「それよりカルラ、近所迷惑になるから、外では静かにって言ったろ?」

 

 「うっ……………それは~その~……ごめんなさい……」

 

 「反省できるのらな大丈夫さ。……で、あんたたちが、我が家に入りたいって子たちかい?」

 

 

 一通りのお説教を終えた後、マールとゆう名の老婆が黒髪の少年と白髪の少女に目を向ける。

 その目線は決して相手を不快にさせるものではなく、幼い子供への慈愛がこもったものであった。

 

 

 「あ!……そ、そうです……」

 

 「……(コクッ)」

 

 

  マールの暖かな視線を受けて少年は脱力しながら、少女は何も言わず、二人とも肯定をする。

  そんな二人へマールは…………

 

 

 「それなら……お前たちは私の家族だ!いいね?」

 

 「………………いいんですか?」

 

 

 ただの一言で家族へと、二人を受け入れたのだった。

 

 躊躇も自分たちへの疑問もないマールに、少年は躊躇いを覚えるが…………、

 

 

 「お前たち(幼い子供)がそう思ったんだろ?なら、私たちはそれを喜んで受け入れるだけさ!……それよりも(家族)に敬語を使うほうが……、おばあちゃんさみしいぞ~~?」

  

 「………………わかった……。その……、ありがとう。」

 

 「それでよし!」

 

 彼のおばあちゃん(家族)にあっさりと消されたのだった。

 カルラとレームが彼女らの祖母が受け入れたことを聞き、二人は新たな家族に近づいていく。

 

 

 「わ~い!よろしくね!わたしカルラってゆうの!」

 

 「ボクはレームだよ!二人の名前は?」

 

 「……な、まえ……」

 

 

 カルラとレームは自己紹介とともに二人の名前を尋ねる。

 名前も知らずに家族になったとは、また不思議なものである。

 カルラもレームもにっこにこの笑顔で聞いてきたのだが、その二人とは対照に少年の顔はみるみる曇っていく。

  

 

 

 「シロ」

 

 「え……」

 

 

 そこで、自分が守った少女の名前をはじめて知ることになったが、

 そんな驚きも一瞬に自分の迷いへと引き戻される。その迷いとは、 

 

(今の……、()()()()()()での名前……)

 

 それは、少年の元の世界で俗にゆう、異世界転生あるいは転移をしたものがもつものであった。

 別に少年の魂は……そして、あいつの『英雄』になる願いは変わっていないのだがどうしても違和感が付きまとう。

 前世と違う身体能力に、偶々シロと歩いている途中に、川に映った今の自分の顔。

 

 

 「もしかして…………名前がないのかい?」

 

 

 いつまでも答えない少年を不思議に思った彼の祖母にそう問われて、少年は

 そんな自分の祖母に問いかけられ、

 

 

 「……うん……」

 

 

 否定もできずにそのまま肯定してしまう。

 自己を表す名前がないなど普通は、ありえない。相手に疑念を与えても仕方のないものである。

 しかし……、少年の家族は

 

 

 「じゃあじゃあ!私が名前考えた~い!いいよね!」

 

 「あ!ボクも、ボクも!」

 

 「……へ?」

 

 

 あまり経験することのない事柄にカルラとレーム。

 少年の迷いなんぞなんのそのともとれるその元気っぷりに少年は茫然としてしまう。

 そしてまた、茫然もなんのそのと話を進めていく。

 

 

 「『沈黙は肯定とみなす 』よ!…………しゃべってるけど!」

 

 「う~~ん、シロちゃんが妹だから……髪も黒色だしクロちゃんとか!」

 

 「うわっ……レーム()()()ないね……」

 「レーム、安直すぎやしないかい?」

 「それは、チョット…………」

 「……………………にげた……」

 

 「うわぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~ん!!!シロちゃんまでそんなこと言わないでよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 そうダメ出しを食らったレームの叫びを聞き流しながらあーでもないこーでもないと、案を出し始める、がなかなかしっくりくるものが出ない。

 

 それも当然、名前とは親が子に願うものを形にした最初の贈り物である。

 少年といえるほど成長している身に新たに何かを願うのは、やはり変な感じになるのである。

 

 ………………それならばと、

 

 

 「シロ、お前の兄ちゃんは、普段どんな感じだい?」

 

 「………………にいちゃん………」

 

 「お、おばあちゃん!?」

 

 今の少年から考えてみてはとマールが提案をする。

 

 

 「お、おばあちゃん呼びにも慣れてきたねぇ……なぁに、名は体を表すってゆうだろ?」

 

 「たしかにゆうけど………………」

 

 

 この時、マールの良かれと思った提案に、少年の胸には恐怖が浮かび上がっていた。

 この少女が、シロが自分のことを何とゆうのがわからない。それが何故かこわかった。 

 

 

 さっきまで、名前も知らなかったのに……

 

 

 ……あいつの代わりとおもってしまったのに……………

 

 

 そんな思いを自分で生み出し、自分で背負ってしまった少年の耳に、

 

やけにはっきりとシロの言葉が響いていく。

 

 

 「………………くれた

 

 「ん?なんだい?」

 

 「………………守って、くれた」

 

 

 その、少年とシロがあってから初めての思いの吐露。

 少年はなにもかえせない。ただ、喜びともいえる思いの渦が回り始める。

 

 …………自分は、今度は守れたのだと………………

 

 他の三人は、その優しい印象からまた少年の名前を考えようとして……………

 

 

 「守って…………( ゚д゚)ハッ!それなら!アルドゥームはどう!?」

 

 「ねぇカルラ、それって……」

 

 「うん!英雄譚に出てくる神器の一つ!何者からも守れる英雄の盾(アルドゥーム)!」

 

 「ほぉ……いいね、かっこいいじゃないか」

 

 「でしょ~?」

 

 「…………でも、呼びにくくない?」

 

 「ええええええええええええ~~~~!これがいいこれがいいこれがいい!!おばあちゃんもかっこいいっていってるじゃぁぁぁぁぁぁん!!」

 

 「なんで自分の名前じゃないのに駄々こねるんだい、この子は…………」

 

 「じゃあ、カルラ!本名はアルドゥームで、こう呼ぶのはどう?ねっ!ーーーー

 

 

 

 

 

 

                     ◆ 

 

 

 

 

 

 

 「ほらほら、シロもアルもおいてくよ~~!」

 

 「…………俺が本気だして追い抜いたら、カルラ泣くじゃん………だよねぇ、ミュー?」

 

 「う、うん……それでいつもすねて終わりじゃん……」

 

 「むっき~~~~!!そんなことないもん!!ないよね、シロ!」

 

 「………………(ぷぃっ)」

 

 「シロぉぉぉぉぉぉ~~~~!」

 

 「「…………ぷっ」」

 

 「二人もわらうなぁぁぁぁぁ!!」

 

 そうして、4人で笑いに包まれながら、カルラとミューとシロ、そしてアルの孤児院(彼らの家)に帰っていく。

 

 ここは、豊穣の町カルモネア。

 肥沃な土地に、町の下部には大河が流れており、農業が盛んに行われている。穀物などの食料が多く栽培されており、飢えとゆうものが町全体で見てもない豊かな町である。

 その町の北東には町唯一の孤児院がある。そこがアルの今の家であった。

 

 

「「「ただいま~」」」

 

 「……ただいま」

 

 「……っと、4人ともお帰り。」

 

 家族の一週間の買い物とゆうこともありかなりの量を運んだ子供たちは、疲れに染まった一息をつく。

 そんな4人を出迎えたのは、マールだった。そしてその手には、なぜか分厚い本が握られていた。

 

 

 「………………おばあちゃんそれって……」

 

 

 他の三人と比べて明らかに顔が青くなっていっているカルラがおそるおそるマールに尋ねると

 

 

 「そうさ、お前が嫌いで……お前の役に立つ()()の時間だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…………あっそ~~だ、買い忘れたものあったから私買いにいってくるね~」

 

 

 白々しいとゆう言葉を路地裏に捨ててきたのか、嫌いを隠そうともせずこの場からの逃走をカルラは試みる。

 勉強が嫌い……とゆうよりワクワクしないことが嫌いなカルラは、いち早くこの場を離れようとするが……

 

 

 「あぁ……もし買い忘れがあっても戻らなくていいよ、カルラ」

 

 「んえぇっ……」

 

 

 大人のご厚意によって阻止されてしまった……

 マールが指さした先には十数人の子たちが各々の黒板を持って座っていた。

 カルラ達が返ってきたのに気づくと「あ~おかえり~」「おかえりなさ~い」「じゅぎょうはじまるよ!」と可愛らしい子供の迎えの声が流れてきた。

 

 

 「あの子たちの親が授業のお礼にだって、食べ物を持ってきてくれてねぇ。学費はもうもらってるってゆうのに…………」

 

 「…………ありがとねぇ!!!おじさんおばさんコンチキショウメ!!!」

 

 「どうゆう感情なんだいそれは…………」

 

 

 もともとマールは計算や読み書きの知識はあったため、孤児院の子供たちに教えていたが、近所の大人たちが、「うちの子の将来のために」とか、「金は払うから教えてやってくれ」とか、それが何十件もの数であり、今ではその学び舎の収入が孤児院の大半のものとなっていた。

 

 

 

 「え~っと……カルラ、一緒にがんばらない?」

 

 

 ショックの真っただ中のカルラにミューが助けになりたいと精一杯の笑顔でカルラを励ます。

 すると、恋する乙女なんとやらなのか…… 

 

 

 「…………………………ミューがそうゆうなら…………がんばる…………」

 

 「う、うん!シロもアルも食べ物、倉におきにいこう?」

 

 「………………うん」

 

 

 そうして、カルラはミューに連れられて、シロは二人についていった。

 けれどアルは

 

 

 「…………おばあちゃん、ごめん………今からあれに行ってくるから、受けれない………………」

 

 

 アルは、それはアルが数日おきに行っているある()()それに行くから受けれないとマールに謝罪した。

 

 

 「ん?あぁ、あれかい?ならいいよ、行ってきな!」

 

 「ありがと…………ごめん……」

 

 「先に約束したほうを破っちまったら意味ないだろ?……あぁでも、夕飯までには帰ってきなよ!」

 

 「………うん、わかった。行ってきます!」

 

 彼の優しい祖母の教えを受けて、納得がいったのかアルは動き出す。 

 アルは、早く約束の場所へ向かおうとするがそれを彼の()が呼び止める。

 

 「………………にぃちゃん」

 

 「ん、シロ、なんだ?」

 

 「………………がんばって」

 

 「………………うん……、ありがとうシロ。行ってくる!」

 

 

 そうしてアルは、自分が持っていてた袋を倉におきにいったあと、彼の武器の剣と()をもってまた町中を駆けていった。

 

 

 

 

 

 

                     ◆

 

 

 

 

 アルがやってきたのは、この町の中央部、そこにたたずむこの町の守護の要、騎士団が寝食し、訓練を行っている騎士団本部の建物であった。

 まだ見た目は少年のアルは、彼には場違いな建物に入ろうと歩を進める。

 その入り口には筋骨隆々の男が立っているのだが、あるはその男に

 

 

 「……こんにちは~」

 

 「ん?おぉ!アルか!今日もまたか?」

 

 「うん、次は今日にっておじさんが」

 

 「ハハ、そうかそうか………………まぁ……、がんばれよ!」

 

 「うん、ありがと」

 

 そうして、門兵のおじさんと挨拶をしてアルは中に入っていく。

 騎士団の中には多くの屈強な騎士たちがいるのだが、いずれもアルに対して、

 「アル坊か!またでっかくなったか!?」

 「ほら、終わったらこの肉食べなよ!」

 「アル…………かわいいねぇ……………………ハァハァ……」

 「お~い、騎士団さぁ~ンんんん!変態でぇ~~~すぅぅぅ!!………………あ、俺だわ」

 

 ………………いずれもアルに対して、優しさをもって言葉をかけたのだった。

 彼ら彼女らにも挨拶をしつつ、アルはこの建物で一番大きな訓練室に向かっていく。

 

 

 ………………彼が強くなるために。

 

 そうして、たどり着いた部屋の前でアルは深呼吸をし、その地獄(英雄への試練)への覚悟を決める。

 

 「………………バルおじさん、今日も、お願いします」

 

 「おぅ、…………ま、俺の前で『英雄』だとかほざいたガキンチョぐらい、(英雄)が育ててやんねぇとな」

 

 アルが、扉を押すと低い木のうなりとともゆっくりと扉が開く。

 その部屋の中にいたのは、太っても痩せてもいない中背の男。初老だとゆう証にもともと茶髪だったと見られるその髪は、薄く白に染まっていた。

 見た目の印象では、先ほどの兵士一人一人のほうが強そうに見える、

 

…………しかし兵士一人より強いどころか、この騎士団全員を()()()()()()文字通り瞬殺できるのが彼。

 

 ……………アルが町に来た時の門兵のゆう、ヤバイ人が彼である。

 

 男の名は、バルメテウス・オーグナー

 

 かの迷宮都市(オラリオ)で千年もの間君臨し続けた………………

 『神時代(しんじだい)の象徴』、そして『神の眷属の到達点』…………

  

 「さぁ、かかってきな、アル…………」

 

 元【ゼウス・ファミリア】Lv.7【地の王(モラクス)】の、その人である。

 

 

 

 

 

 

 




The、本編で二度と出てこなさそうだからここで設定を書くのコーナー
 裏設定的なもので知っても本編に関係ないけど、すっきりはするものを書いていきます。 
 そういったものが嫌いな方は読み飛ばしてもらさっき書いたとおり、本編と関係ないのでばっち大丈夫です。






女神ヴァラドア

 一話目の神様は調べてもらったら分かるとおりオリジナルに神様です。
 彼女はもともと『地』つまり、大地そのものでした。主人公の世界の最初の人間は彼女が『地』であるときに産んだ男女の二人です。なので初めの人間は彼女の持つ優しさのみを持っていました。そんな慈愛の彼女に惚れた、最高神の六神の『地』を司るある一柱に求婚され、それを受け入れます。(神は司ってるだけでその存在そのものではありません。なのでこの神とヴァラドアは別の存在です)その『地』の神の妻になったことで彼女は神としての力を得ます。その力で自分の子の人間を次々に救っていきます。が、それは人間の中で救いがあるものとないものに分けてしまいそのせいで、彼女は人間の中に【争い】を作ってしまいます。100救ったら10万4ぬ、リ〇ロの『憤怒の魔女』みたいな感じ。完璧であった人間を堕とした罰として、六神が地獄への追放を命じますが、彼女の夫の『地』の神が厳罰を求めます。そうして彼女に最終的に与えられた罰は、「無数の星が宙そらから降るとき、苦悩とともに死んだものを一・人・だけ救ってもよい」とのもの。一人だけで他は見捨てるとゆうのが彼女への罰で、そして苦しみとなりました。そして救ったものの、その救いがまたその人たちに降り注ぎだいたいが再び苦悩と4んでいます。これもまた、彼女を苦しめ続けました。でも、優しい彼女は破滅と知っておきながら、今・苦しむ我が子を無視なんて、できないのです。


妹を忘れたこと

 崩壊はしなくても崩れてしまって、失った部分はありますよねってゆう話です
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