生まれた時、私は何も無い場所に居た。
周りを見渡しても、白いだけ。暑いとも寒いとも感じない。
────私は、
人間?────違う。
精霊?────違う、もっと
────
そう考えを巡らせた途端、
美しい建造物、澄んだ青空、そして────自分と同じ雰囲気を纏う、何人もの目麗しい男女。
私はその光景を、遥か上空から眺めていた。
流れていく雲は私に触れられず、私も雲を触れなかった。
木々も、動物達も、私をすり抜けっていった。
(……なるほど、互いに触れられない────私はまだ、超越存在としての在り方が定ってないって事、なのかな?)
そう結論付けることにした。
天空から地上に降りて、あっちこっちフラフラと彷徨っていれば、時折私と同じ存在と出会うこともあった。
「あ!この子、まだ生まれたばっかりの神よ!」
「ほんとだ!今時新しい神が生まれることあるんだ!?」
「やーん、かわいいー♪」
(私と同じ存在…でも、私と違って動物にも触れられるみたい…)
その神達────言わば先輩の神達に幾らか此処の事と自分の事を教わった。
此処が天界である事も、自身の存在がまだ定ってない事も。
そして────今時の神達の流行りが、下界に降り立つ事であるという事も。
それから、私はずっと天界を眺めていた、存在が定ってからは他の神の仕事の手伝いなども行い過ごしていた。
善良な神達は、新人である私に良くしてくれたし、下界の事も、下界の
とにかく────本当に世話になった。
「やあやあ!麗しき小鳥ちゃん♪君の生まれたばかりで純白な心で…この僕!────神アポロンの心の隙間を埋めてくれな────グハァ!?」
「新人ちゃんにキモい事言ってんじゃ無いわよ!!」
………関わり合いになりたく無い神も一部いたけど……
そんな生活を続けていたけど、そんな日々も終わりを迎えた────
「……暇だ、他の神はみんな居なくなってしまった……」
そう、関わってた神達はみんな
死んだのではない。
未知と娯楽を求めて、新たな世界────下界へ。
「下界に降りるのが流行りとは聞いてたけど、まさかここまでとは……」
どんだけ暇だったんだ、神達。
自分の仕事すらほっぽり出して降りていくとは……
「………」
ふと目をやれば、下界が見えた。
ある子供達がモンスターと戦っている。
ある子供は魔法の練習を、またある子供達は神の恩恵を刻んで、ある子供は………
「私も行こう、下界へ────」
そう思い立ったら行動は早い。
暇だったからか、孤独だったからか、────あるいはその両方か。
何の迷いもなく、躊躇いもなく飛び立った。
「下界へェェェ!!いざ行くぞ────!!」
未知と娯楽の溢れる────下界へ。
「って事なんだよー」
「………」
どうやら本物の神様の様だ。
よく見れば、神特有の神聖っぽい雰囲気────
「ところで君、名前は?」
「へ?な、名前?」
「うん、初めて出会った子供だからさ、どうか教えて欲しいな♪」
「し、シア!シアです!!」
「シア君…シア君だね!ところでシア君は何でこんな所に?」
「ここよりもっと中心に、エルフ達が沢山住んでる筈だ、何故こんなモンスターも多い所に、それも一人で居るんだい?」
「そ、れは」
言葉を詰まらせた。
言ったら────どうなる?
自分はエルフ達に疎まれていること、何回も殺された事。
疎まれる原因になった────異端の力の事。
神様だってこの力を知ったら、自分の存在を否定するかもしれない。
どう言うのが正解なんだ?
どうすれば、どうすれば────
「────大丈夫」
「……あ」
ぎゅっと、神様が僕を抱きしめた。
誰にも抱きしめられた事のない、自分の身体を。
「こいつ、肉が膨れ上がって再生していくぞッ!?」
「やはり怪物の子よ!こんな悍ましいのが、神聖なアルヴの王森で生まれるなんて」
「……なんで産まれてきたの……なんで、産まれてきたのが
両親すら、自分を否定した、僕はエルフじゃ、人間じゃなかった。
もはや名前すら思い出せない母も、父にも、抱きしめられた事は無く。
殴られ、首を絞められ、全てを憎むような怨嗟の声。
それらしか、僕の記憶に残っていない。
「どんな理由でも、どんな話でも聞くよ、君のことを────絶対に否定しないから」
「どんな小さな声でもいい、話してくれ、君の事を」
僕は、ぼくは────────────────
彼から、話を聞いた。
私は神だから、子供達の話────その
私は、生まれて初めて、嘘であって欲しいと心から思った。
────全てが、真実だった。
彼は泣きじゃくりながら、私に話した。
初めて出会った時の警戒している様な、狩人の様な姿が嘘であったかの様に。
その姿は年相応の少年の姿だった。
彼は話終わった後、気を失ったかの様にその場に倒れた。
寝息は有る、ただ疲れて眠っただけのようだった。
────この少年に、私はいったい
知ってしまった以上。この少年に同情を寄せるだけなんて真似は出来ない。
したくない。
────────あ。
一つ、ある。
生まれたばかりの未熟な神でも、唯一与えられる物。
「───
それしかない。
彼は恩恵が欲しいとは言っていない、ただただ与えたい、そう思った。
ただ、彼に祝福を与えたい。
そうでなきゃ────救われない。
「……ごめんよ……君の背中を勝手に見ちゃって…」
寝ている少年、いや、シア君の上着を脱がし、その上裸を見る。
傷は無い、異端の力によるものだろう。
シア君を何度も救い、何度も傷つけて、その傷すら完全に隠してしまう力
「君に────恩恵を────」
シア君の背中に、私の
シア
Lv.1
力:I 0
耐久:I 0
器用:I 0
敏捷:I 0
魔力:I 0
【魔法】
【スキル】
【
・対象負傷後、苦痛と引き換えに再生
・対象の不の感情の丈により効果向上
【
・
・対象の身体器官の複製。
・力、耐久のアビリティ中補正
・対象のレベルの丈により効果向上