「中国人副学長と博士留学生にリスク調査を」自民・佐藤正久氏、政府に技術流出防止訴え

参院外交防衛委員会で質問する自民党の佐藤正久参院議員=10日午後、国会内(奥原慎平撮影)
参院外交防衛委員会で質問する自民党の佐藤正久参院議員=10日午後、国会内(奥原慎平撮影)

自民党の佐藤正久参院議員は10日の参院外交防衛委員会で、中国人留学生による研究成果の流出に懸念を示した。日本の国公立大には複数の中国人の副学長が在籍しているといい、中には「中国人民解放軍関係者との共同研究者もいる」という。佐藤氏は「副学長や博士課程の中国人留学生に対するデューデリジェンス(事前のリスク調査)を考える時期だ」と強調した。

副学長に国防7校出身者も

文部科学省によれば、外国籍の副学長は国立大に12人、公立大に3人(令和6年5月時点)いる。国籍は網羅的に把握していない。

佐藤氏によると、中国人副学長には人民解放軍との共同研究者に加え、人民解放軍と関係があるとされる「国防7校」の出身者や中国の地方政府関係機関・大学との兼職者もいるという。

佐藤氏は、中国の国防動員法や国家情報法は日本在住の中国人に適用されることを挙げて、「中国人が日本で研究・学業に励み、成果を本国に送る場合、防ぐことはできるか」と尋ねた。これに対し、出入国在留管理庁の担当者は「違法行為など外部の情報提供があった場合、要注意外国人リストに搭載する」と答弁するにとどめた。

佐藤氏は「研究成果が外に出ることを防ぐのは、大学や研究機関の自主性に任せるしかないのが現状だ」と問題視した。

ドイツやオランダで問題視の留学制度

その上で、博士号取得を目的として中国国家留学基金管理委員会(CSC)が実施する奨学金留学制度「国家建設高水平大学公派研究生項目」を挙げて「日本で最先端のものを学んで中国が足りない分を学んで取ってこいという制度だ」と述べ、技術流出に強い危惧を唱えた。

文科省の担当者は留学生に対する技術情報の提供について学内審査を厳格に行っているとした。一方、国公立大で同制度を活用した留学生数について網羅的に把握していないとした。

佐藤氏の調査では、東京大など国立大学で18校、私立大学で少なくとも5校で同制度の中国人留学生を受け入れているという。一方、ドイツやオランダの教育大臣は同制度を問題視し、受け入れ停止などに至っているという。

佐藤氏は、博士号取得者や副学長について「デューデリの関係で非常に大事なエリアだ。副学長は監督する側で、される側ではない」と述べ、「国籍うんぬんは言ってはいけないが、中国の国内法が日本で適用される以上、情報管理はしっかりしないといけない」と指摘した。(奥原慎平)

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