トランプ米大統領の就任式出席のため訪米した自民党の片山さつき元地方創生担当相は21日、女性スポーツにトランスジェンダー女性の出場を禁じる共和党主導の法案提案者と会談し、連携を確認した。片山氏も自民党の「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」(略称・女性を守る議連)で共同代表を務めており、バイデン前政権で加速されたLGBTQ+(性的少数者)の関連施策をストップしたトランプ政権と歩調を合わせる狙いがある。
「常識法案」だ
片山氏が会談したのは、共和党のクラウディア・テニー下院議員。テニー氏が共同提案者となった「スポーツにおける女性と女児の保護法案」は14日、米下院で可決された。法案は、性別について生殖生物学と遺伝学的特徴に基づくものとし、連邦政府がトランスジェンダー女性に資金拠出する教育機関での女性スポーツへの参加を禁じた。
テニー氏は片山氏に対し、この法案について「『常識法案』とでもいうべきものだ」と述べ、トランスジェンダーの友人らも理解を示していると説明した。
女性を守る議連も、性自認が女性でも身体的特徴が男性の人について、女性用のトイレや銭湯の利用を認めない法案の提出を準備している。片山氏は「ぜひこの分野でもわれわれの動きを支持してもらえるとありがたい」と連携を呼びかけた。
「ほかの同志国も巻き込む」
テニー氏も「ともに声を上げていくことは重要だ」と応じ、「ほかの同志国も巻き込んでいくこともできるかもしれない」とも語った。
米国では、同様の法案が2023年にも下院で採決されたが、上院で否決され、成立しなかった。今回、上院の法案提出者のトミー・タバービル上院議員(共和)は、法案について「トランプ氏は女性スポーツの救済を訴えて大統領選を戦い、圧倒的な勝利を収めた」と指摘し、成立の必要性を強調している。近く上院でも可決、成立が見込まれているという。
突き詰めれば「常識」と「現実」
米国では、22年にトランス女性が全米大会の競泳女子の種目を制したことが問題視されたこともある。27州は州法などでトランスジェンダーの生徒に対し、性自認に基づく性別でのスポーツ参加を禁止した。トランプ氏も、少数派の権利向上を通じて社会の活性化を目指す取り組み「多様性・公平性・包括性(DEI)」の推進を停止する大統領令に署名した。
片山氏は産経新聞の取材に「どの国も議論を突き詰めれば『常識』『現実』に行き着く。ポリコレ(政治的正しさ)ブームが出てくる前の普通だった米国の様式に戻ろうとしていて、同じ保守政党として心強い」と語った。
片山氏は今回の訪米で、次期駐日大使で実業家のジョージ・グラス氏や米証券取引委員会(SEC)の次期委員長らと相次いで意見交換した。(奥原慎平)