性自認だけの性別変更制度は日本に馴染まず 自民党
最高裁判決「日本のあり方根本から変わる」
自民党有志議員でつくる「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」(略称・女性を守る議連)は11月9日、国会内で開き、性自認に基づく性別変更を可能とする「ジェンダー・セルフ・ID制」の導入に否定的な声明をまとめた。「心理的な性別だけで法律上の性別変更を認める制度は、LGBT理解増進法が成立したばかりで理解増進の流れを醸成していく段階にある日本にはそぐわない」と指摘した。
▲性自認に基づく性別変更を可能とする「ジェンダー・セルフ・ID制」の導入に否定的な声明をまとめた女性を守る議連
議連は、最高裁が10月25日に性同一性障害者が性別変更する上で生殖能力の喪失を要件とする性同一性障害特例法の規定を憲法違反と判断したことを受け、国会内で会合を開き、声明をまとめたもの。
性別変更をする際に特例法が求めていた、精巣・卵巣を除去する「生殖不能要件」を違憲とした最高裁判断に対し、声明は「憲法違反との判断が示された以上、何らかの法改正を行う必要がある」とした。一方で「要件がなくなることによって、現行の他の多くの法令との整合性がとれない事態に陥ることとならないか危惧される」と指摘した。
議連の片山さつき共同代表は記者団に「特例法の記述を単純に削除するだけではなく、合憲の範囲で別の要件を設ける必要性は考えないといけない」との考えを示した。共同代表の山谷えり子元拉致問題担当相は「先行する欧米が修正する混乱に周回遅れで敢えて突っ込み、社会的分断や対立を起こすことにならないかを考えねばならない」と訴えた。
ジャーナリストの櫻井よしこ氏も参加し「今回の最高裁の判断を見て、これほど国民の動向を知ることなく、理解することなく、一方的に下された判断で、わが国の人間の在り方、暮らし方、さらには家族の在り方まで、根本から変えてしまうような要因を作ってしまったことに対して、私は心底怒りを感じている。国民の動向を知ることなく一方的に下された判断で、日本の在り方を根本から変えてしまう」と性同一性障害特例法の「生殖不能要件」を憲法違反と判断した最高裁の在り方に強い違和感を示し、最高裁裁判官の選任見直しの必要性を訴えた。