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Devinで「社会のバグ」を駆逐する

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「なんで法律はGitHubで管理しないんだ?」

弁護士だった当時の私は、六法全書をめくりながら深夜にボヤきます。

そしてLLMの時代が訪れ、Devinに衝撃を受けました。一方で、弁護士たちは未だに100枚の契約書に赤ペンを入れています。私は思います。

「なんで契約は人間がコーディングしてるんだ?」

LLMがこれだけ進化しているのに、社会の根幹をなすプログラム(法・契約)はまったくアップデートされません。契約に関わるビジネスパーソンは、未だオンプレミスでフルスクラッチ開発を強いられている20年前のエンジニアのような存在です。

そして、、、白状します。契約というコードは、ぶっちゃけバグだらけです。

契約をテストできるのは裁判官だけで、テストのコストが高すぎるため、テストされずにプロダクションコードになります(=契約が締結されます)。

つまり、「なんでもアリ」 です。

…なにより、契約には意図的なバグが忍んでいます。ソフトウェア開発委託契約に、発注者が無限に追加要件を要求できるバグを忍ばせることは日常茶飯事です。

それが仕事なので、しょうがないと自分に言い聞かせます。契約のバグが取引先に気づかれなければ、私たちは法的に有利に立つことができます。

「まるでブラックハッカーだ…」

安野貴博のスタートアップ

東京都都知事選で戦った安野貴博をご存じかもしれません。AIエンジニアである彼は、法律や契約も一つのプログラミングコードであるという事実に目を付けました。

そのため、立法過程はGitHubで透明化すべきだと主張しています。これは、彼がスタートアップ企業MNTSQ(モンテスキュー の共同創業者として、組織運営をするときに思いついたアイデアということです。

MNTSQは契約交渉をAIで高速化するプラットフォームを提供しています。安野は、契約と自然言語処理技術との相性がよいことに早期から気づいていました。

書籍から引用。 「実は、契約書の文章は正確な日本語で、第一条、第二条…と論理的に構造化されているためAIの自然言語処理と相性がよく、時間単価の高い弁護士にとって、作業の効率化はビジネス的な価値も高いのです。」 (※下は参考程度に写真)

プログラミングより簡単

改めまして、契約交渉を高速化するAIプラットフォームを提供する MNTSQ(モンテスキュー)CEOの板谷です。好きな書籍は「リーダブルコード」です。

tech.mntsq.co.jp

人間が契約をコーディングする時代は、早々に終わろうとしています。

意外に思われるかもしれませんが、エンジニアによるプログラミングより、契約のプログラミングは遥かに定形的です。実は、100個ほどのライブラリの組み合わせに過ぎません。

例えば、秘密保持契約(NDA)を見たことはおありでしょうか。NDAは日本で年間1億件以上締結されていますが、ビジネス上極めて厄介で、交渉完了まで数週間かかることもザラです。

しかし、NDAで見るべきポイントは30個ほどの項目の組み合わせに過ぎません。つまり、この30個の見るべきポイントをプロンプトにしてしまえば、LLMに交渉させることが可能だと考えています。

部門をまるごと抽象化する

MNTSQ社は、この「契約交渉をプロンプト化する」プラットフォームを提供します。Devinは プレイブック × LLM でプログラミングに革命を起こしていますが、MNTSQは「契約版Devin」のような存在です。

プロンプト化のプロセスは極めて専門的なので、日本トップのドメインエキスパートである「四大法律事務所」の複数と資本業務提携をしています。

板谷の所属した長島・大野・常松法律法律事務所。四大法律事務所の一角

さらに、会社ごとの交渉戦略の揺らぎがありますが、この揺らぎはRAGでも回収可能だと考えています。もともと、法務部門のデータベースとして出発したスタートアップであり、MNTSQはユーザー企業のあらゆる法務・契約データを押さえているため可能な戦略です。

これにより、法務部門をまるごとAIに複製していきます。部門内の効率化ではなく、LLMネイティブに業務オペレーションを置き換えてしまうため、ビジネスが契約交渉のために遅れることがなくなります。つまり、売上の発生タイミングが早期化します。

契約をLLMがコーディングすれば、社会のバグが減る

ビジネスパーソンがAIに相談しながら契約交渉する時代」。これは今年中にも訪れるものと私たちは信じています。

「オール・ジャパン」の座組が既にあるためです。最も保守的であるはずの大企業ですらMNTSQ社の「契約版Devin」の構想にコミットいただき、日本企業の売上高トップ100(※)の30%以上が既にMNTSQユーザー です。こんなスタートアップは他にないはずです。 (※日経新聞社による日本株ランキングを参考にMNTSQが算出、2025年4月1日時点)

prtimes.jp

この構想が実現して、社会というプログラムをLLMが記述するようになれば、社会のバグに搾取される人はいなくなります。発注者からの無限の追加要求に苦しめられたり、SaaSで知らぬ間に自動課金されたり、フリーランスの業務委託を突然解約されることもありません。

MNTSQは、社会というプログラムの開発インフラを設計するプロジェクトです。

We are Hiring!

私たちは、契約というコーディング言語をモダナイズし、誰でも他者とフェアな協力関係を築けるようなツールに進化させます。契約の世界にも充実したライブラリ推薦アルゴと、GitHubと、Devinを創り出したい!!

契約のないビジネスはありませんが、この分野にはいまWordとメールしかありません。つまり、テクノロジーによるアップデートの余地が溢れています。

皆さんの書いたコードが、社会というプログラムをフェアにしていく。

hrmos.co

tech.mntsq.co.jp