旭川いじめ 遺族が1億1600万円損賠請求 「早期対応怠った」

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奈良山雅俊
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 北海道旭川市で4年前、いじめを受けていた中学2年広瀬爽彩(さあや)さん(当時14)が自殺した問題で、遺族が市に約1億1600万円の損害賠償を求め、旭川地裁へ提訴した。いじめを「漫然と放置した」として、安全配慮義務違反にあたるとしている。

 訴状によると、広瀬さんに対するいじめは、入学当初からあり、同級生から疎外されたり、差別的な言動を受けたりする苦痛は、人格否定や尊厳を損なうべきものであったと指摘。学校側が生徒や養護教諭への聞き取り、保健室の利用状況を把握していれば、早期に認知できる状況にあったとした。

 広瀬さんは、性被害をともなういじめを繰り返し受け、いじめによるトラウマがフラッシュバックする状況だった。学校や市教委はその状況を認知しながらも、「いじめ」と認知せず、家庭の問題として責任転嫁し、広瀬さんの発達特性の問題として事態を矮小(わいしょう)化したと主張した。広瀬さんが求めた自身の発達特性に関する説明の機会も設けなかった。早期対応を怠っていなければ、わいせつ動画の送信など性的ないじめに発達することも予防できた、とした。

 いじめによって蓄積した身体的心理的負荷を放置し、自殺という結果が現実化したとした。

 野﨑幸宏教育長は「現在、裁…

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