74歳名高達男、30台設定でも違和感なし 演技力とどの時代も色あせない内容が物語に引き込む
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 俳優名高達男(74)の出演舞台「友情~秋桜のバラード~」を観劇した。白血病と闘う女子中学生とクラスメートたちの、米国の実話をもとにした友情の物語。 【こっちの方が見やすい】30台設定でも違和感なしという74歳名高達男 名高さんは担任教師役で、稽古期間中のインタビューで台本が当初37歳設定だったと言っていた。生徒役のメインである織田ももこと門田学も、年齢的には大人ながら役柄は14歳。名高さんは「年齢は全然気にしない。役に入って、どれだけナチュラルにできるかが役者の生命線みたいなもん。純粋にやれば見ている人も気にならない。役者ってそれぐらい化けますから」と話していた。 生徒役は現役中学生から33歳まで、幅広い面々がそろった。最年少は中2。織田さんは「すごいサンプリングしてます。中学生ってああいう感じか、って」と“本物”を間近で見ながら14歳に近づけていった。さて本番。名高さんは74歳とは思えない姿勢、肌つや、堂々としたたたずまいで、圧倒的な包容力を醸していた。織田さんと門田さんもこういう女の子いるよね、こういう不良いたよね、と何ら違和感を抱かせず、物語に引き込ませた。 私は同い年の友人を急性白血病が原因で亡くしている。自ら命を絶った友人もいる。だから「命ってなんだろう」と問いかける主人公あゆみの声が余計に響いた。周りの観客も涙をぬぐっていた。名高さんが「友情の話はどの時代でも色あせない」と言っていたが、99年の初演から海外を含めて640回以上、上演されている理由がわかった気がした。 主人公あゆみが入院する病院の院長役は日替わりゲストが務めた。この日出演した江東区議会議員の千田まさひろ氏は実際に骨髄提供の経験があり、カーテンコールで体験談が聞けたのも勉強になった。 終演後、ごあいさつに伺い、あゆみ役の織田さんに「見てよかったですか?」と聞かれた。これはもう、よかったに決まっている。【鎌田良美】