「中国人専用風俗に“闇レンタカー”…」 中国人が違法ビジネスで荒稼ぎ 「同胞インバウンド」の裏側に迫る

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 ビザが緩和され、中国人観光客がもっと来てくれれば日本経済は潤う。そう主張する人たちがいるが、そんな単純な話ではない。彼らを巡り「違法行為」が繰り返されているのである。すなわち、日本が蹂躙(じゅうりん)されているわけだ。「中国人インバウンド」の実態をルポ。【奥窪優木/ライター】

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 ほとんどの日本人が眠りにつく深夜、中国人たちによる違法行為が、筆者の目の前で行われていた。すぐそばには警察官がいたがお構いなしだった。「中国人による中国人のための違法行為」が、日本の国土で堂々と繰り広げられている。これが「インバウンド大国ニッポン」の真実なのである――。

「ただちに中国人観光客の無秩序な急増につながるものではない」

 今年1月下旬、岩屋毅外務大臣が記者会見でこう理解を求めたのは、中国人向け観光ビザの発給要件の緩和方針についてである。外務省はこれまでに、団体観光ビザの滞在期限の延長や、10年間有効の観光数次ビザの新設といった案を発表しており、段階的に実施される見通しだ。ことあるごとに「世界に冠たる観光立国」を標榜してきた大臣肝いりの政策とみられる。なお、2025年1月~2月の訪日外国人数は約703万人、そのうち中国人は170万3000人でこれは前年同期比約2倍だ。

パトカーが通っても動じる気配はなし

 しかし、政策の恩恵は、「同胞インバウンド」を相手に違法行為で稼ぐ在日中国人にももたらされることになるのである。

 季節外れの冷たい雨が降る3月のとある日。1日300便超の発着数を誇り、平均6万人以上の旅客が行き交う羽田空港国際線の第3ターミナルも、さすがに日付が変わる頃には、人の姿はまばらになっていた。しかし、天津と上海からの深夜便がそれぞれ到着する午前1時過ぎ、ターミナルの外がにわかに慌ただしくなる。

 到着客を待ち構える複数の大型ワンボックスカーが、ターミナル入り口付近の乗降エリアに競うように押しかけ、歩道沿いに列を形成し始める。ただ、多くの車のナンバープレートは“白色”だ。

 そのうち一台のワンボックスカーから、中年の男性運転手が降りてきた。するとスーツケースを積み上げたカートを押してターミナルから出てきた若い男女を出迎え、互いに中国語で手短に言葉を交わし、上海の空港を示すアルファベットが書かれたタグ付きの彼らの荷物を、乱雑に車のトランクに載せ始めた。一方の男女は、自分でドアを開けて車に乗り込む。そこには握手も、ハグも、笑顔すらない。互いに、海を越えて再会した親族や友人に対する態度ではまるでなかった。

 その時、雨に濡れた黒いアスファルトが突然、赤く染まった。一台のパトカーが赤色灯を回しつつ、ワンボックスカーの車列の横をなめるようにゆっくりと進み、「白タク行為は違法です」と拡声器で呼びかけたのだ。

 すると車列のワンボックスカーは、くもの子を散らすように逃げていく……かと思いきや、まったく動じる気配がない。先ほどの中年運転手も、相変わらず気だるそうに客の荷物を車に積んでいた。

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