ダフネ・ラウロスが強くても(エリート戦士ぐらい)いいじゃない


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作:れいが
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ウチとしては良好な関係を築きたいんだけど


ウチはダフネ・ラウロス。

ロキ様とフィン団長に加えてリヴェリア副団長とガレスさんにウチがサイヤ人っていう種族だと明かした。

小人族以上に絶滅に瀕してるからといって、3人に同情してもらわないようウチは自分の想いをぶつけた。

ロキ様と3人はウチのことを受け入れてくれて、素直に嬉しく思ったかな。

ただ・・・その後、ウチの食事事情について場の空気を凍らせたのは申し訳なかったわね。

色々と話も済んだから、恩恵を刻んでもらうためにロキ様の自室へと足を運んだ。


 部屋に入って鼻を劈く酒臭さに一瞬ウチは顔を顰めた。

 原因はロキ様が使ってるであろう丸いテーブルに置きっぱなしの酒瓶でしょうね。

 

 帯を外してから山吹色の道着と紺色のアンダーシャツを脱いで・・・なるべく置いても大丈夫そうな別のテーブルに置いた。

 

 「服脱いでそこに寝そべってやって脱ぐん早やない?」

 「そうですか?別に普通だと思いますけど」

 「もうちょい恥じらいっちゅうもんを知っててほしいんやけど、まぁええわ」

 

 ベッドに寝そべるとロキ様は腰辺りに乗ってきて、ウチの背中に1滴の血を垂らす。

 

 多分、恩恵を刻まれてるんでしょうけど、感覚的には何も感じないのね。

 

 「ダフネの背中、フィンやガレス並みにごっついなぁ~。ここで胡桃割れるんとちゃう?」 

 「胡桃なら割らずに剥いて食べる派ですね」

 「せやねんかー、指の力どないなってんねん」

 

 そんなやり取りをしている内に、恩恵が刻まれたからロキ様はウチのステータスを確認し始める。

 すると、素っ頓狂な声を上げながら驚いてた。見えないけど多分目が点になってるでしょうね。

 

 「オールSSSのレベル6ぐらいはある思うたのに1て・・・

  しかも、あの指からビビビって光ってる剣みたいなん出してた魔法が見当たらないんやけど」

 「だって魔法じゃなくて、ウチの技って認識でしょうからステータスには反映されないんじゃないですか」

 「ちょ待って。どう見たって魔法でなんかして光ってるのを固めてやってたんとちゃうん?」

 

 そういう認識されてたんだ・・・魔法以外であんなことができるとは神様でも思いつかないのかな。

 とりあえず説明を後回しにしてもらって、ウチのステータスを書き写した羊皮紙を受け取る。

 

 ロキ様が違う意味で驚いてたけど、これが一般的なものなんだと思う。

 

 「で、さっきの話やけど・・・魔法やないんやったら、どういう方法で編み出したん?」

 「そうですね・・・まず見てもらった方が早いので、静かに落ち着いててください」

 「あ、服着てからでええから。そう堂々とされてるとうちが恥ずかしくなるやん」 

 

 そう言われたからウチは胴着を着直して、対面するようにロキ様とベッドの上に座った。

 早く見たそうに興味津々なロキ様を落ち着かせて、ウチ自身も軽く深呼吸をする。

 

 「ゆっくり、自分の中の力を引き出すんです」

 

 軽く指を曲げたまま両手を胸の前に置いてウチは気を集中させ始める。

 そうすると、中心にほんの小さな光が灯った。それを見てロキ様は目をカッと見開くと、すごい近くまで顔を寄せてきたわ。

 

 攻撃するためのじゃないにしても、目がやられちゃいますよ・・・

 

 「これは・・・何なん・・・?」

 「ウチらは気と呼んでいる潜在的な体内エネルギー、目に見える生命力と思ってください」

 

 簡単とはいえ、意識が乱れるとすぐに消えるから、ウチは気をコントロールしながらロキ様にわかりやすく説明する。

 

 「これには魔法を使うために消費する精神力も含んでいます。

  但し、魔法とは異なって攻撃をするために詠唱する必要も無くて種類も限定せず、様々な用途に使えるんです」

 「はぁ~~・・・これってサイヤ人のダフネだからできるん?

  精神力やったらリヴェリアとか弟子のレフィーヤなんかもめっちゃ高いからできそうやけど」

 「確かにリヴェリアさんの気の高さはすごいですが・・・

  魔法に依存していると思うので、いきなり気を扱えるということはまずないですよ」

 

 残念そうにしているロキ様を尻目にウチはコントロールを止めて気を消す。

 あんまり使い続けると、お腹の減りや早くなるし1週間どころか1ヶ月分に増えかねないからね。

 

 「多分やけど、アイズたんと手合わせしてるのを見てた皆から教えてとか言われると思うで?」

 「もちろん教えてあげますけど、無理そうだったら諦めてもらうしかありませんね」

 「まぁ、それは仕方あらへんな。じゃあ、その時はダフネに任せておくで」

 

 そうしてロキ様と一緒に入団希望者が待ってる部屋に行って、ウチ1人がそこで待つことになった。

 先に刻んでもらったことに特別扱いされてるって妬ましい視線は少なからずあったけど、アイズとやりあってたウチに喧嘩を売る様子はなくてちょっとホッとしたわね。

 

 逆立ちのまま1本指で腕立てをしたり精神統一をしたりと暇潰しをして、暫くするとロキ様が皆に自己紹介をする準備が整ったことを告げられる。

  

 先頭に立つロキ様がウチらを引き連れてやって来たのは食堂だった。

 

 めちゃくちゃ広くて先輩の団員達が皆揃って並べられてるテーブルの椅子に座ってる。約1人を除いて。

 

 「ほな、今日から入団してもうた新人の自己紹介を始めるで~」

 

 ロキ様の隣に立ってる女の子から始まって、案外緊張せずに名前とか抱負とか伝えていってウチの順番に回ってきた。

 その瞬間、さっきまで和やかだった空気がピリッとする。あー、ホントこういうの苦手・・・

 

 ウチは一歩前に出て、皆からの視線を浴びながらも自己紹介をする。

 

 「ウチはダフネ・ラウロス。

  ロキ・ファミリアの躍進に力を添えられたらいいな、と思ってるからどうぞよろしく」

 

 これくらい簡潔でも十分でしょ。なんだかんだで拍手もしてもらえたし、さっさと列に戻ろ・・・

 自己紹介が終わったらまさかの質問タイム。ロキ様、つい数十分前はフォローしてくれたのになんで今空気を読まないのよ。

 

 しかも即行でアイズがビシッと手を挙げちゃったし・・・

 

 「お?珍しく積極的やなぁ。じゃあ、アイズたん!」

 「あの・・・光ってる剣をもう1回見せてほしい、な」

 「・・・見せるだけだからね?触ったりなんかしないようお願い」

 「ほな、こっちに来て見せてもらい」

 

 アイズは椅子から立ち上がってウチの目の前まで歩み寄ってきた。ちょっと近いってば・・・

 ウチは一歩下がって、間違っても前に向けないように気を付けて指先に気を集中させる。

 ロキ様が言ってた擬音の表現するなら、ビビビッとスピリッツソードが指先から伸びていく。

 

 形成されたスピリッツソードがよく見えるよう、横向きにしてアイズに差し出した。

 

 スカートの裾を掴んで触ろうとしてるのを我慢しつつ、アイズはマジマジとスピリッツソードを見つめる。

 試験の時には居なかった他の先輩達も釘付けになってたわ。一度見たことがあるはず先輩方も含めて。

 

 「・・・触ることは、できないの?」

 「触ったら大火傷するか指が無くなるかのどっちかだから絶対にダメ」

 「そ、そっか・・・無詠唱でこんな魔法が使えるなんて、すごいね」

 

 ・・・ここは聞き流しておくべきかしら。でも、後々嘘をついてたってバレたら責められそうだし・・・

 

 「これは魔法じゃなくて、ウチ自身の技なのよ。

  精神力とは違った気っていう体内のエネルギーから形成しているの」

 「・・・気?」

 「そう。ウチはサイヤ人っていう種族で、気を操るのに長けてるからこうして武器にしたり色々な技に使ったりするできるのよ」

 

 魔法じゃないってことに猜疑心でザワつく周囲に反してアイズは静かにウチを見つめてから、またスピリッツソードに視線を移す。

 

 もしかして、自分にもできるのかな?って思ってるのかしら。

 アイズから感じる気の強さはそれなりにあるし、できなくもなさそうだけど・・・

 

 「・・・うん。見せてくれてありがとう、ダフネ」

 「ん・・・どういたしまして。あの時は投げちゃってごめんね?」

 「ううん。そこまで痛くなかったから、平気だよ」

 

 それならよかった。恨みを買ってたらどうしようかと思ったわ・・・

 そうしてアイズが座ってたところへ戻ると、フィン団長は新人であるウチらに先輩として助言や手助けをするように言って、ウチらの自己紹介は終わった。

 

 その後は事前に決められてた自室の部屋割りを教えてもらって、明日ギルドで冒険者登録を済ませるのを伝えられると、そこで各自解散になった。

 

 夕飯まで時間はあるし、その間に食材でも確保しに行きましょうか。

 

 ウチは2本指を額に添えつつとりあえず東の方角でウロついてる気を探って、そこへ瞬間移動する。

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