セラスを従えたった二人で少佐の軍隊へ挑むインテグラ。笑いながら死んでいく兵士たち、外では次第に朽ちていくウォルター。すべてはクライマックスを迎えようとしている。 闘争を、戦場（いくさば）を、求め続け戦争をする少佐にインテグラは苛立ち決意を新たにする。セラスはヴェアヴォルフ最強の戦士である大尉との対峙する。 戦況を俯瞰しながらウォルターとの決着をつけるために、アーカードは戦場の血をすすり始める。これこそが少佐が待ち望んだ瞬間であり、シュレディンガー准尉は首を掻き切り、血の濁流にその身を投げる。 「存在し、存在しない」シュレディンガーの血を体内に取り込んでしまったアーカードは自身の存在を定義できずに消えていってしまう。 勝利を確信しほほ笑む少佐にインテグラの怒りの銃弾が撃ち込まれる。

アーカードは神の道具と化した化け物、アンデルセンを遂に倒し、自戒とともに塵と化した宿敵を見送る。 その刹那、感傷を打ち消すような鉄線の音が崩壊した街に響き一人の青年が降り立つ。ナチスに捕らえられたハズのヘルシング家の執事、死神ウォルター。老いることを誇りにしていたその身をナチスの力を借り若返らせ、敵として現れたのだった。 アーカードと戦いたい為だけに、主従の道理を違えかつての主にアーカードとの対決の命令をさせるウォルター。かくして死神ウォルターと満身創痍のアーカードとの闘いが始まり、インテグラはセラスを伴い、戦争狂の少佐の待つ飛行艇へと歩をすすめる。

追い打ちをかけるようにヴァチカンはロンドンを急襲し、ロンドンは死都と化した。命令に反してインテグラを護衛するアンデルセンは悦に入る同胞、大司教となったマクスウェルと袂を分かつ。 インテグラの危機に覚醒したセラス・ヴィクトリアが駆け付けた時、テムズ河を幽霊船にのったアーカードが現れる。決戦の火ぶたが切られ遂にインテグラの命を受けアーカードはその力を全解放する！ロンドンに死の河が流れ、アーカードに敗れ取り込まれたものたちの加戦により戦況は一転、すべてが吸血鬼の力に押し流される中、反逆の牧師アンデルセンは銃剣を手に挑むも敵わず、ついにはヴァチカンの秘宝「エレナの聖釘」を手にし、化け物を倒すために自らも化け物と化してしまう。

どんな過酷な戦場にも対応して来たワイルドギースの猛者達だが、人間とは比較にならない運動神経を持つヴァンパイア兵に次第にその防衛力を奪われていく。通常兵器が通用しないバケモノ相手にディフェンスとして守り続けるも、忍び寄る絶望が士気を削いでいく。 それでも傭兵として、戦争のプロとして役目を果たすために捨て身の行動によって屋敷を守る傭兵達。その抵抗に手こずりしびれを切らしたゾーリンはその真の力である幻術で傭兵達を錯乱状態にし、その隙に防衛線を突破、邸内に侵入していく。 戦況は一転し、圧倒的な力に屈するしかなくなったワイルドギースをまるで楽しむように蹂躙していくナチス兵たち。まるでおもちゃを扱うように傭兵の死体をあそぶナチス兵に怒りをあらわにするセラス・ヴェクトリア。大切な仲間を失った悲しみと過酷な戦いは彼女を真の吸血鬼に目覚めさせる。

主、インテグラのいないHELLSING邸を預かるセラスとヴェルナドット隊長率いるワイルドギースの面々。そこにヴェアヴォルフのメンバーでもある幻術使い、ゾーリン・ブリッツ中尉率いる部隊が強襲するが、インテグラもアーカードも不在のヘルシング部隊などと侮っていたゾーリンは逆に手痛い先制攻撃を受ける。 ついにはセラスのハルコンネンIIの集中砲火により飛行船は墜落。戦いに勝利した喜びもつかの間、吸血鬼軍団は降下中の飛行船から飛び降り再び進軍を開始する。その恐るべき攻撃にもヴェルナドットは次々とトラップを起動させ、膠着状態をつくることに成功する。 更に長引き悪化する戦局を想定し、ヴェルナドットはセラスに単独の作戦を命令する。非力な人間である自分らが捨て石のディフェンスとなり敵をひきつけ、その隙に唯一の人外であるセラスが敵の裏をつき、一発逆転を狙うというもの。 血煙舞う敗色濃厚の戦場に『約束』を守るべく、男たちのプライドだけが彼らを留まらせている。シリーズ唯一の切ないラブストーリー前半戦。

大戦の忘れ形見のような飛行船から繰り出されるV-1ロケットの嵐にロンドンの街は砲火に包まれる。英国内部の裏切り者の続出によって軍はもはや機能せず、円卓会議メンバーでもある英国安全保障特別指導部本営のペンウッド卿は混乱の中、インテグラに自身の警護を放棄させ、ヘルシングにしかできない戦いを命令する。 占領されていく作戦室で自らの命と引き換えに裏切り者の吸血鬼達を巻き込んで自爆するペンウッド卿。その最後を車中で知り怒りに震えるインテグラは一刻も早く本部へ帰還するようにウォルターに告げるが、ウォルターはなぜか車を止めてしまう。 飛行船とともに彼らの眼前に現れた軍服の男の姿。ウォルターの鉄線すら受け止めるその男からインテグラを逃すためウォルターはその身をかけて対峙する。 一人となったインテグラに執拗に襲いかかるナチス兵。やがて走行不能となった車から降り立ったインテグラは臆すること無くバケモノに闘いを挑む。狂刃が振り下ろされた時、銃剣がナチス兵を串刺にする！ 絶体絶命のインテグラの前に現れたのは味方ではなく宿敵であるアンデルセン神父とヴァチカンの特務機関イスカリオテだった。

吸血鬼軍団による戦争という受け入れがたい情報に戸惑う英国軍部、だが事態を重く見た女王はHELLSINGとともに宿敵であるヴァチカンのイスカリオテをも招集しナチス撲滅を命ずる。 その会議の場に突如現れた猫の耳を持つ少年兵、シュレディンガーは少佐からの宣戦布告のメッセージを伝える。この進軍が「目的のないタダの戦争」であることと、敵は英国、HELLSINGではなくアーカード一人であることを。 同時に大西洋上では英国艦隊が魔弾を操るリップバーンと潜伏していた裏切り者たちの手に落ちていた。近寄ることを許さない魔弾をかいくぐり船上に降り立つ為、アーカードは音速の鉄機、ブラックバードに乗り成層圏から洋上の船へと向かう。炎上する艦橋の舞台、そしてオペラ「魔弾の射手」さながら魔王に挑み、すべての部下を失いながらもリップバーンは最後まで抗う。 そしてアーカードを洋上に足止めした少佐率いる1000人の吸血鬼集団は、ロンドン上陸を果たすのだった。

自白をさせる前に燃やされてしまったヤン・ヴァレンタインの残した「ミレニアム」のメッセージ。そのキーワードからインテグラは南米に逃げたナチスの残党達が背後にいることを確信する。 アーカード、セラスに加え壊滅したヘルシング部隊を補強する為に雇い入れた傭兵部隊、WILDGEESEを南米チリに調査に送り込む。しかし到着するやいなや、アーカードらのホテルは現地の特殊部隊に取り囲まれてしまう。その指揮をとる謎の伊達男、アルハンブラ。「吸血鬼になることで得られる永遠の命」彼はその餌で軍隊を動かしていた。 公に活動することが許されないHELLSING機関。更にアーカードの存在。英国の操るバケモノが報道に曝される。しかもアーカードが倒さなければならないのは「ただの人間達」。指揮官インテグラの動揺を煽るようにアーカードは主に選択を迫る。 リオのホテルを舞台に繰り広げられる凄惨な闘いの果てにアーカードは一連の黒幕が誰なのかを知る。ミレニアム、最後の大隊を率いる少佐。かつてウォルターとともに倒したハズの亡霊が半世紀の時を超え闘いを挑んできたことを。

英国に忠誠を誓い秘密裏に英国を導く円卓会議。その議上インテグラは急増する吸血鬼事件が仕組まれたものであることを推測する。驚く議員らだが、彼らを更に驚かせる事態が起こる。極秘であるハズのHELLSING本部が二人の吸血鬼の率いる食人鬼（グール）軍団に急襲されたのだ。 人ならざるものの攻撃に厳重な警備もなす術無く、自らはもちろんあずかるべく英国の重要人物達の生命の危機を前にインテグラは交戦の決断を迫られる。 執事、ウォルターと新米セラスが主隊を待ち受け応戦する中、地下で待機するアーカードの元へたどりつく、恐るべき運動能力を持つ吸血鬼ルーク。その攻撃を楽しむように受けながら戦うアーカード。ルークの能力を認めたアーカードは吸血鬼の本当の闘い方を見せる。それは閉ざされた吸血鬼の能力を段階的に開放する術式、拘束制御術式開放。アーカードの千切れた体から飛び出した使い魔、黒犬獣がルークを襲う。 ※17:23～17:25頃のシーンにおいて、映像の乱れがございます。何卒ご了承ください。

英国のとある村が化け物に占拠されるという猟奇事件が発生する。 新人婦警、セラス・ヴィクトリアは仲間達とともに村人の救出に向かうが、そこは既に人ならざる者に支配されていた。混乱する作戦本部に訪れた美しき特務機関の女性指揮官、インテグラは警察に語る。「これはヴァンパイアの仕業であり、吸血鬼狩りの専門のバケモノを投入した」と。吸血鬼でありながら巨大銃を振りかざし、人間である主の命ずるままに同族をも駆逐する正真正銘のバケモノ、その名はアーカード。アーカードは人質となったセラスに同族となり生きるか？人のまま死ぬか？の選択を迫る。