原子力機構を厳重注意 文科省、手続き不備で
文部科学省は11日、原子力施設の設備や核燃料物質の使用方法などを変更した際に必要な計52件の通知を怠ったとして、日本原子力研究開発機構(原子力機構)を文書で厳重注意したと発表した。機構は施設の安全に影響はないとしている。
文科省と機構によると、通知は両者が締結した原子力損害賠償に関わる契約に基づくもので、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県、廃炉作業中)や高速実験炉「常陽」(茨城県)、人形峠環境技術センター(岡山県)などに関わる変更を文科省に通知していなかった。今年1月に不備が発覚し、3月25日に文科省に報告していた。
また機構は11日、ほかの原子力事業者で同様の不備があったことを受けて昨年4月に文科省が全事業者に調査した際、担当者が個人の判断で「該当なし」と誤った回答をしていたことも明らかにした。機構は「業務処理プロセスの改善を図り、再発防止策に万全を期したい」としている。〔共同〕