宇宙天気分野の課題

太陽風観測データからの磁気嵐発生予測

1. はじめに

太陽面で発生する爆発現象(太陽フレア)にともない、太陽上層大気のガス(プラズマ)が惑星間空間に噴出します。この「太陽風」と呼ばれるガスは、地球周辺の宇宙空間に大量のエネルギー流入をもたらし、その結果地球の磁場は大きく乱され「磁気嵐」が発生します。磁気嵐はGPSや通信、人工衛星などに多大な影響を与える可能性があり、その予測は宇宙利用を行う現代では重要な課題となっています。

過去の研究により、磁気嵐の発生と太陽風の変動には密接な関連があることが分かっています。現在、太陽風や地球周辺の宇宙空間の磁場構造を模擬した物理モデル等を利用した磁気嵐予測研究が進められています。また、磁気嵐の規模を表す指標の1つとして、「Dst指数」と呼ばれる地磁気指数が知られています(詳細は2.2章)。

本コンペでは、太陽風のプラズマ物理量の観測データおよび地磁気指数データを用いて、24時間後のDst指数(磁気嵐の規模)を機械学習で予測していただくことが目標となります。様々なモデルでのご応募をお待ちしています!

2. 使用データ

2.1 データ詳細

訓練データは以下より"geosciai2025_sw_train.csv"として取得できます。csvファイル形式で、データ容量は約22MBです。

https://drive.google.com/drive/folders/1QqjctPI6oMEWeo8bZfSLwErLGxzgDSfP?usp=drive_link

訓練データは大きく分けて以下の2種類です。

2009年1月1日〜2019年12月31日の期間、毎時00分に観測された計25個のパラメータを訓練データとして準備しています。準備されているデータ全てを訓練または検証に用いなくても構いません。訓練や検証として使用する期間や、パラメータの種類・個数はご自身で設定ください。ただし、期間外のデータを訓練や検証に用いることは禁止します。なお、提供されているデータを加工して使用しても構いません。

各パラメータの意味は以下の通りです(単位はカッコ書きにて記載)。各データが観測された日付を1列目に記載しています。


2.2 磁気嵐の例

磁気嵐の発生例として、2017年9月1日〜9月20日のDst指数のプロットを示します。Dst指数とは、中低緯度の地磁気南北成分の変化量のことです。宇宙環境に乱れが生じると、図のようにDst指数は数時間の間に大きく減少し、一般的に -50 ~ -100 nT以下に達した場合「磁気嵐」と呼ばれます。Dst指数の最小値は磁気嵐の規模の指標として宇宙天気等に利用されています。

図:2017年9月1日〜9月20日のDst指数のプロット

3. 評価

本コンペでは、2024年5月1日〜2024年5月31日の期間を対象に、24時間後(翌日)のDst指数(磁気嵐の規模)を予測していただきます。2024年は今太陽活動周期の極大期付近で、特に2024年5月には大規模な太陽フレアが頻発しました。この影響により、過去20年間で最大規模(現時点)の磁気嵐が発生しました。磁気嵐の発生にともなって国内外でオーロラが多数観測されたことから、メディアでも数多く取り上げられました。

評価はDst指数の二乗平均平方根誤差(RMSE:平均二乗誤差(MSE)の平方根を取ったもの)で行います。後日下記で公開されるテスト用データを用いて、モデルの評価を行ってください。

4. テスト用データ

4/15(火) にこちらから公開