中国の「SNS炎上」「ネット上の分断」、じつは日本に負けないくらい凄まじいことになっていた…!

中国政府と言えば、日本では「情報統制」のイメージが強いが、一方で普通の中国の人々が、どのような情報環境にあるのかについてはあまり知られていない。その実態を【前編】「日本人は知らない…中国人は「自国政府の情報統制」をどう思っているのか? その意外な答え」で詳しく見た。

さらに前編の記事では、現在の中国人にとってSNS(「自媒体」と呼ばれる)が重要な情報源になっていることを指摘したが、同時にSNSはさまざまな問題を引き起こしてもいるという。前編に引き続き、『いま中国人は中国をこう見る』(日経プレミアシリーズ)を上梓したジャーナリストの中島恵さんがレポートする。

SNS上の激しい対立

「中国人が得られる情報は爆発的に増えましたが、“情報の質”という点では、問題があると思います」

このように感じている中国人は多い。とくにSNSなどの自分メディア(自媒体)の場合、確かな情報は少なく、人目を引こうとする話題ばかりが先行する傾向がある。ささいな問題を大げさに評論したり、デマが独り歩きしたりして炎上し、歪んだ世論が形成されてしまう、といった問題があちこちで発生している。

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2021年8月、南京でのデルタ株の感染拡大に関連して、高強・元衛生相と、著名な伝染病専門家の張文宏氏の記事を巡り、それぞれを擁護する陣営がSNS上で激しく対立したことがあった。

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