長崎県壱岐沖で6日に起きた医療用ヘリコプターの事故で、引き上げた機体の実況見分に立ち会った運輸安全委員会の調査官が10日取材に応じた。

機体は全体がゆがんでいる状態で、着陸装置の右側部分の損傷が特に大きいことから、「横に回転しながら右に傾いて着水した」との見方を示した。

「回転しながら着水したというのが分かりました」

運輸安全委員会の奥山克也・航空事故調査官は10日、機体の実況見分後、佐賀県唐津市内で取材に応じ、機体の状態について次のように話した。

運輸安全委員会・奥山克也 航空事故調査官
「機体の損傷状況としては、メインローターがすべて折損しています。根元の方まで折損していますので回転しながら接水したというのがわかりました」

「前方の窓は損傷していますけども、側面の窓は損傷ありません。後部の窓は損傷していますが、側面の窓はほとんど損傷していませんでした。前方の窓がなぜ損傷したのかはこれから、何かぶつかったのか、衝撃で割れたのかは今後分析します。考えられるのはメインローターがぶつかった可能性がかなり高いと思っています」

「胴体全般については、ゆがみが非常に大きいので、着陸装置は全部折損してフローテーションが外れているような状態。それから、クロスバーといって着陸装置の真ん中が折損しています」

「全体もゆがんでいる状態で、横に回転しながら接水したんだろうという兆候はありました」

「エンジンの外観は異常はありませんが、今後データを見て異常がないか確認します」

「その他損傷しているところはありますけどもこの場では申し上げられません」