長崎県壱岐沖で発生した医療用ヘリコプターの事故をめぐり、救助された人が背骨などを折る大けがをしていたことが関係者への取材でわかりました。

海上保安庁と国の運輸安全員会は、ヘリコプターが着水した時に大きな衝撃を受けた可能性があるとみて詳しく調べています。

今月6日、6人を乗せて福岡和白病院に向かっていたヘリコプターが、長崎県壱岐沖で転覆した状態で見つかり、女性患者(86)と付き添いの息子(68)男性医師(34)の3人が死亡したものです。

機長と整備士、看護師はフロートと呼ばれる浮き具にしがみついているところを救助されましたが、背骨などを折る大けがをしていたことが関係者への取材でわかりました。

この事故をめぐり、10日午前、佐賀県の唐津港では回収された機体が陸揚げされ、海上保安庁と運輸安全委員会が機体の損傷を調べました。

運輸安全委員会によりますと、着陸装置が折れていたことなども含めて着水時に強い衝撃が加わったと考えられるということです。

その一方で、エンジンや不時着した際に発信される救難信号の装置については、明らかな異常は確認されませんでした。

海上保安庁や運輸安全委員会は今後、エンジンの記録装置や警報装置などを解析し、事故原因を詳しく調べる方針です。