①ヤワゲネズミ概要

国内ではヤワゲネズミ、マストミス、プチラットと呼ばれています。

分類上ネズミ科に属していますが、マウスやラットとは別種です。

マウス・ラットと同じ環境で飼育してしまうと、繁殖に失敗するどころか、
死んでしまうおそれがあります。

寿命はおよそ2年程度、体重は個体差がありますが、80gあればアダルトと言えるでしょう。
体重の最高記録はメスのリタイアヤワゲネズミで199gですが、これは規格外に大きくなった例ですので、平均値は100〜130gの認識で問題ないです。

ボールパイソンが現地で食べている餌ねずみとして知られ、海外（特にアメリカ）ではボールパイソンの餌といえば本種が使われていることが多いです。

ヤワゲネズミをボールパイソンの餌として使用する利点

①ボールパイソンが野生下で食べている齧歯類のため、嗜好性が高い

②ほどよいサイズのため、蛇の成長に伴い餌の種類を変えなくていい

③げっ歯類特有の悪臭が少なく、活餌としてキープしやすい

④マウス、ラットと比べ高たんぱくで栄養価が高いとされている

　海外ではAfrican Soft-furs (ASF)として知られます。情報が欲しいときはこのワードで検索すると結果が得られやすいです。日本語で検索してもほぼ疾病対策の情報しか出てきません。（2022年現在）

　原産国はアフリカですが、蛇の餌として欧州やアメリカに輸入され、以降ペットとしてもそれなりの地位を築きつつあるようです。
性格としては好奇心が強く、動作はネズミとしてはどんくさい印象です。
ヤワゲネズミという名前のとおり、手触りはまさに「柔毛」です。人に慣れた個体であれば、ペットとして飼えなくはないでしょう。

日本ではラッサ熱のウイルスの自然宿主として知られています。このため、2003年11月より輸入は全面禁止となっています。

②ヤワゲネズミの餌

　日本国内では植物食が強いとも、マウスより高たんぱくでないとダメともいわれていますが、
基本的にはげっ歯類もしくは、小型から中型インコ向けのものとして販売されている餌にタンパク質を追加、で大丈夫です。

種子、穀物が好物で、現地では穀物を食べる害獣として知られています。
チモシーは主食にできません。葉野菜は水分、甘味の強いものはおやつ代わりなります。

マウス・ラット向けの飼料でも十分に飼養できますが、一般的な固形資料は嗜好性が低いため体格が大きくならないことが多いです。
また、トウモロコシより大きく、硬い種子はあまり好まないので鳥用の餌を使用される場合は、小型から中型インコの餌をおすすめします。

これはあくまで海外の飼育者の交流掲示板やペット販売サイトの情報なのですが、マウスが総摂取カロリーのうち15％をタンパク質から摂取するのに対し、ヤワゲネズミは30%程度必要になると言われています。

ハムスターやマウスと同様の餌で飼養すると成長が大変遅いため、ペットとして飼養するのでなければ積極的にタンパク質・油脂を与えることをおすすめします。
(好奇心が強く、放り込まれたものはとりあえず噛みに行くので、そのまま知らない食べ物も口にすることが多いです。気に入れば、そのまま好物として記憶してくれます。)

爬虫類飼育者であればキープしていることの多い餌虫全般はヤワゲネズミのたんぱく源として有用です。
ミルワーム、コオロギ、デュビア、ハニーワーム…なんでも喜んで食べますが、特にハニーワームが好きです。

乾燥麩全般、米、麺類、野菜くず(特に小松菜やキャベツ等の葉野菜)、にぼし、肉の脂身、いりごま…などの食べ物も、おやつとして与えるとよく食べよく太ってくれます。

！食べさせてはいけないもの(海外サイトより)

基本的に果物の皮は与えないでください。人間向けの加工食品も与えないでください。

※１　おそらくブルーチーズなどのカビ毒が危険なため

※２　果肉は問題ないですが他は有毒、果肉も高脂肪のためネズミには与えない方がよい

※３　人間向けに販売されているものはだいたい加熱されていますが、高脂肪のため積極的に与えるものではない

③体重の推移

ホッパー：15g前後≒ホッパーマウス≒ピンクラットＬ
ヤング：30~35g≒アダルトマウス≒ファジーラット
サブアダルト：50~60g≒ヤングラットS
アダルト：60~80g≒ヤングラットS~M

あくまで目安で、形質の偏りや餌の内容、生育環境でこの通りにならない可能性があります。

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