黒竜討伐を済ませ、黒竜の封印を行使していた風の大精霊を受肉させてアリアという名前を与えたベルとリムル様はテスタロッサの待つ家にへと帰宅するのだった。
「只今戻りました義姉様」
「留守番ご苦労さんテスタロッサ」
家に入りながらテスタロッサに声を掛ける。
「はい、おかえりなさいませリムル様、ベル・・・そちらの女性は?」
迎えの言葉とともに問いかけられる。
ベルとリムル様の後ろに金髪金眼の女性が立っている、その女性こそが黒竜の封印に命を賭した風の大精霊が受肉し名を与えられた存在である
「初めまして、テスタロッサ殿。私の"名"はアリアと申します、黒竜の封印に力を注いでいた風の大精霊だったのですが黒竜が討たれた後リムル様のお力によって受肉し名を与えてもらい
「そう、リムル様のこの世界での新しい配下ということね」
「はい、そうです」
アリアの言葉にテスタロッサはすぐに理解しアリアを受け入れる。
「ベル、黒竜はどうだったのかしら?」
「力という意味ではこの世界にいる実力者では歯牙にも掛けられないでしょう。義姉様やリムル様の
「そう」
「あの、リムル様この世界の住人達に真っ向から喧嘩売るような発言してますけど大丈夫でしょうか?」
「うん、これに関しては種族的な面も大きいけど実際あの二人の実力は俺の国の中でも上澄みだからそう言う発言も出るんだろうなぁ・・・」
「リムル様、何故遠い目をされているのですか!?」
リムル様の様子にアリアは戸惑うが、ある意味魔国連邦ではよく見られる。
「それでは今度こそオラリオに向かうとするか」
「「はい」」
「オラリオに向かわれるのですか?」
オラリオに行く、その言葉にアリアは問いかける。
「あぁ、ベルの家族が過ごしてたって言うから行ってみることにしたんだよ」
「そうなんです、アリアさんもオラリオに行きませんか?」
「・・・・・・そうですね、娘に合いたいので私も行きます!!」
「よし、決まりだな!!って、子供いたの!?」
「はい、私によく似た可愛い娘です」
「それではアリアの荷造りを致しますね」
ベルの言葉にアリアはなにやら決心した顔で言い、そのための準備を始めるのだった。
それから数日後、迷宮都市オラリオに向かっている途中にベル達は一柱の女神と行動を共にすることになった。
「いやぁ〜、ベル君達に出会えてボクは運が良いねぇ」
「それは良かったです、神ヘスティア」
出会った女神というのは炉の処女神・ヘスティア、本来であればこの女神が天界から降りてくるのはまだ先なのだが何十柱の神が不正をしており繰り上がりでヘスティアに順番が回ってきたのだ。
「それで皆ボクの眷族に・・・」
「「「「保留で」」」」
「やっぱり駄目なのかい?」
「はい、オラリオに着いて色んな
「そっか〜〜〜〜〜」
「見えてきましたね」
「あぁ、あれが・・・」
「迷宮都市オラリオ」
「待っててねアイズ」
「よし、行こーう!!」
そうして、ベル達はオラリオに到着するのだった。
「ここが迷宮都市オラリオかー」
「確か活気はありますが・・・どこか淀んだ空気を感じます」
「ここがオラリオ、義母様と叔父さんがいた場所・・・」
「賑やかですね」
「よーし、下界を楽しむぞー!!」
ベル達が思い思いの言葉を述べながら検問部屋に入ると一人の少女がやってくる。
「はーい、次の人って凄い美人さんが三人も来たよ!?」
何故だろう、この人エレンに似たような空気を感じる。
「真面目にやれ、アーディ」
次にやってきたのはアーディと呼ばれる少女を諌める女性。
「でも、お姉ちゃん女神様くらいに美人が来たら誰だって驚くよ、痛ー!?」
「馬鹿者、勤務中は団長と呼べ」
どうやらこの二人は姉妹のようだ。
「それでは検問を始める」
姉の方は慣れたように進めていく、つまりこのやり取りは日常茶飯事なのだろう。
そうして、検問が終わり無事に都市入りすることが出来たベル達はまず宿を取ることにした。