今度は異世界転生じゃなくて異世界転移かよ ※リメイク版


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作:にゃすぱ@梨
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第2話


「なんだったんだ?あの野郎は」

 

立ち尽くす中1人声を発した。

狼人(ウェアウルフ)のベート・ローガだ

 

「分からない。でも、あまりにも不思議な点が多すぎる。」

 

ベートの問いかけにフィンは答える。

 

「幻…なんてことはないよね!?」

 

褐色肌のショートヘアの彼女はティオナ・ヒリュテ

 

「団長とちゃんと会話してたんだからそんなわけないでしょ。それよりも…」

 

同じく褐色肌のロングヘアの彼女はティオネ・ヒリュテ

 

「あやつ、1人で上がってきたと言っておったな?」

 

「あぁ、多分悪寒の正体は彼…彼女?で間違いはないだろう。ただ、相見えた時には悪寒はもう無くなっていたが」

 

「誰か、あの仮面に見覚えあるかい?」

 

フィンは皆に問いかけるが答えはノーだった。

 

「とりあえずの脅威は去ったと考えていいだろう。リヴェリアも言っていたが、さっきの人が居なくなってからはもう親指の疼きも無い。」

 

あの仮面の子はどうやって1人で上がってきたのだろうか。

対面した時はさほど強そうには見えなかったが、最初に感じた悪寒のような威圧感のようなものはなかった。

少し調べる必要がありそうだね。

 

「下の階層を少し調査したい。何かあれば遠征は中止にしよう。その為に改めて調査隊を組む事にする」

 

「ふむ、それが懸命であろうな。ここから先はまるで次元が違うのにも関わらずあやつは1人で上がってきた。何かの異変があったのやもしれん」

 

「ならば私はほかの団員にそれを伝えてこよう」

 

リヴェリアはそう言い去ろうとした時アイズから声がかかった。

 

「私も調査隊に組み込んで欲しい」

 

「お前は主力メンバーなんだ。こんな所で体力を使うな」

 

注意を促すリヴェリアだがアイズは首を横に振る。

 

「はぁ…わかった」

 

アイズの顔を見て説得は無理と悟ったリヴェリアは諦めた。

そのやり取りを見てフィンが皆に向けては発言する。

 

「編成だけどここにいる僕含め7人は調査隊に同行する予定だよ」

 

「私達も行っていいの?」

 

ティオナはワクワクと少しテンションが上がっている。

 

「正気か?フィン」

 

「冗談でこんなこと言わないさ。もし戦闘になりそうなら即時撤退。ただ、もし異常(イレギュラー)が起きてたら対処が難しいだろうからね万全を期そう。結果次第では、今回の遠征は中止だ。」

 

フィンの言葉で彼らは動き始める。

そして知ることになる。

凶悪である階層無視の攻撃が一切飛んでこないことに。

それに続いてモンスターは一切いない。

そして58階層に降り立った時、ドラゴンの姿は一つも見あたらなかった。

 

「おいおい、どうなってんだこりゃ?モンスターが1匹もいねーじゃねーか!」

 

ベートは信じられないというような表情で言う。

 

「これは恐らく誰かが先に倒した事によるリポップのクールタイムだろうな」

 

リヴェリアは冷静に分析をしたが到底信じられるものでは無いしリヴェリアとて現実味がなくて困惑している。

 

「まさか、さっきの子がやったの…?」

 

ティオネの言葉を最後に言葉を発する者はいなかった。

 

「今回の遠征は中止にしよう。色々調査が必要だ。それにロキにも報告しよう」

 

フィン自身にも判断がつかない。

ただ、団員の命を預かる団長としてはこのまま先に進むのは許可できない。

そうしてロキファミリアは予定を大幅に変更をして帰還するのだった。

 

ーーーーーーーーーー

 

思わず転移でその場を去ってしまった訳だが、多分大丈夫だろう。

一応少しは会話はしたけど、何か分かったか?

 

《はい、彼らは妨害行動を一切取らなかった為以外と簡単でした》

 

そう言うとシエルはこの世界の情報を俺に教えてくれる。

 

ここは迷宮都市オラリオという場所であり、この迷宮(ダンジョン)を中心に栄えているみたいだ。

そして彼らが言っていたファミリアとは、どうやら神の眷属らしい。

眷属になることによってギルドで冒険者登録が出来るようになりこのダンジョンに潜れるのだとか

 

え、という事は今の俺って無資格のヤバいやつになってるよね?

しまった…さっき名乗っちゃったし…

まぁ、何とかなるか

 

よし、ささっと上目指そう

 

それから俺は魔物を見つけ次第倒しては魔石を集めた。

 

やはり上に行くにつれて魔物はすごく弱くなる。

魔石拾う方が時間かかってるなこれ。

 

《ここを上がれば出口と思われます》

 

お、やっとか

長かったな?

俺ってば結構下の方で転移しちゃったんだなぁ…

 

そして俺は外へ出た。

 

おぉー!人が多いな!

パッと見色んな種族もいるし活気があっていいな

 

少し手を伸ばし伸びていると周りの視線を感じる。

ふむ、この仮面が珍しいのか?

 

まぁあんまり注目されるのは面倒だし退散しますか。

さも気にしてないふうに人混みに紛れてそのまま道に出た。

 

やはり、自分の世界でもそうだったけど初めての街っていうのはワクワクするな!

 

とても広い大通りに出た。

 

屋台とかお店とか色々あっていいなこれ。

あれとか美味しそうだし…ってこの世界のお金もってないや

 

くそっ食べたかったのに!

 

頭を抱え込みながら蹲っていると肩に手を置かれた。

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

「え?」

 

後ろから急に声をかけられてびっくりした。

俺の万能感知を掻い潜ってくるなんて何者?

そんなことを考えていると、シエルから敵意がなかった為、報告しませんでしたと言われた。

 

いやいや、ちゃんと報告しよ?

なんか忙しそうに色々調べてるみたいだけどさ!

君なら片手間にできるよね?

 

なんて言っては見たけどシエルは都合が悪くなるとよく黙ったり聞こえないふりをするんだよなぁまったく。

 

今はそんなことよりも彼女に目を向けなければ。

 

「あ、えっと、はい大丈夫です。すみません。」

 

そう言いながら振り向くとショートカットのエルフが居た。

 

わぁ、すんごい美人

やはりエルフはみんな美形なのか…

 

「いえ、こちらこそ急に話しかけてしまって申し訳ない。ただ、お店の前だったもので、思わず声をかけてしまいました。」

 

そう言われ美人エルフの視線の先に目をやると結構大きなお店がある。

 

看板には"豊穣の女主人"と書いてあった。

 

「豊穣の女主人…?」

 

「はい、こちらは私が働いているお店です。とても美味しいですよ。と、そんな事より問題ないようであれば早くどいて頂かないとミア母さんが…」

 

「リュー、何時まで何やってんだい。」

 

店の奥から大きな声が聞こえ目の前の女性は少しビクッとした。

そして店の奥から歩いてくるような音がする。

 

「って、なんだい。まだ居たのかい?いま開店前で忙しいんだ。あんたもさっさとどこか行きな!」

 

店から出てきたのはとても大きな身体の女性だった。

 

「あ、えっと…」

 

俺は次から次へと起こる事に少し戸惑い言葉が出てこなかった。

そこに先程喋りかけてくれた美人エルフが助け舟を出してくれた

 

「ミア母さん、どうやらこの人は今日初めてオラリオに来て困っているみたいです。何とかなりませんか?」

 

まだ何も説明できてないのになんでそれを!

 

「あんたねぇ…はぁ、そこのアンタ付いてきな」

 

俺はミア母さんと呼ばれる人にあれよあれよという間に店の中へ連れていかれてしまった。

 

「時間が無いんだ、聞きたいことあるならさっさと聞きな!」

 

ムスッとしていて少し怖いがいい人そうではある。

 

「えっと…冒険者っていうのになりたいんだけど、どうしたらファミリア?って言うのに加入できるんだ?」

 

「はぁ?そんなことも知らないのかい?簡単に言うと、ファミリアっていうのは神と契約した眷属の組織の事さ。だから、大手ファミリアにもなると入るのは一苦労になるだろうね。神に認めてもらって契約をすれば晴れてファミリアの一員ってわけさ。ファミリアの場所なんかはギルド気聞けばわかるだろうさ。」

 

 

なんだかんだ言ってやっぱり優しい人だった。

でも、この世界には普通に神が居るってことだよな?

すごい世界だな。

やっぱり大きい屋敷の中に居たりとかするのだろうか?

俺はそのまま礼を言って外へ出ようとした時肩をガシッと掴まれた。

 

「ちょっと待ちな?飲食店に来てタダで教えて貰えると思ったら大間違いだろ?何か食べて行きな!お礼の言葉なんて要らないよ。お金、落としてきな!何も知らなくても金は持ってるだろ?」

 

その通りだと思ったが、非常にまずい。

この世界の通貨は持っていないのだ。

俺が持っているのは自分の世界のドワルゴンで造られた金貨のみ。

 

「あ、あの…」

 

「なんだい?お金さえ持ってないのかい?」

 

睨まれる。

やっぱり怖い人か…

 

「えっと…あはは…これならあるんだけど…」

 

俺は自分の懐からここに上がってくるまでに倒してきた魔物からドロップした魔石を見せた。

 

するとミア母さんと呼ばれた大女は目を開いて驚いていた。

 

「あんた!これ、魔石じゃないか!しかもこの魔石は上層や中層で取れるようなものじゃない…お前さん、何者だ?」

 

開かれていた目はスっと細まり睨みつける。

 

「えっと…拾った…とか……?」

 

しばらく無言で俺の事を睨みつけるが諦めたのだろう、はぁとため息をこぼす。

 

「魔石はギルドでしか換金を行ってない。というより、ギルドでの換金が絶対だ。こんな所で広げるんじゃないよこんな大きさのやつ。」

 

「ご、ごめんなさい」

 

これは完全に俺が悪いので素直に謝る。

 

「あんた、見かけによらず強いんだね。その調子ならすぐ金なんて稼げるだろうさ。ただ、このまま帰すって言うのもねぇ…逃げられたらたまったものじゃない。だから、あんたその仮面外してアタシに預からせな。金と交換で返してやる。」

 

そんなんでいいのか?

いや、多分俺の顔を見るのが目的で逃げられた場合に預かった仮面と顔を晒して探すのが目的だろう。

ただ優しいだけの人ではなさそうだね。

でもこれ簡単に複製出来るし、そもそも俺は自分の見た目を変えるなんて造作もない。

まぁでもわざわざ言うことでもないし、ここは大人しく従っておこう。

迷惑かけたのは本当だしね。

 

「わかった。必ず戻ってくるしその時はたくさん注文して沢山食べて飲んでお金を落とすよ」

 

俺はそう言うと仮面を外し手渡す。

 

「あんた、そんなかわいい顔してたのかい。声からも何となく察しはついたけど。」

 

俺が仮面を外した時周りで忙しくしてたウエイトさん達も俺の顔を見るなり声を上げていた。

黄色い声ってやつかと少し嬉しくなったが後から本当にそうだよね?悲鳴じゃないよね?と少し怖くなった。

 

「それじゃ、俺は行くよ。本当に迷惑をかけたな」

 

「対価はちゃんと貰うから気にするんじゃないよ。それよりあんた名前は?」

 

「あ、言ってなかったな。リムル・テンペストだ。俺からも聞いていいか?」

 

「アタシはミア・グランド。ここの店の女主人さ」

 

そして俺らは互いに握手をして、ミアは店の奥に、俺は店を出たのだった。

 

ーーーーーーーーーー

 

さてと、ミアさんとの約束もあるからさっさとファミリアというのに加入してダンジョンに潜らないとな。

加入とか脱退とか簡単に出来るのかな?

でも、いずれ元の世界には帰るんだしずっとは所属出来ないし…あれ、詰んでね?

うーむ、どうしたものか…

 

「そこの君、良かったらボクのファミリアに入らないか?」

 

どうしようかと唸っていた時再び後ろから声がかかり振り向くとそこには黒髪のツインテールの女の子が腰に手を当ててこちらを見ていた。

 

 

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