ベルはロキに言われた買い物を済ませて一人で帰っていた
その時だった
角から出てきた人物とぶつかった
「わ!」
ぶつかった人物は不機嫌そうな顔をしてベルを見ていた
「貴様!アポロン様への献上品を割ってしまうなどとふざけるなよ!」
「わ、わわ、ごめんなさい!!」
「謝るぐらいなら弁償しろ!」
「は、はい!!」
一瞬ベルには男が笑っているように見えた
「一億だ」
「え?」
「一億ヴァリスだ」
「えええええ!?」
「当たり前だろう、これは神酒だ」
「ぶ、分割払いとか…」
「ダメだ一括で払え、無理ならそうだな…ファミリアの仲間にでも頼るか?」
「そ…れは…」
「なら、うちのファミリアに入り働き続けろ、タダ働きでな」
「それは!ファミリアに入ってまだ二週間なので無理です!」
ベルがそう言うと同時に男が蹴りを入れてくる咄嗟に防御するが吹っ飛ばされる
「っ!!!!!」
「ならここで死ね!!」
ベルは話し合いは無理だと察してナイフを抜く
「なんだやる気か?この【太陽の光寵童】と」
「殺されるぐらいなら…!」
数十分後
「がっ!ゲホっ!」
「ははは!!無様だな!さあ止めをさしてやろう!」
「っ!!!」
ベルに向かって【太陽の光寵童】が剣を振り下ろす
ベルにその剣が届く直前に木刀で止められる
「!」
止めた人物は女性であった
「それ以上の暴行は私も看過できんぞ【太陽の光寵童】」
「【疾風】!」
「生きています?少年」
「は…い…」
「邪魔をするな!【疾風】!!」
「幼い子供に暴行を振るような状況を黙って見過ごせと?」
「ちっ」
「貴方、ファミリアは?」
「ろ…き…ファミリア…で…す…」
「【ロキ・ファミリア】!?わかった今から人を呼んでくる」
「は…い…」
ベルはそう返事をして気絶した
【ディアンケヒト・ファミリア】の治療所にて
「うっ…」
「起きましたか」
「あ、アミッドさん…」
「重症のところを【疾風】が運んできたんですよ」
「す、すみません!」
「貴方は患者です、それに元はと言えば因縁をつけられていざこざまで発展したのは【太陽の光寵童】の方が悪いと聞いています」
「でも…」
「確か神酒を割ったと言う話でしたね」
「はい…」
「そもそもLv.3ならそれぐらい避けることも可能です、おそらくわざとぶつかったのでしょう」
「ええ!?」
「ここから先のお話は、フィンさんに任せます後ベルさん」
「は、はい!」
「私の魔法で治したとはいえまだ安静にしていなさい、後三日は動かないように」
「わかりました!」
アミッドは一礼をして部屋から出ていく
変わるようにフィンが入ってくる
「フィンさん!」
「やあ、ベル」
「すいません…フィンさん」
「その謝罪は何に向けたものだい?」
「えっと…僕が因縁をつけられたせいでファミリアに迷惑をかけるかもしれないことに対してです」
「はあ…君は前々から思っていたけど大人びているね、アルフィアとザルドの教育が良かったのかな?」
「あはは…」
「まず最初に君に言っておくことがある」
「なんですか?」
「君は悪くない」
「でも!」
「ファミリアに迷惑をかけたかもしれない?」
「はい…」
「ファミリアは家族だ、家族に迷惑をかけて悪いのかい?」
「!」
「それにだベル負けた時どう思った?」
「……悔しかったです」
「ならベル、どうする?」
「強くなります」
「強くなって?」
「あの人よりずっと強くなって、次は勝ちます」
「ベルからそれを聞けて良かったよ」
「励ましてもらってすいませんフィンさん」
「それとベル、もう一つ話すことがあった」
「なんですか?」
「【アポロン・ファミリア】が
「戦争遊戯?」
「ああ、そこからか、ベル、ファミリア同士のいざこざの解決方法はわかるかい?」
「えっと話し合いですか?」
「はは、そんな優しいものなら良いんだけど良くも悪くも冒険者はガラの悪いものもいる」
「そのために戦争遊戯をするってことですか?」
「そうだ、今回はくじを引いてゲームの内容を決める」
「なるほど?」
「そしてだ、そのくじをさっき引いてきた、アイズが睨みを聴かせながらね」
「内容はなんだったんですか?」
「一騎打ち」
「一騎打ち!?」
「それもベルが指名、相手は【太陽の光寵童】だ」
「それは…」
「ああ、普通なら最悪だけど、君はどう思う?」
「勝ちます」
「はは、心配は不要だったらしい、後負けたらベルは【アポロン・ファミリア】だから」
「へ!?」
「賭けみたいなものだよ負けたら相手の言うことを聞くそれが条件なんだ」
「と、とんでもないですね」
「まあ、戦争遊戯は一ヶ月後だから三日後から、アイズとベートに鍛えてもらうように言っておくから」
「はい!」