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SI研究会の発足について

――その狙いと展望

山口健一(福山市立大学)

2022年9月17日

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はじめに

• SI研究会を発足するようになった経緯

• SI研究会の意義と狙い(特に日本において)

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SI研究会発足の経緯

• 2014年 山口がSSSI(SI学会大会)に参加

→P.ウィリアムズ氏(南洋理工大学)と知り合う

→アジアのSI研究ネットワーク形成の重要性について確認

• 2015年 山口がSI研究者のメーリングリストを作成、ウィリアムズ氏と共有

(2015-17年 山口がSI研究の科研費(基盤C)を申請するも通らず)

• 2017年 山口、鎌田が科研費「二国間交流事業共同研究・セミナー」(南洋理工

大学・京都大学)にメンターとして参加

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SI研究会発足の経緯

• 2017年 不定期のSI研究会の開催(山口・桑原・鎌田)

• 2018年 不定期のSI研究会の開催(山口・鎌田・朝田・高田)

• 2019年 不定期のSI研究会の開催(山口・鎌田・朝田・高田・井口)

(2020-21年 山口がパトリック氏の短期招へい事業(科研)に申請するも通らず)

• 2021年 招へい事業(科研)申請における協力者の先生方から、「SIについての

定期研究会」を望む声があがる

• 2022年 定期のSI研究会の発足

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SI研究会の意義 • 米国(SI発祥の地)や欧州には、SIの学会があり、

さまざ

まな学問分野で活用されている

• アジアにはSI研究者がほとんどいない(日本、香

港、シンガポールのみ)

• 現在

の日本の学術状況において、SIを習得し研究

する機会があまりない →研究大学院におけるSIを専門とする教員の退職 →シカゴ社会学研究会の中断

SI研究会

の重要性

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日本におけるSIの学術的状況

• 日本におけるSIの導入と展開についての学説史的研究がない

→私見として紹介

【社会学】

三隅一成(ミード研究) 船津衛(シンボリック相互作用論)

宝月誠(シカゴ学派社会学)

構造-機能主義への対抗

日本においてSIが普及(1976)

第1回ミード賞受賞

(1978)

ポストモダン思想による

「主体性」「科学」批判

シカゴの伝統としての

SI再評価(2021)

批判的実在論への応答

理論

学説史

次世代の

課題へ

意味学派・解釈学派という括り

→様々な理論と方法の混在 6

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日本におけるSIの学術的状況(CINIIも参照)

【医療・看護・福祉領域】

グラウンデッド・セオリー法の普及(M-GTA含む)

→理論的視角への言及も少し増えてきた

【経営学】

『組織理論のパラダイム』 『組織シンボリズム』(1998 高橋正泰)

(1986 鎌田・金井・野中訳) 『組織シンボリズム論』(2002 坂下昭宣)

SIの理論的視角があまり考慮されず

※世界も同様

後半部(解釈パラダイム、ラ

ディカル人間主義等)は未訳出

後続する理論研究、経験

的研究はほとんどなし

Robert Prusといった組織経営の

SI研究者の未紹介?! 7

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日本におけるSIの学術的状況(CINII調べ)

【教育学】

少しずつ増えてきている

グラウンデッド・セオリー法の普及

【社会心理学・心理学】

ほとんどなし

【文化研究】

ほとんどなし

ほとんど着目されない無用のもの?!

or

これからの発展可能性を信じる?!

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SI研究会の狙い

• 興味のある人が参加できる、SI(プラグマティズム、シカゴ学派社会学含む)の緩

やかなプラットフォーム

→哲学・思想研究、理論研究、学史研究、方法論研究、経験的研究、実践研究、

文献レビュー、データ分析、論文構想(修論、博論を含む)

→中堅・熟達研究者の相互交流・研鑚の場であるとともに、院生や非熟達研究者

が「SIのおもしろさ」を学び技能を身につける場

• 発起人会議という民主的運営方式の採用(年に2回実施)

• 企画者・希望者がいれば共同の科研申請も可(この指とまれ方式)

「シカゴ社会学研究会」中断の影響

(ただしメインはSI)

科研申請(短期招へい

事業)の狙いの踏襲

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SI研究会の展望

日本の様々な学問分野において、SIに関する研究(特に経験的研究)が蓄積されること

日本のみならず、アジアや世界の学界に打って出ることのできるSI研究者を生み出す

→アジアや世界のSI研究者とのネットワークの形成と交流へ

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