Angel Garden

天使や子供をテーマにした世界の絵画、彫像、写真作品をご紹介!

三人組の天使

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以前、日光東照宮の三猿を例に挙げ、3という数字は多くの事柄に関係している非常に効率の良い数字だという話をしたことがありました。(該当記事)

日本の慣用句や熟語に「三」が付くものが多いのはそれだけ3という数が特別な意味を持つからだと思いますが、人のまとまりである「三人組」も有名どころを数えたらキリがないほどです。

芸能界や音楽界にはたくさんの三人組(グループ)がいて、漫画やアニメ、小説や映画にも三人組という概念は多いですね。
たくさんの登場人物がいる物語でも、主要なストーリーはだいたいトライアングル状態で話が進みます。

3人で戦う戦隊ヒーロー。
3人で歌うアイドルグループ。
3人で笑わせるコントやトリオ漫才。
三角形が一番安定しているように、人間も三人組が一番安定しているように思います。

画像出典:Kids and the sea...
Copyright : Anna Savenko


【友達三人組】

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左側は男の子の三人組、右側は女の子の三人組。
どの写真も仲の良い友達と水辺で遊んでいるシーンです。

人間の活動において三人組が効率的なのは確かだと思いますが、同じタイプが集まってしまうとそれはそれで問題が生じることもあります。
「類は友を呼ぶ」とは言いますが、同じ性質を持った集団がトラブルを起こしやすいのは昨今の報道を見ても明らかです。

子供のうちは様々なタイプの子と友になることが大切。
違いがあるからこそ手を差し伸べたくなります。
互いに足りないものを補ったほうが、人間は安定するんですね。

画像出典:2005年〜2010年頃のウェブサイト
Copyright : Stichting Naturistische Uitgaven(2枚目)


【兄弟姉妹の三人組】

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「一姫二太郎」という諺があります。
これは最初に生まれる子は女の子が良い、二番目の子は男の子が良いという意味。
子育てに不慣れなうちは育てやすい女の子で経験を積み、子育てに慣れてから難しい男の子を育てたほうが良いというのが理由だそうです。

じゃあ三番目は?となると、それは各家庭でご自由に。
三番目の子に大らかな性格の子が多いのは、その子を育てる頃には子育てにも余裕ができるからでしょうね。
最初の子が子育てを手伝える年齢になることも余裕が生まれる理由です。

ちなみに私は妹が二人いる三人兄妹です。
昭和の時代は子供が3人の家庭はどこにでもありましたが、今はひとりっ子が多いですね。
厚生労働省の2022年の調査によると、各家庭の子供の数で最も多いのは「1人」で49.3%、「2人」は38.0%、「3人以上」は12.7%でした。

画像出典:
zwembadjong(1枚目)
Copyright : Tom & Katrien
3D5A0831(4枚目)
Copyright : Michael Ge


今回は三人組の子供たちについての考察でした。
修正しなくても良いように後ろ姿のみを選びましたが、三人組の後ろ姿というのも絵的に見栄えが良いものですね。
どの写真も額に入れて飾っておきたくなるくらいです。

それはこの構図が絵画のようにバランスの良さを感じさせるからでしょう。
顔が見えていない分、喜怒哀楽を考えさせる余地があるのも作品としての魅力です。

今の日本では子供が3人以上いる家庭は少ないので、なかなか天使三人組の写真は撮れませんが、親戚の子が集まったときにでもこのような写真を撮影しておくと、きっと家宝になると思いますよ。


関連記事:三者三様

彫像「L’Enfant à la Vague」

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フランスの彫刻家、クレマン・ダスタニエール(Clément d'Astanières/1841-1917)による1886年の作品「L’Enfant à la Vague」
フランス北部の都市、ドゥエにある「シャルトルーズ美術館」が所蔵している、高さ120cmの大理石像です。

タイトルは「波の上の子供」という意味。
男の子が海の波打ち際で遊んでいるシーンですね。
滑り落ちないように怖々と、それでいて水面にギリギリまで近付きたい、そんな心情が表れています。

固くゴツゴツとした岩場と、柔らかでしなやかな体の対比が面白い作品です。
それを同じ素材で表現しているのですから、今更ながら彫刻家の技術には驚かされます。

幼いながらも均整のとれたこの少年。
モデルが誰なのかは不明ですが、ダスタニエールには子供がいなかったので息子ではないようです。


作者のダスタニエールは軍人の家系に生まれながらも、絵画や彫刻に情熱を注いだフランスの彫刻家。
パリで芸術を学んだ後に軍隊に所属し、1860年に大戦の連隊に加わってウィーンの守備隊に就き、その後騎兵学校へと進みました。

しかし彼は1870年の普仏戦争(フランスとプロイセン王国の間でおこなわれた戦争)にて負傷し、ドイツ軍の捕虜となってしまいます。
その後フランスに送還されて1871年にジョルジュ・ムートン将軍の孫娘と結婚しますが、芸術に専念するため1875年に軍隊に辞表を提出。

芸術家としては遅咲きですが、1982年に初めて金メダルを獲得し、その後もサロンやパリ万国博覧会など、多くの展覧会で賞を獲得しました。

彼は晩年リウマチに苦しみ、1900年にフランスの漁港の町カップブルトンに安住の地を求め、亡くなるまでそこで暮らしたそうです。
現在もカップブルトンの墓地に静かに埋葬されています。


出典:Bl-lit - L’Enfant à la vague, exp.1886
File:L'enfant à la vague Salon 1886 d'Astanières.jpg
ライセンス:パブリックドメイン
(ウィキメディアの画像は低解像度版です)

写真「Ragazzi con tacchino」

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ドイツの写真家、ヴィルヘルム・フォン・グレーデン(Wilhelm von Gloeden/1856-1931)による1895年頃の写真作品「Ragazzi con tacchino」

「七面鳥と少年たち」と題されたこの写真は、イタリア半島の南にある地中海最大の島、シチリア島のタオルミーナにて撮影されました。

七面鳥に餌を与えている兄の前で弟が横たわっているというシーン。
日光浴でもしていたのでしょうか。
多少の演出はありますが、当時シチリア島に住んでいた人々を撮影した写真であり、歴史的にも貴重な記録です。

原板のプリントは縦15.2cm横20.8cmで、今でいうキャビネ版よりも少し大きいサイズ。
アメリカのカリフォルニア州にある「J・ポール・ゲティ美術館」が所蔵しています。


画像出典:ウィキメディア・コモンズ
File:Gloeden, Wilhelm von (1856-1931) - n. 0219 recto - Ragazzi con tacchino - Aste La Rosa.jpg
ライセンス:パブリックドメイン

ダニーとソニーの造形比較【水着】

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Copyright : DannyDream.com/Tinymodel-Sonny.info

筋肉や脂肪の付き方、各部位のバランスなど、体形をチェックするなら何も着ていない状態が最適です。
だからこそ昔の身体検査は全裸でおこなっていたわけです。

しかしダニー君とソニー君はあくまでも着衣のモデル。
通常の衣服かスポーツウェアの画像しかありません。
スポーツウェアは比較的体形がわかりやすく、その中で最も肌を隠さないのが水泳のウェア、つまり水着です。(最近の水着はそうでもありませんが...)

今回は水着姿のダニー君とソニー君を造形比較してみたいと思います。
左側がダニー君、右側がソニー君。


【青いトランクス水着】

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日本でいうトランクス、海外ではボクサーズ(Boxers)と呼ばれているタイプのパンツ。
ショートパンツや短パンとも言い、下着との違いが曖昧ですが、水着は水に濡れても透けない丈夫な素材なのでしょう。

さて前回のシングレットと違い、水着なら上半身全体を見比べることができます。
この撮影時、体脂肪率はソニー君のほうが低そうですが、健康そうな肉付きをしているのはダニー君ですね。

もちろん肉付きが良いイコール美しいではありませんが、骨格が発達していない子供の場合、造形美にはある程度の肉付きが必要です。
大胸筋辺りもダニー君のほうが豊かな印象を受けます。

腕の形、脚の形、顔立ちなどはどちらが優れているということはないので、これはもう好みですね。
私はダニー君の柔らかそうなお腹に癒しを感じました。


【赤いボクサーショーツ】

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これは水着なのかはっきりとはわからないんですが、下着ならボクサーブリーフと呼ばれているパンツ。
これも同じ商品の使い回しでしょう。

トランクスのようにブカブカではなく、本来ならフィットするタイプです。
ソニー君は腰回りが細いのでパンツに少しシワがよっています。
見た目を格闘技選手に例えると、ダニー君はMMA選手、ソニー君は細身の柔術家って感じかな?

背中側にも肉付きの違いが表れていますね。
ダニー君はウェストのすぐ下(胸腰筋膜の辺り)からすでに膨らみがあり、背中の僧帽筋から広背筋、そして大臀筋にかけて適度な厚みを感じますが、ソニー君はお尻の辺りでやっと膨らみを感じる程度です。

まぁこれもどっちが美しいという話ではないのですが、細かな違いを探すのも面白いですね。
おへその形も違います。


【迷彩柄のビキニ水着】

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ミリタリー好きが買いそうな迷彩柄のビキニ水着。
戦場では役に立ちそうにありませんが、美しさの披露では役立っているようです。
これも柄の位置が完全に一致しているので同じ水着を使い回しているのだと思います。

体全体の形がわかりやすいように全身の画像を選んでみました。
ふたりとも胸の部分が隠れているので上半身の比較はできませんが、下半身の違いはハッキリわかりますね。
ダニー君のほうが腰、脚ともに太い。

太いと言ってもわずかですが、そのわずかな差が全体のバランスに影響を与えています。
ダニー君は腰の輪郭が台形状で骨盤まわりに存在感があり、そのため腰に手を当てるポーズも様になっており、全体のバランスも良さそうです。

ソニー君は腰の輪郭がほぼ平行、つまり腰幅が狭く、上半身から脚までが一体化しているような印象。
お尻が小さく脚も細めなので、この撮影時にはちょっと安定感に欠ける弱々しい印象がありますね。

日本では昔から細くて長い足を「カモシカのような足」と言っていました。
元々はガゼルやインパラのような羚羊(れいよう)の足に似ているという意味だったそうですが、ソニー君はまさにそれ。
しかし細過ぎれば膝やくるぶしの出っ張りが目立ちますし、細ければ良いというわけでもなさそうです。


【赤いタンガ水着】

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最後はタンガ水着です。
ビキニの中でも布面積が小さく、ボディアート系のパフォーマーにも愛用されている水着。
Tバックであれば大臀筋の形もわかりやすかったんですが、ふたりともTバックを着用した画像はないようです。

ダニー君ソニー君ともに肌の綺麗さは折り紙付き。
寝そべったポーズからはまるでなだらかな砂丘のような優美さを感じます。
背中の写真では、逆光気味なライティングで輝いているダニー君の産毛が綺麗ですね。
ソニー君の金髪と青い瞳も宝石のような美しさを放っています。

ふたりの体型に大きな違いはありませんが、各部位の肉付きにわずかな差があり、それがポージングによって体の凹凸、つまり体形の違いとして表れています。


今回もスタジオモデルのダニー君とソニー君の画像から、同じ水着、同じポーズをセレクトして造形比較してみました。

人間の形も千差万別。
もちろん人の美しさは主観ですので、この記事では決してモデルの質を論じているわけではなく、あくまでも外観の違いを抜き出しているに過ぎません。

私はふたりの微妙な違いを考察することで、どちらの美しさにも魅了されました。

Copyright : DannyDream.com/Tinymodel-Sonny.info


関連記事:ダニーとソニーの造形比較【シングレット】

ダニーとソニーの造形比較【シングレット】

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Copyright : DannyDream.com/Tinymodel-Sonny.info

人物絵画や人体彫刻を制作するうえで資料となるのが実際の人間であり、そのためのモデルが存在しています。
また写真作品を作るためのモデルも世の中にはたくさんいます。

殺風景なスタジオで水着姿などを披露するモデルは、まさに人体に特化したモデルであり、すなわちそのモデル自体が芸術作品であると言えるわけです。

当ブログでは以前、彫像と人間の造形を比較する考察をおこなっていますが、今回は人間と人間で造形比較をしてみたいと思います。
もちろん実物ではなく、写真に写っている人間を比較するということです。

さて誰と誰を比べてみようか?と思ったとき、ふと浮かんだのがスタジオモデルのダニー君とソニー君。
このふたりは撮影時の年齢が同じくらいで、ポーズにも共通点があるので比較するには最適。
しかも名前も似てますね。

彫像の造形比較のときは、彫刻家がいかに人間の形を再現したか、つまり造形技術の考察でしたが、今回はどちらも生身の人間ですので、その形をそれぞれの個性として考察していこうと思います。
良し悪しを決めるための比較ではなく、微妙な違いを理解するための比較です。

同じ衣装でほぼ同じポーズの画像は、いくらスタジオモデルでもそう多くはありません。
しかし1回では紹介しきれない数になってしまったので、2回に分けることにしました。

今回はアマチュアレスリングのユニフォームである「シングレット」を着ているダニー君とソニー君です。
左側がダニー君、右側がソニー君。


【銀色のシングレット】

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肩紐の長い、ローカットタイプのシングレット。
派手やかな銀色をしており、実際の試合で使うユニフォームではないと思います。

少年の場合は水着のほうが上半身の体形がわかりやすいのですが、シングレットも悪くはありませんね。
このシングレットはたぶんどちらも同じもの、つまり使い回しだと思います。

立ち姿の写真を見ると、ダニー君のほうがシングレットにシワが少なく、突っ張った状態になっています。
つまりこの撮影時にはダニー君のほうがソニー君よりも背が高かったということです。

ふたりとも中肉中背で、9歳以下の男の子の標準的な体型ですが、それぞれに個性はあります。
ダニー君はたぶん性格もそうだと思いますが、スポーツ好きの健康な少年といった感じ。
ソニー君はちょっと華奢で、おとなしめな印象があります。
運動よりも頭脳系の趣味を好みそうな秀才タイプといった感じ。

でもこれは私が感じた印象なので、実際はまるで違うのかもしれません。


【金色のシングレット】

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こちらは金色のシングレットを着用しているシーン。
この衣装も使い回しかと思いましたが、よく見ると襟の切り込みの深さが違うので別々なシングレットですね。
それぞれ体のサイズにあったものを用意したのかもしれません。

こういう金銀のシングレットがスポーツ用品店に売っているのかはわかりませんが、パーティーなどで衣装としても使うのも面白そう。
ふたりとも撮影に慣れた頃なのか、表情にも余裕がありますね。

見比べてみるとわかりますが、ソニー君のほうが肌が色白です。
このへんもスポーツ好きなダニー君、秀才のソニー君というイメージどおりな気がします。
でも繰り返しになりますが、私が勝手にそう思っているだけですので。


【緑色のシングレット】

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ちょっとサイズが合っていない気もしますが、緑色のシングレットを着用しています。
一番上の銀色のシングレットの頃からは数年が経っているのでしょう、ダニー君はちょっとソフトな印象になり、ソニー君は王子様度がさらに上がったって感じですね。

成長ホルモンが体形に作用し、腕や脚、胸や腰などが良い具合に形作られてくる年齢です。
ソニー君の体格もだいぶ大きくなり、このときはふたりともほぼ同じ身長・体重だと思います。

多くの少年モデルの中で、このふたりには最初に見たときから何故か似た雰囲気を感じました。
あまり大きな違いを感じさせないふたりですが、そこにも微妙な差異があるからこそ、美術品を鑑賞するような奥深さがあるんですね。

ふたりともシングレットが似合うかどうかはともかく、彫刻作品なら間違いなく美術館で展示するべき美しさ。
児童期という限られた時間の中での、成長という生命活動のなせる技。

衣装がビキニだったら見える範囲が広いので、もっと双方の個性が発見できたかもしれません。
今回はふたりの肌の綺麗さにだいぶ癒されました。


以上、シングレットを着用したダニー君とソニー君の造形比較でした。
次回は水着編です。

Copyright : DannyDream.com/Tinymodel-Sonny.info


関連記事:ダニーとソニーの造形比較【水着】

今日は何の日?「国際子どもの本の日」

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本日4月2日は「国際子どもの本の日」です。
ミュンヘン国際児童図書館の創設者で国際アンデルセン賞の第1回受賞者であるイエラ・レップマンの提唱により、スイスのバーゼルに本部を置く「国際児童図書評議会」(IBBY)が1967年に制定した記念日。

子供の本を通して国際理解を推進することが目的。
デンマークの童話作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセン(Hans Christian Andersen/1805-1875)の誕生日である4月2日にちなみ、この日となりました。

日本では国際児童図書評議会の日本支部である「日本国際児童図書評議会」(JBBY)がポスターとメッセージの日本語版を作成し、同会のウェブサイトで公開や各地の公共図書館への配布をおこなっているそうです。

本といえば、インターネットやスマートフォンの普及により、子供たちが本を読む機会が減ったという話をよく聞きます。
もちろん子供だけでなく我々大人も、昔ほどは本を読まなくなっています。

媒体が何であれ、文字を読んで情景を思い浮かべる、または挿絵を見てそこから頭の中に情景を広げる、という作業は子供たちの脳の発育に大変有効です。
テレビ等の映像はそれはそれで楽しい娯楽ですが、小さいうちは絵本などの児童書からたくさんのことを学んでほしいですね。

もちろん本の種類がその子の性格に合っていることと、親による補足説明が重要であることは言うまでもありません。


画像出典:2014年頃のFlickr

フランク・ブラングィンの絵画と写真作品

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イギリスの芸術家、フランク・ブラングィン(Frank Brangwyn/1867-1956)による1924年の絵画作品。

この画像は印刷物(書籍)をスキャンしたものだと思います。
元の作品は油彩ですが、ウィキメディアにはこの画像しかありませんでした。

腰巻きを巻いた少年が庭でカゴを持って立っているという絵。
フランク・ブラングィンは最初にモデルの写真を撮り、それを元に絵を描くという手法をとっていました。

彼の作品は幅広く、油彩画、水彩画、デッサン、版画、彫刻、イラスト、家具・食器・カーペット等のデザイン、建物や内装の設計などにも及びます。
肩書きが画家ではなく芸術家なのはそのためでしょう。


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これはブラングィンが撮影した写真作品。
絵画や彫像の制作資料として撮影された写真です。
よく見るとプリントの表面に定規とペンを使ったと思われるマス目が描かれています。
マス目を描くことにより、キャンバスに正確に模写できるわけですね。

小道具が無造作に置かれているのでたぶん工房で撮影したのでしょう。
モデルは雇ったのか身内で済ませたのか定かではありませんが、彼には子供がいなかったので息子ではないようです。


ブラングィンは1867年にベルギーのブルッヘで生まれ、7歳の頃に一家でイギリスに移り住みました。
彼は正規の美術教育を受けたことはなく、ほとんどを独学で学んだそうです。
17歳の頃に作品がロイヤル・アカデミー夏季展で認められ、芸術家を強く志すようになりました。

彼は船の甲板員として働きながらイスタンブールや黒海を旅し、多くの絵画やスケッチを描きました。
1895年にパリの美術商からアール・ヌーヴォーの外観装飾の制作を依頼され、その頃から壁画やタペストリー、カーペット、ステンドグラスのデザインを手掛け始めます。

本国イギリスでのブラングィンに対する評価は微妙でしたが、ヨーロッパやアメリカではデザイン性が高く評価され、優れた芸術家として認められるようになりました。

1900年から1937年までロンドン西部のハマースミス地区に住んでいましたが、1924年に妻が他界。
1941年に国から騎士の称号を授与され、1956年6月11日にサセックス州の自宅で亡くなりました。


画像出典:ウィキメディア・コモンズ
File:The decorative art of Frank Brangwyn 1924 (151859237).jpg(トリミング)
ライセンス:パブリックドメイン
写真画像出典:Bl-lit - BRANGWYN Frank, sir William(現在はサイトがありません)

アマゾンの天使たち

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アマゾンの先住民、クイクロ族の少女

世界には「先住民」(先住民族)と呼ばれる人たちがいます。
植民地化以前からその土地に住んでいた人々やその子孫を指し、代表例としては南北アメリカ大陸の「インディアン」「インディオ」、北極圏の「イヌイット」、オーストラリアの「アボリジニ」、ニュージーランドの「マオリ」、日本の「アイヌ」など。
現在世界には少なくとも5,000の先住民が存在するそうです。

そのほとんどは現代の文明と共に暮らしているわけですが、中には今でも古来の生活様式を続けている民族もいます。
そのひとつが南米アマゾンの人々。
正確には南米大陸にあるアマゾン川流域に住む部族のことですが、現在アマゾンの熱帯雨林には約200の部族が暮らしていると言われています。

「アマゾン熱帯雨林」は南米大陸のアマゾン川流域に大きく広がる、世界最大の面積を誇る熱帯雨林。
地球上の熱帯雨林の約半分に相当し、略してアマゾンと呼ばれています。
7カ国が含まれていますが、そのうち60%はブラジルです。

今回はアマゾンの部族の一部をご紹介しながら、アマゾンの天使たちについて考えてみたいと思います。

画像出典:Lilika Kuikuro
Copyright : Rita Barreto


【ヤノマミ族】

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ヤノマミ族はアマゾンの熱帯雨林からオリノコ川にかけて広く居住している南米の先住民族。
狩猟と採集を主な生活手段にしている部族です。

ブラジルとベネズエラの国境付近に住んでおり、人口は1990年の時点でブラジルに約10,000人、ベネズエラに約15,000人。
現在は3万人前後となっており、南米アマゾンの部族の中では最大規模の先住民集団です。

彼らは巨大な木と藁葺きで作られたシャボノと呼ばれる家に住み、衣服はほとんど着ませんが、初潮を経た女性は腰巻きを身に付けるそうです。
主な食物は、動物の肉、魚、昆虫、キャッサバなど。

祭りでは鼻と口に棒を刺し、カラフルな羽などで着飾ります。
ヤノマミ族の女性は平均14歳で母となるそうです。

画像出典:
CATRIMANI 442
Copyright : Gabriel Leitão
Untitled
Copyright : Guilherme Gnipper


【エナウェネ・ナウェ族】

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エナウェネ・ナウェ族はブラジルのマットグロッソ州のイケ川近くの大きな村に住んでいる先住民族。
比較的孤立した民族で、1974年にスペインのキリスト教宣教師であるビセンテ・カニャス(Vicente Cañas)が初めて平和的に接触したと言われています。

彼は10年以上エナウェネ・ナウェ族と暮らし、必要な医療物資を援助したことにより、当時97人しかいなかった人口が2012年には566人、2014年には737人にまで増えました。

エナウェネ・ナウェ族は農業、漁業、採集をおこなって暮らしており、狩猟はせず、肉は魚の白身しか食べないそうです。
髪の毛の前を切り揃え、後ろは伸ばしたままという独特なヘアースタイルが特徴です。

画像出典:Enawene-Nawe
Copyright : Leo Wery(2枚とも)
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


【カヤポ族】

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カヤポ族はブラジルのパラ州とマットグロッソ州、シングー川の支流に沿って広がる広大な地域に居住する先住民族。
2018年の時点で約8,600人のカヤポ族が存在していました。

彼らは体全体を覆う黒いボディペインティングをしますが、これは祖先が昆虫から社会を学んだと信じているために、昆虫を模倣しているのだそうです。
カヤポ族の男性は伝統的に下半身を鞘(さや)で覆っていましたが、現代はショートパンツのような衣服も着用するそうです。

子供たちは部族を象徴する色の布や、ビーズで作られた帯を着用します。
前頭部の髪の毛を剃っている子も見受けられます。
右の写真の女の子はピンク色のショーツを穿いており、子供たちの服装も近代化しているようですね。

画像出典:
kayapo Metuktire
Copyright : Serge Pierre Guiraud
Kayapo
Copyright : Serge Guiraud


【クイクロ族】

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クイクロ族はブラジル中央部のシングー川の上流域に暮らす先住民族。
人口は2002年には450人でしたが、2010年には592人に増加しています。

彼らはシャーマニズムを重視しており、巨大な笛などの楽器を使用する音楽が特徴です。
シャーマニズムとは『トランスと呼ばれる特殊な心的状態において、神仏や霊的存在と直接的に接触・交渉をする、占い・予言・治病・祭儀などをおこなうシャーマンを中心とする宗教現象』のこと。
要するに降霊術を伴った祭儀をおこなっている民族ということですね。

クイクロ族は他の部族と多くの類似点があります。
女の子は後述するヤワラピティ族やカマユラ族と同じ髪型をしており、腰から足首にかけて独特な線模様を描き、腰には毛糸やビーズの帯を巻いています。

画像出典:untitleduntitled
Copyright : Bruno Rezende3


【ヤワラピティ族】

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ヤワラピティ族はブラジルのアマゾン川流域に住む先住民族。
現在のヤワラピティ村はトゥアトゥアリ川とクルエネ川から6キロメートル離れたイパブ湖の周辺に位置しています。
人口は1954年には25人でしたが、2011年には156人となっています。

ヤワラピティ族は、キアビ族、ユジャ族、スヤ族とともにアッパー・シングー地域に暮らしています。
これら4つの部族は言語が異なりますが、生活様式が非常によく似ています。

右側の写真ではボディペインティングをした男の子が川で遊んでいますが、このペイントはちょっと水に入っただけでは落ちないんですね。

画像出典:Yawalapiti children play in the Xingu River, Brazil(右)
Copyright : Thomson Reuters Foundation


【カマユラ族】

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カマユラ族はブラジルのマット・グロッソ州北部、シングー川の上流域に住む先住民族。
現在は約300人が先住民保護区であるシングー国立公園に住んでいます。

漁、採集、狩猟、農耕を営み、キャッサバ、トウモロコシ、サツマイモ、豆類などをおもな食糧としています。
カマユラという名前は「肉や鍋を置くための高台」を意味するそうです。

写真を見ると男女が一緒にいるシーンが少ないのですが、どうやらカマユラ族は思春期を迎えると男女で生活を分けられるそうです。

男の子は矢で食べ物を狩る方法、労働や戦闘訓練、リーダーシップのスキル、ウカウカと呼ばれるレスリングなどを教えられます。
女の子はマットの織り方や基本的な日常の家事、家族の世話の仕方を学び、結婚の準備が整うと新しい名前が与えられて耳にピアスが開けられます。

日常生活では服を着ている子供も多く、彼らの生活様式も少しずつ変わってきているようです。

画像出典:2020年頃のFlickr
Copyright : Gustavo Neri


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Copyright : Gustavo Neri

以上、アマゾンの先住民について考察してみました。

アマゾンにはこれ以外にも数多くの部族が存在し、それぞれ自分たちの伝統を守っているわけですが、部族全体に共通する問題として常に議論されているのが「環境破壊」です。
とくに深刻なのが森林伐採であり、現在のアマゾン熱帯雨林は1967年頃と比べて20%も減少しているそうです。

文明国の飽食により畜産の需要が増え、その家畜の餌を確保する土地開発のためにアマゾンで森林伐採と野焼きがおこなわれているのです。
このまま行くと二酸化炭素の排出量が極端に増え、地球温暖化がさらに進むという懸念があります。

部族の人たちの体型を見る限り飢えている様子はありませんが、伐採業者が持ち込んだウィルスにより感染症を患い命を落とす先住民がいる、という話もよく聞きます。

アマゾンの未来を守ることは、そこに暮らす子供たちを守るということ。
我々が直接できることは限られていますが、ひとりひとりが地球環境を意識し、多くの企業が率先して自然保護に注力することで、アマゾンの環境破壊を少しでも減らすことができるのではないでしょうか。

大切だと思うことから、守ることが始まります。

窓辺の天使

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あれは私がまだ若かりし頃。
家が立ち並ぶ細い路地を歩いていると、目の前に小さな天使が現れました。
とある家の前にビニールプールが置いてあり、そこで3歳と5歳くらいの姉妹が裸で遊んでいました。

車の来ない場所だったので親も安心して遊ばせていたんでしょうね。
日差しの強い暑い日でしたが、天使たちは屈託のない笑顔で元気な声を響かせていました。

またあるときには、これは別な場所ですが、外から窓越しに天使が見えたこともありました。
昔はエアコンのない家が多かったので、夏場に家の中で裸になっている子も多かったようです。
そこを通り過ぎるまでの数秒間は、まるで額縁付きの絵画を見ているようでした。

今の日本にはそんな大らかさは無く、また防犯的にも家の中の天使が外から見えてはいけません。
でも窓辺に天使がいる光景は、ひとつのアートと見なしても良いくらい清々しいものです。

画像出典:2020年頃のFlickr


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例えばこれは海外のファミリー写真。
左の女の子はノートPCのようなオモチャで遊んでいますが、暑いのか、パンツを穿いていません。
窓のすぐ外が歩道になっており、そこを歩く人からお尻が丸見えですね。
でもこの子は気にもしていないようです。

右の女の子はママのお手伝いでしょうか、窓拭きをしています。
窓の向こうは屋根なので、通行人から見られる心配はなさそうです。
でも鳥たちがやってきて話しかけてくるかも。

画像出典:2008年〜2012頃のFlickr
Copyright : dob(左)


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こちらはお外が気になる小さな天使たち。
まだまだひとりで遊びに行ける歳ではありません。

お外に向かってエンジェルスマイル。
きっと道ゆく人も笑顔になることでしょう。
かつての私のように。

画像出典:
I will conquer the world
Copyright : Rikard Rodin
P23-08-09_08.29
Copyright : Nicolaj Dannemann & Marie-Luise Lubich

絵画「Badende Knaben」

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ドイツの画家、クリスティアン・ランデンベルガー(Christian Adam Landenberger/1862-1927)による1913年の作品「Badende Knaben」
高さ112cm、幅84cmのキャンバスに描かれた油彩です。

4人の少年が川に入って遊んでいる情景。
色違いのボーダーパンツを穿いている奥のふたりは魚を捕ろうとしていて、ボートの上にいる少年は休んでいるのかな?

しかし主題はやはり手前の少年でしょうね。
少しうつむきながら丘に上がろうとしています。
手を顔に当てているのはたぶん日差しが眩しいからでしょう。
すぐ横にある草の影が足に映っていることから、ほぼ真横からの日差し、つまり夕方であることがわかります。

日暮れ近くまで遊んでいる少年たちの素朴な日常。
演出感のないこのような絵画も、人間と自然の大切さを思案するには良い作品です。


作者のクリスティアン・ランデンベルガーはドイツの画家。
バーデン=ヴュルテンベルク州のエビンゲンで生まれ、1879年からシュトゥットガルトの美術アカデミーで学び、その後ミュンヘン美術院で学びました。

彼は1890年に初めてミュンヘンの国際美術展に出展し、1892年に「ミュンヘン分離派」の創立メンバーとなります。
1899年から1905年までミュンヘン芸術家協会の女子美術学校にて絵画教師を務め、1905年からはシュトゥットガルトの美術アカデミーにて新しく設けられた「絵画技術」の教授を務めました。

彼はドイツにおける外光派の先駆けとなったひとりでもあります。
「外光派」とは、日光に照らされた自然の色彩を直接描写するため屋外で制作する画派の総称。

彼も1893年から1915年頃までは、屋外で少年の絵をよく描いていたそうです。
この作品もその頃に描かれたものですね。


画像出典:ウィキメディア・コモンズ
File:Christian Landenberger - Badende Knaben (Dingelsdorf) II (1913).jpg
ライセンス:パブリックドメイン

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このブログについて...
子供は本来この世界における夢であり希望であり、その姿は大人にとってノスタルジーや心の潤い、癒しの対象でもあります。
古くから子供の姿は愛すべきものとして認識され、絵画や彫像、写真等で様々に表現されてきました。
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当ブログでは天使や子供をテーマにした世界のアート作品をご紹介しています。
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RUKA
著者について...
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名前:RUKA
性別:男性
国籍:日本
出身:埼玉(生まれは宮城)

20代の頃に仕事で幼稚園に出向いたのを機に子供の笑顔写真を撮り始める。
1999年に「The Light of Smile 笑顔の灯り」という子供の笑顔をテーマにしたウェブサイトを開設。
サイト終了後はこのブログで世界の天使像を紹介している。
6人の甥と姪の伯父さんでもある。


メールアドレス: rukachas@gmail.com
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