メーガン妃、新ポッドキャストでまたもや「衝撃の告白」。だが世間の反応は…

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
写真:ロイター/アフロ

 メーガン妃によるハリウッドでのキャリア立て直し作戦が続いている。先月のNetflixのシリーズ「ウィズ・ラブ、メーガン」配信開始、先週の「As Ever」発売開始に続き、アメリカ時間8日には、新たなポッドキャストがデビューした。

 メーガン妃は、かつてSpotifyでポッドキャスト「Archetypes」を制作し、司会を務めていたが、2年間に12回分しか届けない生産性の低さに愛想をつかされ、契約を切られた。新たなパートナーとして手を挙げてくれたのは、2019年に創設されたLemonada Media。番組のタイトルは「Confessions of a Female Founder」。成功した女性に話を聞くフォーマットは、前回とそう変わらない。

 初回のゲストは、マッチングアプリ「Bumble」の創業者ホイットニー・ウルフ・ハード。メーガン妃とハリー王子の家に招待された話や、メーガン妃の出産時(上の子か下の子、どちらの出産時かはわからず)にまだ知り合いではなかったと話していることから、そう長い友人ではないようである。

「Archetypes」では、せっかくゲストに来てもらいながら、メーガン妃がすぐに自分の話に持っていくことも批判されていた。だが、今回は、ハードがよくしゃべる人のせいもあってか、メーガン妃も番組の最後で「事前に聞くべきことを書き出してきたのに、それを見る暇もなく、ひたすらおしゃべりになってしまったわね」と語ったように、ゲストの話が中心となっている。

 それでも、およそ45分の会話の3分の2が過ぎた頃、メーガン妃は、話題をかっさらう“隠し球”を出してきた。彼女には、出産後、妊娠中毒症に苦しんだという秘密があったというのである。

「当時はお互いを知らなかったけれど、私たちは似たような経験をしたのよね。産後の妊娠中毒症。とても稀で、とても怖い。そんな中でもいろんなことをこなさなければならないの。世の中の人は、見えないところで何が起きているのか知らない。私たちは外に出ていかないといけない。でも、これは深刻な健康上の恐怖なのよ」とメーガン妃。それに対し、やはり妊娠中毒症に悩んだというハードは、「そう、生きるか死ぬか(の問題)。すごく恐ろしい」と相槌を打った。

同じ体験をした女性たちからも共感を得られず

 メーガン妃は、長女リリベットちゃんを妊娠する前に一度流産していたことを、Netflixのドキュメンタリーシリーズ「ハリー&メーガン」(2022)の中で明かしている。ハリー王子は、メディアが与えたストレスのせいだと責めていた。それは、このシリーズに用意されていた“隠し球”のひとつだったが、妊娠中毒症について語られたのは、今回が初めてだ。

 なぜ、この話はこれまで持ち出されなかったのか。「ハリー&メーガン」配信開始の翌月に出版されたハリー王子の回顧録「Spare」にもいくつか”隠し球”があったように、夫妻は過去にも計算しながらネタを小出しにしてきた。これもまた「将来的に」と取ってきた話なのか。あるいは、同じ経験をしたハードが相手なら話せると、今になって打ち明けようと思ったのだろうか。

 いずれにせよ、人々の反応は、優しくない。

 ソーシャルメディアには、「王室関係者がこんなことを今まで隠し通せたなんて、ありえる?」、「彼女はもともと高齢出産でリスクが高かった。この話が本当なら、医師はすぐ表に出ることを禁止しただろう。(健康問題で同情を集めている)キャサリン妃とチャールズ王に打ち勝とうとしているだけ」、「前のポッドキャストも、最近の(Netflixの)シリーズもコケたから、女性によくある問題を出してきて同情を買おうとしているんでしょう」、「プライバシーが欲しいと言いつつ、誰にも聞かれていないのにわざわざこういう話をするとは」などといった辛辣な言葉が並ぶ。また、実際に妊娠中毒症を経験した女性からも、共感をもらうどころか、「現実を知らない」という反感のコメントが寄せられている。

 妊娠中毒症に直面したのが最初の出産か、2回目なのかについて、メーガン妃は言及していない。

今後の回にも話題を呼ぶ”隠し球”はあるのか

 このポッドキャストは8話構成で、毎週1本ずつ新たな回が配信される。今後のゲストは発表されていない。第2回目にあたる次の回のゲストについても、「少女、女性たちをサポートすることを仕事にした創業者です。女性はしばしば、選択、あるいはスローダウンすることを迫られます。女性であることが問題と思われてしまうのです。でも、本当は(社会の)システムの問題なのですよ。さあ、誰かわかりますか?」と、ヒントにならないヒントを出すにとどまっている。

 最終回である8回目が配信されるのは、5月末。秋には「ウィズ・ラブ、メーガン」の第2シーズンがあり、それまでにはおそらくNetflixがパートナーシップを組む「As Ever」の商品ラインナップも拡大すると思われる。今年は、メーガン妃にとって、忙しい、挑戦の年だ。

 メーガン妃とハリー王子は、「ハリー&メーガン」と「Spare」以来、何をやっても当たらないできた。夫妻の仕事のしかたについての評判も良くなく、2年前、華々しくメーガン妃をクライアントに抱えたことを発表したハリウッドの大手タレントエージェンシー、ウィリアム・モリス・エンデヴァー(WME)も、最近、密かに契約を切ったと報じられている(WMEは、この件に関して無言を貫いている)。

 今のところ、「ウィズ・ラブ、メーガン」はヒットしているとは言い難く、「As Ever」の商品の最初の感想も、決して好意的ではない。このポッドキャストは、その流れを変えられるようなものになるのか。少なくとも、まだある隠し球で世間を騒がせることは、ありそうな気がする。

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L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

猿渡由紀の書籍紹介

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著者:猿渡由紀
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