トランプ氏、日鉄のUSスチール買収計画巡り「渡ってほしくない」慎重姿勢を表明

米東部ペンシルベニア州にあるUSスチールの製鉄所=2024年4月(AP=共同)
米東部ペンシルベニア州にあるUSスチールの製鉄所=2024年4月(AP=共同)

【ワシントン=坂本一之】トランプ米大統領は9日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り「USスチールは日本に渡ってほしくない」と述べ、米企業でなくなることへの懸念を示した。ホワイトハウスで記者団に語った。

トランプ氏はUSスチールについて「長い間、世界ナンバーワンの企業だった。だからこそ、日本に渡ってほしくない」と指摘。「われわれは日本を愛しているが、USスチールは非常に特別な企業だ。日本やどこの国にも渡ってほしくない」と訴えた。

トランプ氏は7日、外国企業の買収を審査する米政府の対米外国投資委員会(CFIUS)に対し、日鉄の買収計画について再審査するよう命じていた。市場では再審査の指示を受けて買収計画に関する交渉が進むことへの期待が出ていたが、トランプ氏が慎重姿勢であることが示された。

トランプ氏は2024年1月、この年の11月に米大統領選を控える中で、日鉄のUSスチール買収計画に対して「阻止する」と表明。今年1月の大統領就任後も反対姿勢を示し、日鉄が少数株主にとどまるなら「あまり気にしない」と述べ、経営権を握らない投資であれば容認する意向を示している。

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