米株急反発!中国以外の国への関税発動90日停止
トランプ大統領、中国以外の国への関税発動90日停止
4/9(水)NY時間、株が猛烈に反発上昇となっています。
ダウ平均、一時2400ドルも上がりました。この暴力的な乱高下、まさにトランプ劇場です。株急反騰のトリガーはトランプ大統領のトゥルースソーシャルへの投稿。https://x.com/JavierBlas/status/1910022193230098658
BREAKING: US President Donald Trump blinks first.
— Javier Blas (@JavierBlas) April 9, 2025
90 days pause on "reciprocal" tariffs -- excluding China.
(The hike on China is a performative utterance: 125% tariff is, effectively, the same as a 104% one for any real economy purposes) pic.twitter.com/LcRGrbS0nE
要約すると
米国への敬意を欠く中国への関税を125%に引き上げ、即時発効する。
他の75以上の国々は報復に出ず交渉を要請しているため、
90日間の関税停止を認める。
この期間の相互関税率は10%でこれは即時有効となる。
米株はまだ割高修正されていない、下値余地があるという指摘もありますが、再度売られるとしても短期的には下値を掘りすぎていて、売りが溜まっていた相場が猛烈に巻き返されています。ともかく、本格関税発動は90日後に延期されましたので、それまでの各国のディール次第。90日後に再びリスクオフ相場が到来する可能性は否めませんが、ひとまず短期的な最悪期は脱したと考えていいでしょうか?
いえ、まだ不安材料は残っています。。。。
米国の債券市場です。
米債券市場の危機、止まらぬ米金利上昇
トランプ関税ショック相場、危機は株式市場にとどまらず債券市場にも。米金利の上昇が止まりません。つまり「米国債売り」が加速しているのです。
この長期金利の急騰は、とてつもない巨額の米国債売りが発生していることを示しています。
その背景に何があるのか、色々推察されています。
1)関税巡る不確実性~物価高騰警戒?
2)現金需要~リスク回避によるキャッシュ化
3)米国の債務残高GDPの121%に~財政のひずみ
4)外国勢の売り~中国の報復売り
5)ヘッジファンドの取引~ベーシス取引の巻き戻し
特に中国による米債売却の可能性が指摘されていますが、米中貿易戦争は今日もさらに激化しており、トランプ政権と中国のディールがまとまらない限り中国による米資産売却の流れは続く可能性が出てきました。
更に、今日驚くべき米資産売りリスクの材料が確認されました。
ミランCEA委員長の米資産保有国への課税提案がトリガー?
米10年債利回りが一時4.5%と、前日比で20bp超も急伸。トランプ政権が、米国が米債などドル資産を保有する海外投資家に「負担の分担(burden sharing)の一環として課税を検討との観測浮上。… pic.twitter.com/NgUFwZ90Ld
— Sawako Yasuda/Street Insights (@Street_Insights) April 9, 2025
スティーブ・ミランCEA委員長による4月7日付け声明に、
米ドル準備制度の恩恵を受けている国々に対する 5つの負担分担の提言があり、その5番目の項目が債券市場の売却を促したという指摘です。
「IEEPA(国際緊急経済権限法)は、行政が望む場合、外貨準備の蓄積を抑制するためにも使用することが可能。ドルの過剰評価の根本原因が準備資産の需要である場合、財務省はIEEPAを活用して準備金の蓄積を魅力的でないものにすることできる。その手段の一つとして、米国債の海外保有者にユーザーフィーを課す、例えばその保有に関連する利息支払いの一部を差し引くことが挙げられる」
要するに、「各国が、米国債やドル建て金融資産を 保有し続ける特権に対し、課税する」と言っているのです。
あくまで提言であり決定事項ではありません。米議会がこれを通すとは思えませんので、これが実現することはない=米債売却は一過性のものだと思いますが、しかし、関税賦課含めトランプ政権が世界に発するメッセージは著しく米国への信認を低下させており、これが実現しなくても米国資産保有を減らそうと考える国が増えていくリスクはありそう。
このまま米金利上昇=米国債価格下落が止まらなければ、23年のシリコンバレー銀行のように破綻に追い込まれる金融機関も出てくるかもしれません。長期金利が5%を超えてくるようだと、さらなる金融クラッシュ加速がありそうです。その前に米国が手を打つでしょうか。
諸外国による米債売却に対する米国側の対処としては、課税はありえないとのアナウンスも必要でしょうけれど、FRBによる国債買い入れ再開などの必要が出てくるかもしれませんね。米国債暴落による米国債信認低下を中央銀行が支えるというものです。しかし、これは金融緩和にほかなりませんから将来のインフレ警戒を高めるリスクでもあります。
あるいは、歴史的に米債売却が許されなかった日本が、今回も他国の売却分を買わされる羽目に陥るかもしれません。そうなれば外債購入=ドル高円安ですが、米国は日本に円安是正を求めているとも指摘される中、同時に利上げを迫られる可能性もあり、日本経済が壊滅的な打撃を受けるなんて最悪のシナリオも?!
ともかく、米金利上昇が落ち着いてくれることを願います。
為替市場もポジション巻き戻し優勢
このところのオセアニア通貨ショートがうまく回っていましたが、あっという間に利益が削られ、慌てて買い戻しを強いられました。オセアニア通貨の反発が大きいのはその前に売りが膨らんでいたための買い戻しも大きいということだと思われます。米ドル自体の値動きは小動きです。ただ、昨日までに見られていたような、米国株売り、米国債売り、米ドル売りのトリプル安ではなくなっています。ドルはやや買われていますね。
特徴としては、リスクオンでクロス円上昇でしょうか。
下段 NZドル円 豪ドル円 カナダ円 3:15時点
トランプ大統領の関税90日停止投稿を受けて、ドル円と豪ドル円のロングを作りました。長く持つつもりはありませんが、猛烈に巻き戻っているためあっという間に利益が膨らんでいる状況です。トランプ劇場、朝起きたらまた景色が変わっているかもしれませんので寝る前に手仕舞おうかとも思いましたが、リバウンド1日目ですので、もう少し様子を見ようかと思います。買いのコストより上に逆指値をおいて利を伸ばす方向で。
日本との関税交渉には為替水準における米国側からの圧力が警戒されており、中長期的には円高のリスクが高いと考えていますが、相場ですから、こうしたノイズで吹き上がる局面もあります。トランプ政権になってから毎夜毎夜この調子でマーケットが乱高下するのには、いい加減疲れましたが、ボラティリティの上昇は資産を増やす好機でもあります。


コメント
1いつもありがとうございます🙏
記事はいつも楽しく見させてもらってます。
値動きもそうですけど、色んな投資対象に資金がビュンビュン動いてる感じで面白いですよね。
寝てる間に急騰急落は勘弁して欲しいですけど…🥺