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敷地内に立つ100棟超の建物が約20年にわたり都市計画法違反の状態だったと判明した札幌市内の民間動物園「ノースサファリサッポロ」。他にも様々な法令違反が明らかとなり、運営会社は施設の閉園を発表した。

 問題となったのは、札幌市南区にあるノースサファリサッポロが所有する156棟の建物だ。この民間動物園は都市計画法で定める市街化調整区域に立地する。同区域内で建物を新築する場合は都計法43条に基づく許可が必要だが、運営会社のサクセス観光(札幌市)は無許可のまま建物をつくり続けていた〔写真1〕。

〔写真1〕開園前から市の指導を受けていた
〔写真1〕開園前から市の指導を受けていた
閉園を発表したノースサファリサッポロのエントランス。右は除却対象の建物例。札幌市開発指導課によると、動物の移動を優先するため建物の撤去を急がせることが難しい状況だという(写真:札幌市)
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 サクセス観光は2025年3月10日、同年9月末ごろをめどにノースサファリサッポロを閉園するとウェブサイトで発表。法令上の問題を重く受け止め、建物の撤去と動物の移動を進めると説明している。この施設では都計法違反の他、水道管の延長工事を市に申請していなかったなど、複数の法令違反が指摘されていた。