●保育士の養成課程廃止へ 定員満たず、理事会決定
北陸学院大は9日までに、保育士、学校教員などの養成を目指す教育学部の学生募集を2026年度以降、停止すると発表した。近年、入学者数が定員を大きく下回る状況で、継続的な学生確保が困難だと判断した。大学を運営する学校法人北陸学院は経営再建のため、今年2月に東京の教育関連企業との業務提携を締結、英語教育の充実などに取り組んでおり、苦境打開へさらなる対策を打った格好だ。
3月27日に開いた理事会で募集停止が決まった。前身の北陸学院保育短大の開学から75年、大学の象徴的な存在だった保育士の養成課程がなくなることになる。
北陸学院大の学生募集は厳しい環境にさらされていた。
2008年度の開学から人間総合学部子ども教育学科で、保育士、教員を養成。23年度には教育、社会、健康科学の3学部体制に変更し、教育学部に保育士、幼稚園教諭などの免許を取得できる幼児教育学科(定員45人)、教員養成の初等中等教育学科(25人)を設置した。
教育内容や情報発信方法の改善などに取り組んだものの、入学者数は上積みされず、定員を2学科で各5人減らした25年度の入学者は幼児教育学科14人、初等中等教育学科10人にとどまった。
学校法人北陸学院は2月、有名起業家の大前研一氏が設立した教育関連企業「Aoba-BBT」(東京)と業務提携を締結。オンライン大学・大学院などを運営する企業との連携を強め、小学校から高校までのインターナショナルスクールの開校などを目指している。教育学部の学生募集停止を決定した理事会には、Aobaから派遣された理事も加わっていたという。
北陸学院は在校生のカリキュラム、学習環境、学習支援などについては従来通りとしている。社会学部と健康科学部は26年度も募集し、社会学部に社会マネジメント学科(仮称)の新設を構想している。