厚生労働省は8日、物価の高騰や賃上げなどの影響で経営が厳しい医療機関や介護施設を支えるため、融資制度の上限額を大幅に増やすなどの支援を新たに始めると発表しました。

経営が厳しい医療機関や介護施設などへの支援をめぐっては、政府は去年、一時的な資金繰りの改善を目的として独立行政法人の福祉医療機構による優遇融資制度を始めました。

これまでの制度では、無担保での融資の上限額は500万円でしたが、病院団体などからの要望を受け、厚労省は8日、病院の場合は最大で7.2億円、介護施設などの場合は最大1億円まで上限額を拡充することを発表しました。無担保で借りられるほか、これまでは必要だった利子についても最長5年間は無利子にするとしています。

融資拡充の対象となる条件として、収支が悪化している施設や事業で、融資拡充の対象となる職員の処遇改善を行い、経営改善の計画書の提出が求められるほか、病床数の適正化に向けた事業計画の提出などが求められます。

申請の受け付けは8日から始まり、厚労省は「医療や介護の施設をしっかり支えていきたい」として融資の活用を呼びかけています。