トランプ政権はなぜ関税にこだわるのか ブレーンを直撃

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トランプ政権は、なぜ関税にこだわるのか?政策提言を行う1人がオレン・キャス氏(41)です。ハーバード大学卒業の保守派のエコノミストとして知られ、バンス副大統領(40)のブレーンを務めるキャス氏に、真意を聞きました。

過去最大の貿易赤字 「不均衡」「バランスが欲しい」

3月に仕事で来日していたオレン・キャス氏。ハードスケジュールの合間に話を聞きました。

アメリカン・コンパス チーフエコノミスト オレン・キャス氏
アメリカがやりたいことは世界経済を支配することではありません。アメリカはバランスが欲しいだけなのです

オレン・キャス氏

トランプ政権が関税にこだわる理由の一つが、巨額の貿易赤字です。2024年のアメリカの貿易赤字は1兆2117億ドル、日本円で約181兆円(2025年4月1日時点の為替レートで計算)と、過去最大となりました

トランプ大統領はこれを問題視。関税の引き上げによって赤字の縮小を目指しているのです

キャス氏
アメリカは輸入超過という深刻な不均衡に陥っています。だから関税で価格を調整するのです
すべての国が自国の産業を発展させられるシステムを望むのであって、ほかの国がアメリカにモノを売って発展するようなシステムではありません

「アメリカの製造業の活性化につながる」

キャス氏はさらに、関税政策にはアメリカの国内経済を支える目的があると言います。

関税は経済政策の一部です。(関税が)国内の製造業の活性化につながると認識することが重要です

なぜ関税をかけることで、アメリカ国内の製造業が活性化すると考えているのか。例えば、100万円の輸入車に25%の関税がかかると、輸入価格は125万円になります。すると、輸入車よりも、関税がかからないアメリカ製の車を買うようになり、その結果アメリカ国内での生産が活性化し、雇用も生まれるというのです。

製造業の活性化を目指す背景には、アメリカの労働者層が置かれている厳しい状況があるとキャス氏は言います。

大卒でもなく管理職でもない労働者の収入は1970年代とほとんど変わっていません
典型的なアメリカ人が、家族を支え、子どもたちにいい生活を提供できるような経済になってほしいです

「アメリカの利益は日本含むほかの国が望むものと異なる」

そして、こう述べました。

日本の皆さんはアメリカの関税措置を理不尽に感じるでしょう。しかし、アメリカの視点から物事を考えること、アメリカにとっての利益は、日本を含むほかの国が望むものとは異なると認識すること、それが大事なのです

トランプ氏の関税は当初、外国からよい条件を引き出すための交渉材料だと言われてきましたが、自身を支持する層でもある国民の不満に応えるためという、もっと根深いものがあると考えさせられました。

【2025年4月2日放送】