【トランプ氏が揺さぶるTPPの真実】トランプ氏“論破法”を伝授 TPP・農業分野での矛盾点を突け
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最終回は、私の専門である農業分野で、米大統領選・共和党の候補者指名を確実にした不動産王、ドナルド・トランプ氏を論破する方法を伝授したい。
彼は「Deal(ディール=取引)の天才」と呼ばれるビジネスマンである。国家間でも「対等な取引関係」を重視する。日本や中国、メキシコを名指して非難するのは「関係がアンフェア」だとの共通項がある。
彼の政策はすべて、それを正常化するためにある。企業に補助金を出す中国に対しては関税上乗せで報復、米国から駐留費の補助を受けている日本に対しては全額負担を要求する、などだ。彼の論拠は「補助金がアンフェアさを生んでいる」点で明確である。
これを逆利用すれば、日米の農業問題や、世界の農産物貿易の地平を築ける。
まず、日本側が主張すべきはこうだ。
「米国はアンフェアだ。世界最大の“農業補助金”を農家に渡している。米農家の輸出を有利にし、世界の農産物貿易をゆがめている」
トランプ氏は次のように返答するだろう。
「日本農業こそ保護主義だ。多大な関税を課し、補助金漬けだ」
日本政府はこう反論すればいい。
「わが国はTPPで関税低減を約束し、貴国とも合意済みだ」「日本は独立自尊の国であり、米国人の税金(=農業補助金)の入った安い農産物は必要ない。減税して米国民に戻すべきだ。日本は農業補助金を撤廃していく。トランプ氏の主張通り、フェアな競争をしていこう」
トランプ氏は選挙対策上、米国の農家には甘い。外国の補助金は問題にするが、自国の補助金には言及しない。その矛盾点を突くのだ。