データによると<恋愛経験の豊富な人ほどウソつき>。中野信子「ウソをつくことで次世代を残す可能性が高くなるのであればその子孫はおそらく…」
インターネット上の誹謗中傷について、プラットフォーム事業者に迅速な対応を義務付ける「情報流通プラットフォーム対処法」が4月1日に施行されました。脳科学者の中野信子先生は言語とはその性質上、人間の行動パターンを大きく変えてしまうことがあることを指摘し、「人間の歴史はまじないの歴史」と語ります。「言葉の隠された力」を脳科学で解き明かします。そこで今回は、中野さんの著書『咒の脳科学』から、一部引用、再編集してお届けします。 【書影】中野さんが考える「あなたが周りの言葉に苦しむ理由」とは?『咒(まじない)の脳科学 』 * * * * * * * ◆不都合な事実が明るみに出たとき ウソをつくことは美しいか、美しくないか、と問われれば、基本的には美しくないことである、と答える人が大半ではないだろうか。 もちろん、誰かを守るためのウソや、みんなにとって大切なプロジェクトを軌道に乗せるために方便として用いるウソなど、ウソにはさまざまな形態と用途があり、一概に言えるものではないということも理解しておく必要がある。 また、不都合な事実が明るみに出たとき、それを隠匿しようとする人よりは、素直に認めて謝る人に対してのほうが、人々は寛容であるように見える。 一方で、隠匿しようとする人——「この人はウソをつく人だ」という印象を一度でも与えてしまった人については、その行為がいつまでも人々の記憶に残ってしまう。何年経っても、そのこと自体が攻撃の口火となり、積極的にウソをつくわけでなくとも、この人は「不都合な真実をなかったことにしてしまう人だ」と失望と落胆の気持ちを強めたり、支持する気持ちを萎えさせたりしてしまう。
◆恋愛経験の乏しい男性ほど正直者 独身研究家の荒川和久さんのリサーチによれば、20代〜50代の人を対象に「恋人や配偶者にウソをついている/ついたことがある」かどうかについてアンケートをとってみると、おおむね恋愛経験の豊富な人ほどウソつきであることがわかったという。特に男性では恋愛経験の乏しい人ほど、正直者であることを示すデータとなっている。 女性はと言うと、恋愛経験の豊富な人ほどウソをつくというデータは同様であったものの、未婚と既婚では正反対の傾向が示された。20代と50代では既婚者かつ恋愛経験の豊富な女性でウソをつく率が高く、30代〜40代では未婚者かつ恋愛経験の豊富な女性でウソをつく率が高かった(荒川和久「恋愛相手や配偶者に嘘をついている割合からわかる『恋愛上手は嘘上手』」Yahoo!ニュースエキスパート 2024年4月7日より)。 このデータをどう解釈するかだが、ウソをつくことに抵抗のない人ほど恋愛経験が豊富になるということだとすれば、ウソをつくほうが次世代を残しやすくなるということにつながると考えることができるだろう。 もしウソをつくことへの抵抗のなさが遺伝的な資質によるものであれば、世代を経るごとに、ウソをつきやすい遺伝子のほうが量的に優勢になっていくと推論できる。
【関連記事】
- 中野信子が警鐘「イケニエへの攻撃がやめられないのは脳の仕組みに由来。あなたも制裁の快楽をむさぼる<コンプライアンス中毒>に陥っていませんか?」
- 脳科学者・中野信子 科学的に証明された<運をよくするコツ>とは?「根拠のない自信」で成功確率はグッと高まる【2023編集部セレクション】
- デーブ・スペクターさんが『徹子の部屋』に登場。脳科学者・中野信子さんと語った「日本人以上に日本を知るために行っている情報収集法」
- 中野信子 理想と実際の自分が一致する人ほど周囲から好かれるのは「当たり前」だった…「しあわせのものさし」で運は自分のものにできる
- その「努力」の仕方はあなたをむしろ成功から遠ざけているかも…中野信子が考える<運のいい人になるための絶対条件>とは