医療搬送用ヘリ事故 位置不明から通報まで30分余 経緯調べ
今月6日、患者を運んでいた医療搬送用のヘリコプターが長崎県壱岐の沖合で転覆した状態で見つかり3人が死亡した事故で、機体の位置が分からなくなってから運航会社が関係機関に通報するまで30分余りがたっていたということで、海上保安部が詳しいいきさつを調べることにしています。
今月6日、長崎県の対馬空港から患者を乗せて福岡市の病院に向かっていた医療搬送用のヘリコプターが消息不明になったあと、壱岐沖の海上で機体が転覆した状態で見つかりました。
6人が救助されましたが、女性患者(86)と、搬送に付き添っていた息子(68)、それに男性医師(34)の3人が死亡し、機長や整備士など3人は病院で治療を受けています。
この事故で海上保安部は9日、ヘリを運航していた佐賀市の「エス・ジー・シー佐賀航空」を業務上過失致死傷と航空危険行為処罰法違反の疑いで捜索しました。
運航会社によりますと、ヘリは事故当日、午後1時30分に離陸し、その17分後、航跡をモニターしている画面上で機体が動かなくなりましたが、機体の動きをつかみにくい低空を飛行していたことから、遭難したかどうかただちに判断できなかったということです。
その後、機体が陸地に近づき、通信や無線が通じるはずの時刻になっても交信ができなかったため、機体の位置が分からなくなってから30分余りがたったあと、国土交通省などに通報したということです。
こうした経緯を海上保安部も把握していて、今後、押収した資料を分析するなどして当時の状況を詳しく調べることにしています。
こうした対応について、運航会社は7日の会見で、規則に基づく手順だとした上で、「規定の範囲を超えて動くことができなかったことは課題として残っている」と説明していました。
海上保安部の捜索を受けたことについて事故を起こしたヘリコプターを運航する「エス・ジー・シー佐賀航空」は「今後とも海上保安庁の捜査に全面的に協力していきます」とコメントしています。