【この140字小説がなぜ全く小説の読書体験を与えてくれないのか真面目に解説しよう】
1. まず物語が「外からの説明」で完結している。
『彼は剣の天才だ。誰から習ってもないのに霊妙なる太刀筋を振るい、生涯無敗。剣聖と称えられた』
ここで『彼』がすごい人物であるように語られますが、それは語り手が要約して紹介しているだけで、読者にとって腑に落ちる、例えば「霊妙なる太刀筋」や「無敗の戦い」が結果の羅列であり、読者は「ふーん、そうなんだ」と納得するしかない。
分かりやすく言えばつまり、「物語」ではなく「紹介文」になっている。
2.葛藤が「すでに終わった結論」として処理されてしまっている。
『何の努力もしてない私が剣聖を名乗るのは心苦しい』
140字縛り内でのせっかくの台詞が、「彼がそう決断した」結果に過ぎず、読者が共にその葛藤を体験する前に結論だけが語られている状態にとどまっている。
つまり、感情の「揺れ」や「変化」が見えず、読者の内面に踏み込んでこない。よりによって共感性も乏しいという事。
3.ここがこの人の最大の特徴ですが、『意外性』がない。
「天才が努力してないことに悩む」という構図は、ある意味では使い古されたテーマであり(例えば小野道風のカエルのエピソードなどが有名)、それ自体が悪いわけではなく、親しみやすいモチーフなのですが、本作ではそれ以上の切り口や衝撃がないため、読者の心に引っかかりません。この界隈で良く聞く表現なら『フックが無い』という状態ですね。
なので、「ああ、そういう人、いそうだな、それで?」で終わってしまう。
4.まとめ♡
この作品には、
1.登場人物の心の動きの描写
2.読者が想像で補える余白
3.情景や比喩などによる印象の強化
がほとんど存在せず、そのため、読み終えたあと「読んだこと」は認識できるけれど、「物語を味わった」という感覚が薄くなります。つまり自己満足レベルって事なんですよ。読者を楽しませようとしてほしいですね。
以上、無料ですが真面目にこの人の作品の傾向が出ていたので批評させていただきました。
Quote
はまさん #140字小説を書いてます
@hamathunder
彼は剣の天才だ。誰から習ってもないのに霊妙なる太刀筋を振るい、生涯無敗。剣聖と称えられた。
なのに剣を辞めるという。
「私の知る他の剣士とは、技を受け継ぎ、敗北に涙し、研鑽を積む者だ。何の努力もしてない私が剣聖を名乗るのは心苦しい」
無敗の男も、遂には自分自身に勝てなかった、
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