「定年退職後は失業手当をもらって、しばらくゆっくり。再就職はその後で…」では損をするかも?59歳会社員のお悩みを解決【税理士がアドバイス】
(1)高年齢雇用継続基本給付金 この給付金は、60歳になる直前の給与水準と比較して、4分の1(25%)以上給与が下がった場合に支給される給付金です。 どの程度給与が下がったかにより、給付金の計算は複雑な計算式になっています。給与の下落率が39%を上回る場合には、現状の月額給与額に約15%を乗じた金額が給付金として支給されることになります。 Iさんのケースについて、もしIさんに高年齢雇用継続基本給付金が支給される場合には、60歳以降の給与は、従来の月額50万円から月額30万円に下がります。これは40%の下落率になりますので、30万円×15%=4万5,000円の給付金を受けることができます。この給付金は65歳になるまで受けることができるため最大60か月受給できます。 よってIさんがこの給付金の適用を受けることができる最大金額は、4万5,000円×60か月=270万円となります。 ここで一つ注意点があります。高年齢雇用継続基本給付金は、60歳で退職した際に失業手当を1日分でももらった場合にはこの制度の適用はありません。したがって、Iさんがこの給付金を受給しようと予定されている場合には、失業手当はあきらめていただく必要があります。 失業手当をもらっていなければ、数か月後に次の転職先に雇用され、給与が大幅に減額になったときに高年齢雇用継続基本給付金を受給することができます。 (2)高年齢再就職給付金 この給付金は、いったん退職して失業手当を受けた者が、60歳以降に安定した職業に就いた場合に、60歳になる直前の給与水準と比較して、4分の1(25%)以上給与が下がった場合に支給される給付金です。 高年齢再就職給付金の支給要件は、高年齢雇用継続基本給付金と支給要件が似ていますが、高年齢再就職給付金は、失業手当を受け取っているという点で、高年齢雇用継続基本給付金とは異なります。 また、この給付独自の要件として、60歳を超えて安定した職業に就いた日において、失業手当(基本手当)の支給残日数が100日以上あることが必要です。これを、Iさんのケースについて当てはめてみると、失業手当の最大給付日数は150日(5か月分)となりますから、もしIさんが5か月分の失業手当を受給後に再就職した場合にはこの給付金の対象にはなりません。 仮に、1か月(30日)分の失業手当を受給後に再就職した場合には支給残日数が120日であり、100日を超えているため、高年齢再就職給付金を受給することができます。失業手当の支給残日数が100日以上200日未満の場合には、最大1年分の高年齢再就職給付金を受給することができます。 1か月当たりの高年齢再就職給付金の算定方法は、高年齢雇用継続基本給付金と同じですので、Iさんは月額4万5,000円を最大1年分受給することができ、その金額は4万5,000円×12=54万円となります。 なお参考情報として、再就職した時点での失業手当の支給残日数が200日以上の場合には、最大2年間、給付金が支給されます。Iさんは、現在、失業保険をもらいながら少しゆっくり考えて、適当な就職先が見つからない場合にはI社に就職しようとしています。結論から言えば、現状のIさんの考えは最適ではないかもしれません。その理由は次の通りです。
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