祖母に育てられたウエディングプロデューサーが”優等生カップル”に伝えたかったこと
優等生カップルに抱いた違和感の正体
「たとえば、バージンロードを誰と歩くか。それはただの演出ではなく、自分の想いと向き合うことでもあります。自由だからこそ、後悔のない選択をしてほしい」 【感涙姿の写真】新婦が祖母とバージンロードを歩いた実際の結婚式を連続写真で こう話すのは、カウンセラー全員が業界を熟知した元ウエディングプランナーかプロデューサーという「トキハナ」の現役ウエディングプロデューサーの渡辺 優子さん。 トキハナは、ラインで結婚式相談を受けたり、式場選びを手伝ってくれる無料の式場探しのサイトだ。 後悔のない結婚式にするためのヒントをお伝えする連載の後編。今回の相談者は、両親、祖父母、曽祖母と妹の大家族の中で育った新郎の雄大さん(当時34歳)と、優しいお母さまと、父親代わりのようなおばあさまに育てられた新婦の夏季さん(当時28歳)。ふたりの共通点は、「祖父母と暮らし、可愛がられてきたこと。そしておそらく祖父母にきちんとしつけられたこと」。 だが、そう言う渡辺さん自身もまた、子どもの頃は母親と祖母と暮らし、忙しく働く母親に代わって、祖母に育てられたという共通点を持っていた。 ふたりとの打ち合わせは、スムーズで、まるで優等生の見本のようだったという。だが、やりとりの途中で、渡辺さんは違和感を持ち始めた。 渡辺さんはこれまでのふたりとのやりとりをもう一度思い返し、違和感の正体を見つけ出した。それは、新婦の祖母への想いを通した、自分の祖母につながるものだった。 自分の仕事はふたりの想いを形にすること。自分の気持ちや生い立ちを話すなんて、プロデューサーという立場を超え、プロ意識に欠けるのでは。 悩み、迷った末に自分の想いを打ち明けた渡辺さん。さらに、出過ぎたことにならないかと心配しながら伝えた「バージンロードはおばあさまと歩きませんか」という提案を、ふたりは喜んで受け入れてくれた。 後編もウエディングプロデューサー歴11年、お客様と深く向き合う渡辺優子さんの寄稿でお届けする。