結婚式のバージンロード。新婦の”本音”を見抜いたプロデュ―サーが抱える「後悔」
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「結婚式とは、ひとりひとりの理由や想いがあって成り立つもので、当人たちの気持ちを伝える場であり、人生の大切な瞬間を気づかせてくれるものでもあります。 【感動の写真】歩きたかった人とバージンロードを…実際の結婚式を連続写真で見る 挙げる理由も意味も、ひとりひとり違うのだから、やり方も考え方もさまざまであっていい。 とても大切で特別な日ではあるけれど、その一日だけを特別視し過ぎることなく、これから生きていく上での励ましだったり、お守りのような時間になってほしい」 こう話すのは、無料で結婚式相談を受けたり、式場選びを手伝ってくれる「トキハナ」で現役プロデューサーとして活躍する渡辺優子さん。相談はラインででき、相談相手のカウンセラー全員が業界を熟知した元ウエディングプランナーまたはプロデューサー経験者だ。 この連載は後悔のない結婚式にするためのヒントをお伝えする、プロデューサー歴11年、お客様と深く向き合ってきた渡辺さんの寄稿でお届けする。
バージンロードをともに歩くのは父親であるべきか?
たとえば、バージンロードを誰と歩くか。それを決めることは、ただの演出ではなく、自分の想いと向き合うことでもあります。自由だからこそ、後悔のない選択をしてほしい。 今回はお母さまとおばあさまに育てられた、新婦さまのお話をお伝えしたいと思います。 ラインで結婚式場探しのサポートを無料で行う「トキハナ」での私の仕事は、お客様の思いや希望を聞いて、形にするお手伝いです。 今回は、トキハナに入社する前に出会ったお客様のこと。ウエディングのプロとして、どこまで入り込むべきか、プロデューサー人生の中で最も迷った時の話です。
ふたりの出会いのきっかけは
新郎の雄大さん(当時34歳)は、東京近郊の、両親、祖父母、曽祖母と妹の大家族の中で、育ちました。共働きで忙しい両親に代わり、平日はお世話をしてくれたのは、祖父母と曽祖母。おばあちゃんのミートソースと、お母さんの餃子が大好きだったそうです。 お仕事は、IT事業の傍ら、個人輸入をスタートアップさせるなど、チャレンジングな一面も。過去には挫折もあったと言いますが、そうした経験も糧にする強さと冷静さを持ち合わせています。 新婦の夏季さん(当時28歳)は、小さなころから得意だったアートの力を発揮して、現在はウェブデザインの仕事をしています。出身は雄大さんと同じ県。優しいお母さまと、父親代わりのようなおばあさまと過ごしてきました。 おばあさまは、小さい頃から病弱だった夏季さんの喘息を治そうと、プールへの送り迎えをし、一緒に泳いでくれたそうです。 雄大さんと夏季さん、ふたりに共通していたのは、核家族が中心の東京近郊で祖父母と暮らし、可愛がられてきたこと。そしておそらく祖父母にきちんとしつけられたこと。ふたりとも礼儀正しくシャンとした雰囲気で、最初からはきはきと意見を伝えてくれます。 出会いは今、婚活中の半数近くの人々が使っているという、マッチングアプリでした。初対面で夏季さんに一目惚れして、猛アタックをしたという雄大さんですが、海外旅行や食事、好きなものが一緒だったことから夏季さんも意気投合したと言います。その後、「なっちゃんとなら幸せな家庭を築くことができる」という雄大さんの力強い言葉と、彼のご家族にあたたかく迎えられるなどして、結婚へと進みました。 打ち合わせが始まると、ふたりともPCを取り出して、リストを作ったり、メモを細かくとったり。結婚式は専門的なことが多く、初めは戸惑われる方が多いのですが、おふたりは理解が早く、迷いもほとんどありません。 社内MTGのように、てきぱきと進められたのは、事前にふたりの意思の疎通がしっかり取れていた証拠。なんでも話し合える信頼関係の強さと深さを感じました。