京都地裁

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 新型コロナウイルスワクチンの接種時のミスで腕に障害が残り、業務ができなくなったとして、京都市中京区の男性歯科医が公立甲賀病院(滋賀県甲賀市)に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁(菊井一夫裁判長)は8日、男性側の請求を棄却した。

 判決などによると、医療法人理事長だった男性歯科医は2021年4月、甲賀病院で接種を受けた後に左腕にしびれなどを訴え、同病院で「左橈(とう)骨神経まひ」の診断を受けた。原告側は、負傷後、歯科医を再開できていないとして収入相当額や慰謝料を求めていた。

 菊井裁判長は判決で「病院側は京都市長から委託を受けて、補助者の立場で予防接種を行ったにすぎず、損害賠償責任を負わない」と判断した。