【名護】名桜大学(名護市)の本年度の新入生のうち、1人暮らしを希望する少なくとも30人が入居先を見つけられず、学内の施設で当面生活することが7日までに分かった。市内の複数の不動産業者によると、空室の賃貸物件が数年前から減る中で、今年はジャングリア沖縄の開業に伴う需要増加などが重なり、特に空き室の物件がない状態となっている。大学側は、学生の物件探しの支援や市へ協力を求めるなど対応を検討している。
同大によると、学生の約8割が1人暮らしをしている。学生課には「入居先が見つからない」「家賃の予算がオーバーしている」など、先月初旬から今月7日までに47件の問い合わせがあった。
大学は緊急措置として学内の留学生センターや北部生涯学習推進センターで入居先のない学生を受け入れる。昨年も入居先が見つからない新入生6人が学内の施設に一時滞在した。学生課の担当者は「状況を見ながら物件探しのサポートも検討する。活用できる施設があれば市とも協力する必要がある」と話した。
市内の複数の不動産業者によると、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設や1人暮らしの高齢者の増加などで、市内では5年ほど前から単身世帯向けの需要が高まっていた。ジャングリア開業に伴う需要増加に加え、家賃相場の上昇に伴う引っ越し控えで空き室が出にくいなどの理由も重なり、「今年は学生に限らず部屋が空いていない」という。
ある不動産業者の担当者は「3月頭から物件の問い合わせを受けているが紹介できる物件がない。15年働いて初めてだ」と話した。別の業者は「何かしら対策できればいいが正直できない」と語った。
ジャングリアを運営するジャパンエンターテイメントの佐藤大介副社長は「短期的にご迷惑をおかけする学生もいらっしゃると思う」とコメントした。