沖縄県名護市のアパート不足が深刻化し、部屋を見つけられない名桜大学の新入生30人が当面、学内の宿泊施設で生活することが4日までに分かった。7月開業のジャングリア沖縄(今帰仁村)で働く従業員の賃貸需要などが要因で、市内では家賃も上昇している。(北部報道部・松田駿太、比嘉海人)

 大学によると、学生の8割ほどが1人暮らし。物件が見つからない入学生が学内の施設に入居するのは昨年が初めてで6人だった。今年は5倍に膨らんだ。

 3月初旬以降、入試で合格した学生から問い合わせが増え、4日までに43件あった。主な内容は(1)アパートが見つからない(2)入居が先でそれまでの滞在場所がない(3)入居できる物件はあったが予算オーバー-など。

 大学は緊急措置として8月末までを期限に、敷地内の留学生センターと北部生涯学習推進センターで学生を受け入れる。両施設とも月額1万円程度を徴収する。担当者は「家が見つからない学生がここまで出て驚いている。学びに支障がないよう支援する」と話した。

 四国から進学する女性(18)は合格発表から1週間、市内の部屋を探したが断られ続けた。入学手続きの期限が迫り、実家から通える私立大への進路変更を高校に相談したところ、高校が名桜大に連絡し留学センター入居が決まった。女性は「名桜大が第1志望だったが、部屋が決まるまでずっと不安だった」と打ち明けた。

 大学にほど近いジャングリア沖縄は開業までに1500人の採用を計画。社宅300室を用意するが、ほかの従業員は市外から通うか市内の物件を借りる。

 運営するジャパンエンターテイメントの佐藤大介副社長は取材に「我々が変化の起点として住民が増えていくというプロセスだと思う」とコメント。その上で「短期的にご迷惑をかける学生さんもいらっしゃると思う」との認識を示した。

 市内の不動産会社は「今年は需要と供給のバランスが悪く、空き部屋の広告を出さなくても物件がすぐに埋まる極限状態。学生のために何かしたいが、何もできない」と吐露した。

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