算数レベルの単純な足し算や引き算はできても、数学レベルの問題になると計算方法を忘れてしまっている人も多いでしょう。あまり日常で見慣れない計算に「難しそう…」と戸惑ってしまうかもしれません。
しかし一度計算方法を思い出せば、案外簡単に感じるかもしれませんよ。今回の問題で、復習してみましょう!
問題
次の計算をしなさい。
(−2)^3+(−3)^2
解答
正解は、「1」です。
式は複雑に見えたかもしれませんが、答えは簡単な数になりましたね。
「^」の意味や計算過程については、次の「ポイント」で詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。
ポイント
今回の問題のポイントは、「『^』の意味」と「負の数の掛け算ルール」、そして「計算順序」です。
それぞれ順番に見ていきましょう。
「^」の意味
「^」は、累乗の計算で指数を表す記号です。
累乗とは、同じ数を掛ける計算のことです。
累乗では、掛ける回数を指数という数で表します。指数は、通常掛ける数の右上に小さく書かれています。ただし、表計算ソフトや上付き文字が利用できないテキストなどでは、「^」記号を使って指数を表すことがあります。
この記事では、「^」を使って指数を表しています。
指数は、長い計算式を簡単に書きたいときに便利です。
例えば、2を5回掛ける式について考えてみましょう。
・指数を使わない場合:2×2×2×2×2
・指数を使う場合(累乗の計算):2^5
指数を使った方が、シンプルに式を表現できることが分かりますね。
ここで今回の問題を再確認してみましょう。
(−2)^3+(−3)^2
「^」の横についた数は指数を表しています。よってこの式は、−2を3回掛けたものと、−3を2回掛けたものを足すという意味になります。
(−2)^3+(−3)^2
=(−2)×(−2)×(−2)+(−3)×(−3)
負の数の掛け算ルール
では、実際に計算するにあたって、負の数の掛け算のルールを確認しておきましょう。
<答えの符号の決め方(掛け算編)>
・同符号どうしの掛け算の答え→正の数(+)になる
例:−1×(−1)=1
・異符号どうしの掛け算の答え→負の数(−)になる
例:−1×1=−1
このルールを元に、今回の問題を計算すると次のようになります。
(−2)×(−2)×(−2)+(−3)×(−3) ←同符号どうしの掛け算
=4×(−2)+(−3)×(−3) ←異符号どうしの掛け算
=−8+(−3)×(−3)
計算順序の確認
ここでいったんストップして、次に計算すべき場所を考えます。
これまでは式を左から順に計算してきましたが、−8+(−3)を計算するのは間違いです。なぜなら、足し算と掛け算では掛け算の方を優先して計算するからです。
よって、今回は(−3)×(−3)の部分を先に計算します。
−8+(−3)×(−3) ←掛け算を最初にする(同符号どうしの掛け算)
=−8+9
=1
1という答えが出るまでの計算過程が分かったでしょうか?
まとめ
今回の問題では、累乗と累乗を足す計算に挑戦しました。
この問題には、累乗の意味、負の数の掛け算ルール、足し算と掛け算の計算順序という三つのポイントがありました。どのポイントもさまざまな問題に応用できるので、身に着けておいて損はありませんよ。
この問題の計算方法が理解できたら、引き続き他の問題にもチャレンジしてみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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