75歳以上の「ATM利用上限」30万円検討、どう思う? 賛成派「特殊詐欺に遭うよりマシ」反対派「大きなお世話だ」
●「1日30万円でも甘すぎる」「私の母は窓口でも被害受けた」
「詐欺にあった自分を誰も助けてくれない」という指摘は痛切です。 「振込制限を50万円に設定しています。間違いを防ぐ意味も込めています。面倒だとは思いますが、老後の資金の確保のためにも制限があった方がいいと思います。無くなっても戻ってきません。自分で守るしか方法は無いので」(58歳女性/埼玉) 「実家の母(当時85歳)が3年前に電話でキャッシュカードの暗証番号を聞かれ、週明けにカードを回収に家に取りに来るという特殊詐欺に遭いかけたので、振り込み限度額を20万円に引き下げる手続きをしました。 大きな振り込みはマイナンバーカードがあれば窓口で対応してくれますし、業者の請求書や付添人の本人との関係を念入りに聞き取りされます。確かに面倒ですが、何百万も詐欺に遭うよりは良いと思います。高額振込は滅多にありません。制限は有効だと思います」(60歳女性/東京) 今回の制限の検討はATMでの利用を想定したものですが、このような制限ではまだ足りないという人もいました。 「うちの母親の被害はATMではなく、窓口からでした。銀行などの窓口からも制限をつけたほうが良いのではないでしょうか?」(54歳女性/福岡) 「高齢者のATM利用制限について、1日30万円では甘すぎると考えます。むしろ、上限は1日10万円、場合によっては5万円でも十分です。特殊詐欺が深刻な社会問題となっている現在、何の対策も取らないのは行政の不作為です」(60代男性/東京) 「特殊詐欺に関しては、騙し取られたお金に関しては戻らないので、被害を少なくするための措置は必要かと思います。私は高齢者福祉施設に勤務しており、高齢者の認知機能を懸念しています」(59歳女性/福岡) 続いては、制限に反対する人たちの意見です。
●反対する人たち「個人の基本的人権が罪なく制限されて良いはずはない」
制限に反対する人たちは、不便を強いられることへの反発や、年齢を理由とした規制は「権利侵害」と主張しました。 「娘に10万円以上振り込みしたところ、一日に9万円以下しか、送信できないため、とても困りました」(68歳女性/愛知県) 「現在でも規定以上の現金を下ろすのに必要以上に本人確認書類を求められたり、使い道を聞かれたりして不愉快な気分になる。本来自分のお金だからいくら下ろそうと何に使おうと自由のはず。年齢で一律に制限するのはどうかと思う」(78歳男性/神奈川) 「まだ75歳未満ですが、75歳以上にATMの取引金額の利用制限されると、非常に困ります。頻繁ではありませんが、まとまったお金を引き出すことがあります。それができないとなると、とても困ります」(73歳女性/東京) 「88歳の母に頼まれて、銀行のATMに行ったらおろせなかった。銀行の人に聞いたら、一度に10万円までしか下ろせなくなってます。2回やってくださいと言われた。意味がわからない。勝手に制限されても入院費用とか困るんですけど」(59歳女性/東京) 「高齢者と騒ぎすぎ。免許証返納、預金引出し限度額などそれぞれ理由があり、一律で他人が決めるのは大きなお世話です」(76歳男性) 「特殊詐欺の取り締まりの問題のすり替えだと思います。簡単だから制限をかける、高齢者を守っているというのは詭弁だと考えます。高齢であっても、個人の基本的人権が罪なく制限されて良いはずはありません」(72歳女性/兵庫) 「親が亡くなったときに即座に下ろす当座の葬式費用などに不都合が出そうです」(52歳男性/埼玉県) なお、今回の規制においては、多額の金銭を動かす個人事業主などは対象外になることも検討されているといいます。 「事業者は困りますね。もっと多額で動かすことが有るので」(66歳男性/宮崎県)
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