75歳以上の「ATM利用上限」30万円検討、どう思う? 賛成派「特殊詐欺に遭うよりマシ」反対派「大きなお世話だ」
特殊詐欺の深刻な被害をおさえるため、警察庁は「75歳以上の高齢者」を対象に「1日のATMの利用上限額を30万円」に制限する方向で検討しています。 【写真】特殊詐欺を許さない「将軍様」 報道によると、今後は国民からの声を聞いたうえで、ルールの改正に向けた調整が進められていくそうです。 詐欺グループに狙われる高齢者を守るためには、やむをえない措置かもしれませんが、引き出しや振り込みなどの用事の際に不都合が生じる人もいるでしょう。 弁護士ドットコムニュースが、高齢者やその家族らに考えを聞いたところ、賛成・反対双方の立場から、さまざまな意見が届きました。 「上限30万円」に反対した人にはどんな困りごとや不安があるのでしょう。賛成した人が考える利点とは。声を紹介します。
●利用制限に賛成する人たち「親が詐欺にあいかけた」「何度も不便があるわけじゃない」
すでに制限対象の人、遠からず対象になる人たちが「上限制限」に賛成しました。 「ATMは高齢者には禁止しても良い。必要なら窓口で」(70代男性/埼玉) 「原則は、30万円とし、本人からの申請があれば50万円ないし100万円にできるようにするべき」(75歳男性/京都) 30万円以上の多額の支払いが必要なシーンが多いわけではないため、一時的な不便は仕方ないという人もいました。 「75歳以上の方が、ATMを使って30万円以上引き出す、振り込むというのは、1年間の何度もあることではないと思います」(65歳男性) 「自分の親が80代になり、はたして1日に30万円以上必要になる時はどんな時だろうと考えてみたのですが、入院費や葬儀費など大きくかかるときもありますが、ほとんどは分割や支払い期限の延長がきくものです」(50代女性/宮城県) 「店舗や事業者、公的機関など社会が、高齢者に現金で『まとまった金額が必要な時』を作らなければ、おおむね大丈夫じゃないかと思います。75歳以上の方の1日の現金支払額を30万円以内とする、高額なものは数日に分けて無利子で分割払い可とする、など」(48歳女性/フランス)
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