長野県への本社移転26社で過去最多 2024年、民間調査
帝国データバンク長野支店(長野市)のまとめによると、2024年に本社を長野県外から県内へ移した企業(転入)は前年から8社増の26社と、記録の残る1981年以降で最多だった。新型コロナウイルス下で加速したオフィスの地方移転の動きは23年に若干減速したものの、事業継続計画(BCP)や地方創生への貢献といった観点から続いているようだ。
調査は実質的な本社機能を持つ事業所を移転した企業(個人事業主、非営利法人などを含む)を対象にまとめた。24年は転入が26社、長野県から県外に本社を移した企業(転出)が12社で、合わせて14社の「転入超過」になった。新潟県では24年の転入・転出がともに10社で、転出は23年から10社減った。
長野支店担当者は「24年はテレワーク縮小などで首都圏から地方に拠点を移設する動きが弱まるとみられていたが、規模の大きい企業の移転も目立つなど、トレンドに変化の兆しがある」とコメントした。BCP対策による拠点分散や、地方創生に貢献する企業イメージの向上などが経営層に浸透した結果ではないかと分析する。
24年に長野県に本社を移した26社を地域別に見ると、東京都からの転入が11社で最多だった。業種ではサービス業の8社が最も多く、卸売業(5社)や製造業(4社)が続いた。売上高別では100億円以上が1社、10億〜100億円未満の企業も3社あった。
綿半ホールディングス(HD)は本社を東京都新宿区、登記上の本店を長野県飯田市としてきた。24年に東京と長野の2本社体制に移行した。