ダンジョンでモンスターと戦うのは間違っているだろうか


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作:アイル123321
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ダンジョン


初投稿なので、何かあったら色々と大目に見てください。

誤字などあったら、報告してもらえればと思います。


ギルドでの講習を終え、私はベルさんと合流した。

 

ベル「どうだった?」

 

「すごく勉強になった! 魔石のこととか、ダンジョンのこととか……それに、エイナさんがすっごく優しくて」

 

ベル「そっか、よかった。エイナさんは心配性だけど、すごく親身になってくれるんだ」

 

私はうなずきながら、自分の背中にある初心者用の装備袋を軽く叩く。中には、小さな短剣と弓、そして矢筒が入っている。

 

「……これから、私の冒険が始まるんだね」

 

ベル「うん。でも焦らなくていい。一歩ずつでいいんだ。僕も最初は何もできなかったし、怖かった。けど、続けていればきっと……少しずつ強くなれるよ」

 

「……うん!」

 

この後、ベルさんにオラリオの街を案内してもらった。

バベルにある武器や防具の店、街の中にあるポーションが売っているお店、食べ物が売っている屋台。そして「豊穣の女神」っていう、ちょっと高級な食事処。

 

本当に、いろんな場所を見せてもらった。その中で、ベルさんは知り合いたちと楽しそうに話していた。

私もモンスターだけじゃなく、ベルさんみたいに、たくさんの人と出会って、いろんな経験をしていくんだと思うと――胸がワクワクしてくる。

 

そんな期待を胸に抱いたまま、次の朝を迎えた。

 

 

ベル「準備はできた?」

 

「はい! 防具も着けましたし、武器もちゃんと持ってます!」

 

私は胸を張って、装備を見せつけるようにポーズを取る。

 

ベル「うん、似合ってるよ! それじゃあ、行こうか!」

 

バベルの塔の中央――地下へと続く“ダンジョン”の入り口に足を踏み入れたとき、胸の奥がキュッと締め付けられるような緊張が走った。

 

ベル「緊張してる?」

 

「ちょっとだけ……でも、大丈夫。モンスターを仲間にするんだもん。やらなきゃ!」

 

ベル「……うん、テリーちゃんならきっとできるよ」

 

微笑み合ってから、一歩、また一歩と足を踏み出す。

薄暗く、静かな空間。空気はほんのり湿っていて、石の床がかすかに冷たい。

 

「……これが、ダンジョン……!」

 

最初の階層――第1層。初心者向けとはいえ、油断すれば命を落とす場所。

 

しばらく歩くと、ベルさんが小さく手を挙げて立ち止まった。

 

ベル「……気をつけて。前方に“ゴブリン”がいる」

 

「えっ……!」

 

目を凝らすと、小鬼のようなモンスターがいた。こちらを見据え、今にも飛びかかってきそうな気配。

 

「ゴブリン……!」

 

ベル「倒す? それとも……」

 

「……まずは、自分で戦ってみる!」

 

私は弓を構えた。

 

ベル「ボクは後ろで見てる。危険ならすぐ助けるから、まずは自分のやりたいようにやってみて!」

 

「うん!」

 

――手が、震えてる。心臓がバクバクしてる。

 

「深呼吸……落ち着いて、テリー……大丈夫、やれる……!」

 

私が覚悟を決めた瞬間、ゴブリンがギィギィと唸り声を上げ、突進してきた!

 

「いっけぇぇぇっ!!」

 

矢を引き絞り、ゴブリンの腹部めがけて放つ!

 

――ヒュッ、ズン!

 

命中! けれど、ゴブリンは止まらない! 矢を受けながらそのまま突っ込んできた!

 

「っ……!」

 

咄嗟に横へ転がる。石畳に肩をぶつけたけど、すぐに立ち上がった。

 

ゴブリンは再び体勢を整え、今度は横から飛びかかってくる!

 

「くっ……!」

 

私は弓を捨て、短剣を引き抜いた。

真正面からゴブリンと向き合う!

 

「絶対、負けないっ!!」

 

渾身の一撃をゴブリンの胸に突き刺す!

 

ザクリッ!

 

この攻撃が致命傷となり、ゴブリンの体がグラリと揺れ――

 

――ドサッ。

 

魔石を残し、消滅した。

 

「……っは、はぁ……やった……倒せた……!」

 

本当に、自分の力で……倒したんだ。

 

気が抜けて、尻もちをついてしまう。

 

ベル「テリーちゃん!」

 

ベルさんが駆け寄ってくる。その顔には驚きと、心配。

 

ベル「大丈夫?」

 

彼が差し出してくれた手を取って、私は立ち上がる。

 

「はい……大丈夫です」

 

そして笑みを浮かべた表情で、

 

ベル「……すごいよ、本当に。よく倒したね!」

 

「……うん、私……怖かったけど……でも……!」

 

私は胸に手を当て、拳をぎゅっと握りしめる。

 

「やれるって、わかったの……! 私、ひとりでも戦えるんだって……!」

 

ベル「うん。でも、テリーちゃんはひとりじゃないよ。ボクも同じファミリアだから、一緒に頑張っていこう!」

 

「うん、ありがとう!」

 

そのあとはベルさんの戦いを見ながら、少し休憩を取った。

 

次はいよいよ――【スカウトアタック】を試す時だ。

 

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