長崎県の離島・対馬から福岡市の病院に患者を搬送していたヘリコプターが6日、同県・壱岐島沖の海上で転覆した状態で見つかった。事故を起こした機体は「ドクターヘリ」とは異なる民間の医療用ヘリだった。何が違うのか。
ドクターヘリは救急患者の救命率向上などを目的に医療機関が設置し、運営費は国と都道府県が半分ずつ負担している。国が導入促進事業を進め、2024年2月時点で京都府以外の46都道府県で57機が運用されている(京都府では関西広域連合のヘリを運用)。主に重症患者に対応し、医師や看護師らが搭乗して搬送する間に救急医療に当たる。
一方、民間の医療用ヘリは医療機関が独自に導入し、費用も医療機関で負担している。重症患者だけでなく、軽症患者も搬送し、治療後に患者を地元の医療機関まで送る「下り搬送」もしている。医療機関の間での患者の搬送にも使われる。離島やへき地など医療資源の乏しい地域で活用されている一方、医療機関の負担は重く、全国的に導入例は少ない。【平川昌範】
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