5年前、佐賀県唐津市の病院で手術前の薬物投与により死亡した当時39歳の男性の遺族が病院を運営する日本赤十字社に損害賠償を求めた裁判です。

7日、日本赤十字社が遺族に損害賠償を支払うなどの条件で和解が成立しました。

この裁判は5年前、佐賀県唐津市の病院に足を骨折し、入院していた当時39歳の男性が麻酔前に薬物投与を受けたところ、体調が急変し、死亡したことについて、病院側の投薬へのリスク評価が不十分だったとして、病院を運営する日本赤十字社に約8000万円の損害賠償を求めたものです。

当初、日本赤十字社は見舞金300万円を支払うとしていましたが、3年前、遺族が訴えを起こしました。

この裁判について、遺族側の代理人弁護士によりますと、7日、日本赤十字社が遺族に6500万円の損害賠償を支払うことや、謝罪をするということを条件に和解が成立したということです。

和解を受けて遺族側は、「息子は帰ってきませんが病院や担当した医師にはこれを教訓に二度と事故を起こさない気持ちで医療に取り組んでいただきたい」とコメントしています。

一方、日本赤十字社は「正式な和解の中身が確認できておらず、個人情報にも関わる中身のため、現時点でコメントは差し控えさせていただく」としています。