ハトホル・ミィス


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作:猫猫尾
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だから僕は暴れる⑤


予約機能って便利ですね。これからはどんどん使っていこうと思う。少し時間ずらすと良いって運営者さんが言ってたから59分ってことで。それはそれとして好きになったキャラがどんどん死んでいったりゾンビモドキになったりしてるんだが、大森先生は悪魔かな?


 何も考えずに、思い切り踏み込む。

 

『ィァッ!‍?』

 

 力任せに叩きつけた刀身。

 すれ違いざまにモンスターが断末魔を上げ、ドシャッと崩れ落ちる音が響いた。

 足を止めて振り向くと巨大な単眼を見開いた(かえる)のモンスターが、千切れかかった首の断面から赤黒い液体をぶちまけている。

 長い舌を武器に敵を攻撃する蛙のモンスター、『フロッグ・シューター』。はじめて戦った時は舌に巻き付かれて危うく丸呑みにされかけた。そんな相手を瞬殺して成長を実感……している余裕はなかった。

 

「……戦わないと」

 

 何かに取り憑かれたかのように迷宮の闇を見つめ、僕はその場から走り出す。既に張ってきている四肢に構うことなく、視界の中で動くものは全て仕留めるつもりで先を目指す。

 平らな床と壁。天井から作られる迷路構造は錯綜しており、僕は記憶を頼りに奥へ奥へと進んでいく。

 荒い呼吸音だけが僕にぴったりついてきた。

 どれほど走り、歩き、走っただろうか。ふと、ダンジョンが静かなことに気づく。いっそ薄ら寒さを感じてしまうほどに、モンスターの気配が少なく冒険者(どうぎょうしゃ)の姿は全くない。

 自分の土を踏みしめる音。そして不規則な呼気の音だけが、入り組んだ迷路に響いていく。

 

「……」

 

 幽鬼(ゆうき)のような足取りで迷宮を進む途中、自分の体を見下ろす。

 防具はなし。ただの私服姿の僕は、体のあちこちにモンスターの爪が、牙が、(かす)めた跡が残っている。深く抉れている箇所もあった。ぼろぼろの衣服はまるで追剥(おいは)ぎにでもあったかのよう。

 右手で握っている護身用の短刀は、赤黒く変色した怪物達の血に汚れていた。

 

(ズタボロじゃないか……)

 

 ろくな装備も持たずにダンジョンに特攻するなんて、頭が悪すぎて笑えてくる。堪らず吹き出しそうになりながら、僕は足を止めて少しの間、目を(つむ)った。

 自分でも驚いてしまうほど、走り続けてきた。

 街の中を突っ切り、ダンジョンに飛び込んで、死に物狂いでここまで来た。

 ただひらすらにモンスターを追い求めて。

 恐れすら忘れて突撃を続け、遮二無二になって刃を振るった。

 弱くてみじめな自分を直視し、自棄(じき)になった。

 悔しさを怒りに変えて、たった一つの武器を頼りに敵を屠り続けた。

 遙か遠くにいる彼女との距離を埋めたくて、まるで見えない(いただき)を目指して、ただ必死に。

 半ばムキになっていたのかもしれない。彼女だけを考えて彼女だけに意志を燃やし、情動の言いなりになって全てを委ねた。

 

(どこだ……ここ)

 

 そうして、現在。

 理性を手放していたピークが過ぎ去り、身を焼いていた炎も少しは落ち着いた。

 モンスターとの連戦が途絶えたこともあり、僕の頭はようやく現状を認め、(もや)がかかっていた思考を動かし始める。 

 ダンジョンの壁面の色が変わっている。見慣れた薄青色ではなく淡い緑に。通路の幅は極端に狭くなり、迷路の構造がより複雑化している。

 先程まで戦っていたモンスターの種類も、今まで交戦してきた低級モンスターとは違っていた。

 

(5階層……ううん()()()

 

 混濁している記憶をどうにか整理し、自分が下った階段の数をゆっくりと数え、結論する。

 ここは6階層。これまで僕が足を踏み入れてこなかった、未到達階層であると。

 この時点で、引き返すという選択肢はなかった。

 僕はやれている。だって死んでないし、と後になってみれば蛮勇と呼ぶのもはばかられる無謀をもって、6階層を徘徊した。多少は頭が冷えたとはいえ、(いま)だ意識が希薄なことに変わりはなく、僕は次なる標的を探し求めてしまっていた。

 

「はっ……は……はあっ」

 

 不規則な呼吸はいつまで経っても整わない。単純な疲労か精神の異常か。どちらでも良かった。だって戦えているし、死んでないし。

 どれだけ時間が経ったのかは不明だ。

 迷宮内は天井が灯す燐光(りんこう)によって明かりには困らない代わりに、夜になろうと朝になろうと景色が変わらない。時計を持っていない今の僕には、現時刻を確認する術はなかった。

 

「は……は……はあっ」

 

 徘徊することしばらく。部屋状の広い空間に辿り着く。

 広間の形は正方形で障害物の類は見当たらない。薄緑色の壁面だけが広がる空間は殺風景で閑散としており、とても見通しが良かった。

 僕は部屋の中央付近に進み、そこで立ち止まる。ざっと周囲を眺めてみるも、先に進む道は見当たらない。どうやら行き止まりのようだ。

 そして、虚ろな目で引き返そうとした僕が、行き止まりに背を向けた──その直後だった。

 ビキリ、と。

 

「ああ……いかにも出そうだもんなぁ、ココ」

 

 ビキリ、ビキリ、と。

 静まり返っていた広間に、不気味な亀裂音が響く。

 僕はゆらりと顔を上げ、辺りを大きく見渡した。

 音源はすぐにわかった。右側の壁面。音の規模が大きくなっていくにつれて、既に刻まれていた何本もの歪な線が出鱈目(でたらめ)に伸びていって、破れ飛んだ。

 

『……!』

 

 亀裂から飛び出した怪物の手が宙で暴れる。力任せに壁面を破壊し、ばらばらとダンジョンの破片が床に散らばっていく。

 最後に一際(ひときわ)大きな破砕音を鳴らし、モンスターは地面に足をついた。

 その外見を一言で言い表すならば、『影』。

 身の丈は一六〇(セルチ)ほどで、僕とほぼ同等の体軀(たいく)は全身黒一色。二腕二足のシルエットは人の形のようだが、毛や体皮といったおよそ動物らしい組織物は皆無で、その全身はあたかも黒いペンキで塗り固められてしまったかのようだ。

 人間の頭部があるべき部位には、顔の代わりに手鏡のような真円状のパーツがはめ込まれており、異様な雰囲気に一役買っていた。

 あれは、6階層出現モンスター『ウォーシャドウ』。

 

「強敵」

 

 敵の脅威度を短く呟く僕の背後、がしゃりと音が発生する。ちらりと見ると、もう一体のウォーシャドウがダンジョンの壁から飛び出し、地面に着地したところだった。

 

『……』

『……』 

「……っ」

 

 無言の圧力。

 挟み撃ち。

 形勢不利。

 しばらく静かすぎると思っていたら、一転して──まるで罠に陥れるかのように──ダンジョンが牙を()いてきた。

 

『……』

『……』

 

 ウォーシャドウには発声器官が存在しない。だから雄叫びは上がらない。無言で這い寄ってくるのが却って不気味だ。    

 

「やってやる……!」

 

 歯を食いしばり、赤黒く汚れてしまった短刀を握り直す。

 きっともう、後戻り出来ないくらいに、僕は捨て鉢になってしまっている。

 脳裏に浮かぶのは罵られた時の光景のみ。目を背けたくなるような現実は体を簡単に熱くさせる。

 本能が警鐘音を打ち鳴らしている。

 僕は無視して、目の前の強敵に戦いを挑んだ。無謀に身を投じた。

 

 

∥●∥

 

 

 新米冒険者がウォーシャドウに挑んだ場合、苦戦を強いられることは必至である。

 純粋な戦闘能力は6階層の中でも随一。

 異様に長い腕はゴブリンやコボルトには不可能な射程を生み出し、三本の鋭利な指先はナイフのような切れ味を持つ。射程という意味ではフロッグシューターも負けてはいないが、殺傷力が全く異なる。

 速度にしても6階層以下の他のモンスターを上回っており、ゴブリンやコボルト程度に圧勝してその気になった冒険者は、ウォーシャドウにあっさり殺られる。特に初見で対応するのは困難であり、うっかり包囲されてしまうといよいよ危ない。

 

「っっ、くうっ!‍?」

 

 ベルも苦しい戦いを余儀なくされた。

 一方的に攻められ、こちらの傷ばかりが増えていく。

 これまで体験したことの無い速度と威力が前後から同時に振るわれる。衣服ごと肌を掠め取られ、間合いを掴めないでいるうちに連撃が来る。近づけないから反撃もできない。

 付け入る隙が見い出せなければ、逃げ出すことも許されない。敵は純粋に強かった。

 

『……』

「ぐう──っ!‍?」

 

 沈黙の中で放たれる、致命傷級の斬撃。

 鉤爪(かぎづめ)状の三枚の黒刃(ゆび)が視界の隅から急迫し、決死の思いで何とか回避できたかと思えば、今度は死角から別の一撃が伸びて危うく急所(くび)を跳ねられかける。

 前、背後、左右。

 少年を中心に都合四本の黒腕が絶え間なく踊り、弄ぶように振るわれる。

 ベルは反転を繰り返しながらモンスターの同時攻撃を(しの)いでいた。ぶれ続ける視界の中で汗が舞い血が飛び散る。

 このままだと殺られる。嫌な確信を抱くなり、それまで壊死していた危機意識が息を吹き返す。

 気付けば、虚ろだった瞳は生気を取り戻していた。

 

(まずい──けど、()()()()()()?)

 

 遅れてやってきた焦燥感に焼かれる一方、同時に抱いたのは強烈な違和感。

 戻ってきた思考能力が問いかけてくる。どうして自分はまだ生きているんだと。

 真っ先に気付くべきだった。

 どうして自分は、6階層にいながらいまだ五体満足で致命傷もないのか。

 考えてみればおかしい。ダンジョンに潜って半月足らずの冒険者が、この階層をソロでまともに探索できるわけがない。ズタボロになりながらウォーシャドウと邂逅(エンカウント)して即死。あるいは初っ端からウォーシャドウに瞬殺されて終わり。傷だらけになるならない以前の問題で、しぶとく生き残れる道理は無いのだ。

 エイナは教えてくれた。警告してくれた。

 駆け出し程度の半端な【ステイタス】では、6階層のモンスターには絶対に通用しないと──。

 

(──今の僕の、ステイタス‍?)

 

 そして辿り着く思考。

 たった一度の更新で異常な上昇値を見せた自分の【ステイタス】。まさか──という思いで体が熱を帯びる中、背中に刻まれている雌牛と無花果(いちじく)のエンブレムが、呼応するように発熱した。

 

「ぐあっっ!‍?」

 

 強烈な衝撃と苦痛が、意識を現実に引っ張り戻す。

 注意散漫になった隙を突かれ、ウォーシャドウの攻撃がベルの右肩を抉り取った。

 目を血走らせるベルは横合いに吹き飛び、衝撃に負けた右腕から短刀が離れる。たった一つの武器が、乾いた音を立てて床の上を転がった。

 

『!』

 

 横転した獲物(ベル)にすかさず覆い被さる、文字通りの漆黒の影。

 先程一撃を放ったウォーシャドウとは別の個体が、止めとばかりにその右腕を振り上げた。

 深紅(ルベライト)の瞳があらんばかりに見開かれ、全ての光景が緩慢(かんまん)になった。

 壮絶な勢いで過去の情景が頭の中を駆け抜ける。これが走馬灯(そうまとう)。これまで目にしてきた景色が恐るべき速度で再生された。

 その中でも、一際(ひときわ)輝いていた憧憬(アイズ)との出会い──

 

(──)

   

 このまま自分は想いの中で死んでいく。想いという夢の中で果てていく。辛い現実に立ち向かうより、それは確かに幸せなことかもしれなくて──

 

 

 

「──」

 

 

 ──本当に私で良かったのー?

 ──良いんです。だから()きますよ、だから()きましょう、ハトホル様。

 

 

 

 走馬灯が消える。

 死に取り憑かれかけた少年の瞳が誰かを映し、次の瞬間、彼は再起動した。

 

「ッッ!!」

 

 床から勢い良く飛び起き、急迫する鉤爪をすんでのところで(かわ)す。起き上がった勢いそのままに突っ込み、無手の右拳を敵の顔面に叩きつけた。

 響き渡る、鈍く重い破砕音。

 

『……、……?』

 

 渾身の右拳(カウンター)は鏡面を叩き割り、頭部ごと貫通していた。風穴の空いた後頭部から流れ出るヘドロを思わせる液体。互いの腕を交差した格好のまま、ウォーシャドウはがくりと膝を折った。もう動かない。

 

「まだ死ねない! 僕はまだっ!!」

 

 ベルは吠えた。

 自分が命を落とすということの意味を、彼は正しく理解していた。だから死ねない。簡単な話だった。

 

「あの御方(ひと)とっ、この下界で一緒に生きるって、決めただろッッ!」

 

 再起した少年は止まらない。

 顔面から腕を引き抜き、仲間を倒され硬直した様子を見せるもう一匹に、勢いそのままに仕掛ける。

 加速する中で床に落ちた短刀を掠め取り、得物を取り戻す。

 地を駆ける野兎のように疾走し、一気に敵の懐へと潜り込む。

 両腕を振り上げ迎撃行動に移るウォーシャドウ。だが、ベルの速度が僅かに(まさ)った。

 

「──ふッッ!!」

 

 ()()()()()()()()()()

 逆袈裟に振り切られた斬撃が敵の胸部を切り裂く。

 その瞬間、ガギッという嫌な音が響き、敵の胸の中の『魔石』もろとも、短刀の刀身もひび割れた。

 ぶった切られた胸の奥で二つに断たれた『魔石』が(はかな)く光り、銀の破片を巻き込むようにして、ぼろぼろと崩れていく。

 

『────!!』

 

 断末魔は音にならず、漆黒の体軀が灰へと果てる。

 少年は敵の消滅を認めるなり、脱力して乱暴な呼気音を響かせた。

 

「はあっ、はっ……は……はあっっ……っっ!‍?」

 

 両膝に手をつき、短刀を見下ろす。柄から先は無数の亀裂が入っており、軽く振ってみると無惨にボロボロと崩れてしまった。

 明らかな耐久限界。

 粗悪な素材で打たれた駆け出し用の一刀では、6階層での連戦に耐えられなかったらしい。元から少し錆びていたことを考えると、むしろここまで良くもってくれた方か。

 

「……っ……はあっっ」

 

 緊張の糸がぷつりと切れる。

 途端に押し寄せてくるのは疲労だ。間違いなくギリギリだった……そのはずなのだが、もう一度やればある程度は対処できるという不思議な自信があった。

 早すぎる鼓動音を聞きながら、胸に手をあてる。

 自分の体はどうなってしまったのか。

 敵う筈のなかったモンスターの撃破。教え込まれていた常識を覆してくれたのは、【ステイタス】の急激な成長に他ならない。だが、どうして急に成長したのかは不明だ。

 自分の身に何が起きているのか、わからない。

 だが、疑問に翻弄されている暇はなかった。

 

「武器が……早く、ここから、出ないと……っ」

 

 現時点で完全に得物を失った。しかも笑いかけている膝が、一向に戻らない呼吸のリズムが、限界が近いことを告げている。こんな状態でモンスターの群れに囲まれたりしたら、今度こそ自分は主神を置いて死んでしまう。

 だから、今は一刻も早い脱出を。

 せめて5階層まで戻ることができれば、と広間の出入り口を目指す。

 

「……はあ、はあ……っ」

 

 けれど、そんな彼を嘲笑うかのように……ビギリ、と。

 

「──」

 

 ベルの呼吸が止まる。

 顔を振り上げると、八本の腕が壁を引き裂き、蜘蛛の巣のような亀裂を生じさせている。

 ベルは走り抜けようとした。だが、間に合わなかった。あっという間に、都合四匹、先程の倍の数のウォーシャドウが生まれ落ちた。

 ベルは思い出す。

 エイナが不用意に階層を下るなと厳命している理由の一つ。ダンジョンは基本的に下に行けば行くほど、モンスターの生出頻度が上がる。そして特定の階層(ポイント)階層(ポイント)を跨ぐ場合、ひとつ上とひとつ下では比べ物にならないほどの差がある。

 この場合は5階層と6階層。ここが5階層だったら、()()()()()にはならなかっただろう。

 

「……あぁ」

 

 追い打ちをかけるようにいくつもの唸り声が聞こえてくる。ひとつしかない出入り口の奥に、沢山の獣の瞳が浮かび上がっていた。

 一匹、また一匹と6階層のモンスターが広間に侵入してくる。

 唯一の出入り口も塞がれ退路が断たれた、いわゆる詰んでしまった状態。ウォーシャドウもモンスターの群れに混ざりこんでこちらを見た。

 無手であの数を切り抜けるのは不可能。だが大人しくやられるつもりはない。ベルはそもそもの原因──自分の馬鹿さ加減を呪い、それでも最後まで足掻こうと両の拳を握り締めた。

 

 

「やってやる──」

 

 睨みつけるのはモンスターの群れではなく、今しがた倒したウォーシャドウの死骸。ヘドロの中に浮かんでいるドロップアイテム『ウォーシャドウの鉤爪』は即興の短刀として使える。素手で握り締めれば裂傷やむなしだろうが、命には替えられないとベルは鉤爪に手を伸ばした。

 

 

『──ダメダメ! そんな物を使ったら手がズタズタになってしまうわ!』

 

 その時だった。

 鉤爪を拾い上げる寸前で女性の声が広間に響き、ベルの足元に短剣が滑り込んできた。柄の色は深紅(クリムゾン)。刀身はやや錆び付いており、ところどころ刃こぼれどころか砕けている。

 

「えっ!‍?」

『貴方は見込みがありそうだから、それをあげる! ちゃっちゃと倒してさっさと地上に帰りなさい! あっ、全部倒そうなんて考えないで、こういう時はスマートにいくのよスマートに!』

 

 怪物達の奥に見えている出口。その先にゆらめく外套(フーデッドローブ)が見えた。離れていても視認できる輝きは瞳の光。色は濃厚なエメラルド。

 

『それとこれは気に入った子には絶対に言うようにしてるんだけど、()()()()()()()()()! そのためにも強くなるのよ後輩達! もし先輩だったらごめんなさい! でもそんなのは些細なことよね! じゃあまたねー!』

 

 謎の女性はゆらりと姿を消した。

 ベルは唖然とするわけでも泣き叫んで助けを求めるわけでもなく、ただ夢中で剣を乱暴に掴み上げ、怪物の群れに向かって駆け出した。

 

 

 ──やるしかないんだ、僕が。

 

 必ずあの御方のところに帰る。

 一緒にこの下界を生きていく。

 そのために高みを目指すのは間違ってないし、動機が憧憬(あのひと)なのもきっと間違ってない。そのはずだと決意と想いを新たにする。

 優しく包み込んでくれる刻印(せなか)の熱に勇気づけられ、ベルは深紅の柄を握り締め。

 ややあって、迫り来るモンスター達に飛び込んだ。




まずね、これを書き始めた時のテーマのひとつが

エルフを曇らせる
主に金髪


だったわけですよ。曇り通り越して発狂するかもしれない。原作通りに絶望までで止まるかもしれない。
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