ダンジョンでモンスターと戦うのは間違っているだろうか


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作:アイル123321
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アドバイザー


初投稿なので、何かあったら色々と大目に見てください。

誤字などあったら、報告してもらえればと思います。


恩恵(ファルナ)を刻まれた後、ヘスティア様に「ギルドで冒険者登録をしてきなさい」と言われた私は、ベルさんと一緒にオラリオの中央にある『ギルド』に来ていた。

 

「ここが……ギルド……!」

 

巨大な建物に目を輝かせていると、隣にいたベルさんが優しく笑った。

 

ベル「初めてだよね、ギルド。本当はここで、ダンジョンの知識とかいろいろ教えてもらうんだ」

 

「うん! 教えてくれる人、いるの?」

 

ベル「うん、その人が……あ、いた!」

 

ベルさんの視線の先、カウンターにはエルフの女性が座っていた。

 

エイナ「ベルくんじゃない。今日はどうしたの?」

 

ベル「今日はちょっと紹介したい子がいて……!」

 

エイナさんは一拍置いてから、私に目を向けた。

 

エイナ「えっと……あなたが?」

 

私はぺこりと頭を下げる。

 

「て、テリーです! 今日からヘスティア・ファミリアの一員になりました!」

 

エイナ「……こんなに小さいのに……本当にダンジョンに行くの?」

 

私は力強くうなずいた。

 

「はい! いろんな冒険をして、たくさんの体験をしたいんです!」

 

エイナさんの目が一瞬だけ真剣なものになる。でも、すぐに小さくため息をついて、眼鏡をクイっと直した。

 

エイナ「……わかりました。あなたがどんな考えであれ、ギルドとして冒険者を見捨てるわけにはいきません。登録が終わったら、講習を受けてもらいます。けどその前に、ひとつ覚えておいて。“冒険者は、冒険してはいけない”」

 

「冒険者は、冒険してはいけない……?」

 

エイナ「ええ。時には冒険が必要なこともあるかもしれない。けど、“冒険する”っていうのは“命を懸ける”ってこと。命を懸けないためにも、この後の講習、しっかり頑張りましょう」

 

「……うん。怖いけど、ちゃんと学ぶよ!」

 

エイナ「ふふ、素直でいい子ね。じゃあこの紙に、テリーちゃんの情報を書いてちょうだい。ダンジョンに潜ることになったら、ベルくんからもちゃんと教えてあげてね?」

 

ベル「はい、もちろんです!」

 

ベルさんには待っていてもらって、私は講習を受けることになった。

案内された小部屋の机には、地図や紙の束、小さな魔石のサンプルまで並んでいる。

エイナさんはきっちりした制服姿で、机の前に座っていた。

 

エイナ「じゃあ、“ダンジョン講習”を始めましょうか。……とはいえ、まだ10歳の子にどこまで教えるべきか……でも、小さい子だからこそ、ちゃんと教えなきゃね!」

 

「がんばりますっ!」

 

私はピンと背筋を伸ばした。

 

エイナ「まず、“ダンジョン”はオラリオの地下深くに広がる自然発生型の迷宮空間。モンスターが自動的に“生まれてくる”、何が起こるかわからない場所よ」

 

「生まれるって……どこから?」

 

エイナ「“壁”や“床”からよ。まるで生き物みたいに、突然湧き出てくるの。だから“背後”には特に注意して。視界の外からモンスターが現れることも多いの」

 

「う、うんっ!」

 

エイナ「モンスターの体内には“魔石”が埋まっていて、それが討伐報酬になるの。ギルドが買い取ってくれるから、それが冒険者の基本的な収入源ね。

“魔石”を砕いて倒すこともできるけど、基本は残すように倒すのがベストよ」

 

「“魔石”…」

 

エイナさんは微笑みながら、テーブルの上の魔石を一つ私の手に乗せてくれた。

 

「きれい……」

 

淡く光るその魔石を、私はじっと見つめた。

 

 

約3時間後――

 

エイナ「ふぅ……だいたいこれが初歩の内容ね。あとはベルくんに、実際のダンジョンで教えてもらって」

 

「うん! ありがとう、エイナさん!」

 

エイナ「……でも、約束して? 無理はしないこと。最初は絶対に一人で行かないこと。危険を感じたら、すぐ逃げること」

 

「はい! いっぱい教えてくれてありがとう!」

 

エイナ「そうそう。装備を後払いで買うこともできるけど、どうする?」

 

「うーん……もらっておきます!」

 

エイナ「わかりました。初心者用の装備を持ってくるから、ちょっと待っててね」

 

少しして、エイナさんがいくつかの装備を持って戻ってきた。

 

エイナ「防具は体に合うものを使えばいいけど、問題は武器ね。何を使ってみたい?」

 

「私でも使えそうな短めの剣と、あと……弓も使ってみたいです!」

 

エイナ「剣はともかく、弓? 珍しいわね」

 

「住んでいた村で少しだけ使ったことがあって、将来パーティを組んだとき、後ろからサポートできるようにって……」

 

(……ホントは、仲間にしたモンスターを後ろから援護するためだけど)

 

エイナ「ふふ、ちゃんと先のことも考えてるのね。なら、反対しないわ。でも、弓は使いこなせないと周りに迷惑がかかるから、しっかり練習してね」

 

「はいっ!」

 

エイナ「それと、装備代は焦らずゆっくり返していけばいいから。お金のことは心配しないで自分のペースでね」

 

「はい、わかりました!」

 

エイナ「もし何か困ったことがあったら、すぐ私のところに来なさい。小さい子を放っておけるほど、私も無責任じゃないから」

 

「ありがとう、エイナさん!」

 

そう言って椅子を降りた私に、彼女は膝をついて目線を合わせてくれた。

 

エイナ「あなたが、“帰ってこられる冒険者”でありますように。……本気で、願ってるわ」

 

その言葉に、私の心はぽかぽかとあたたかくなった。

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